- 日本企業
- マニー
マニーJP:7730
事業内容
マニーは医療用の手術器具や歯科材料の製造・販売を主業務とする企業です。同社は皮膚縫合器や眼科ナイフなどのサージカル製品、手術用針付縫合糸やその材料となるアイレス・アイド縫合針、歯科用の根管治療機器や回転切削機器、歯科用修復材を主力商品として展開しています。
主要な顧客はディストリビューターや縫合糸メーカーで、病院や歯科医院へは主に流通網を通して供給しています。同社は滅菌済みの針付縫合糸や歯科用消耗材といった消耗品の継続的な販売で安定収益を確保しつつ、手術機器や専用機器の販売で付加価値を上げています。さらに海外に生産・販売拠点を持ち、国際市場への販売も重要な収益源になっています。
事業は大きくサージカル関連、アイレス針関連、デンタル関連の三つのセグメントに分かれています。同社はサージカルで皮膚縫合器やトロカール、深部縫合器などを、アイレス針関連で針付縫合糸とその針素材を、デンタル関連でリーマ・ファイルやニッケルチタン製ファイル、各種バーや修復材をそれぞれ製造・販売しています。
経営方針
同社は中期経営計画2029に基づき、安定した高収益体質への転換と持続的な成長を目指しています。具体的には2025年実績の売上高300億円を2029年に450億円へ引き上げ、営業利益を82億円から145億円(率で約32%)に高めることを目標としています。営業キャッシュ・フローを現状から1.5倍に改善する計画を掲げ、成長投資を強化するために200億円のM&A投資枠を確保し、株主還元の目安としてDOE(配当と自己資本効率の指標)8%を志向しています。
同社は重点投資分野としてサージカル(とくに眼科用ナイフ)、アイレス針関連、デンタルの三領域を挙げています。眼科分野ではナイフのグローバルシェアを30%から50%へ高め、緑内障や硝子体手術向け製品群を拡充する方針です。針関連では独立系メーカーとして世界第2位の地位を維持・強化するとともに、マイクロ針やロボット手術向けの高付加価値製品に投資して差別化を図ります。歯科分野では根管治療製品のポートフォリオ拡大や修復材の収益性改善を進め、製品品質と臨床価値で価格競争から脱却することを狙っています。
同社は海外展開を成長の主軸と位置づけ、北米、欧州、アジアでの売上拡大に注力しています。地域統括拠点を中心としたグローバル5極体制で現地に根ざした営業を拡大し、戦略的アライアンスや事業買収(M&A)を活用して新たな事業機会を取り込みます。具体的施策としては米国MST社との販売提携強化や製薬会社との共創、また中国の政府調達(GPO)対応や原価低減を通じた競争力維持を進め、投資の比重を生産設備から成長分野へシフトします。
同社は技術革新を経営基盤の中核に据え、研究開発プロセスの改革で開発スピードを高める取り組みを進めています。オープンな共同開発や次世代加工技術、微細加工技術の応用によりマイクロ製品や高精度部材の開発を加速し、製品差別化を図ります。加えて業務のデジタル化によるコスト削減やサプライチェーン改革を進めるとともに、人材育成や多様性の推進、環境負荷低減といった持続可能性への取組みも並行して強化しています。