インターアクションJP:7725

時価総額
¥154.4億
PER
IoT・環境エネルギー・インダストリー4.0関連事業の有力企業。CCD/CMOS向け検査用光源装置、瞳モジュール、乾燥脱臭装置、AI画像処理装置、レーザ加工機等を展開。2025年5月31日現在、子会社9社のグループ体制。日本、中国(西安・上海)、韓国、台湾で展開。

事業内容

株式会社インターアクションは、IoT関連、環境エネルギー、インダストリー4.0領域で機器の開発・製造・販売を行う企業です。同社は特に撮像半導体向けの検査用光源装置や、カメラモジュールに近い光学特性を持つ瞳モジュールを主力製品としています。

主要顧客は撮像素子やカメラモジュールのメーカー、印刷業者、精密部品を扱う製造業などで、設備導入や検査ラインの刷新を進める企業に販売しています。同社の収益は機器販売が中心で、導入時の設計・据付や保守・メンテナンスなどのサービスが継続的な収入源になっています。

事業は大きく三つのセグメントに分かれており、IoT関連ではイメージセンサ向け検査用光源や瞳モジュールを扱います。環境エネルギーでは印刷機向けの乾燥脱臭装置や排ガス処理装置を、インダストリー4.0推進では精密除振装置、歯車試験機、AI画像処理装置、レーザ加工機など生産現場の高精度化・自動化を支える機器を提供しています。

経営方針

同社は2026〜2030年の新中期経営計画を掲げ、質の高い成長によって企業価値を高めることを目指しています。具体的には「ベース売上高」「売上総利益率」「一人当たり営業利益」「営業利益成長率(CAGR)」「ROE(連結)」を重要指標に設定し、設備投資の有無に左右されない安定収益(ベース売上高)の拡大や営業利益の中長期的成長に注力します。なお現状では売上高の約6割が撮像センサ向け検査装置に依存しており、この集中度を下げることも計画の重要課題としています。

重点投資分野としてはIoT領域の撮像センサ用検査光源や瞳モジュール、インダストリー4.0領域の精密除振装置やAI画像処理、環境エネルギー領域の乾燥・脱臭・排ガス処理装置などを挙げています。同社は光学やメカ制御を基軸技術とし、単体装置の提供にとどまらず「測定・収集・分析」したデータを活用するサービスへ差別化を図ることで、製品競争力と継続収益源の両面を強化しています。また「人・技術・組織の相互作用」を生かし、技術や企業をつなぐハブ機能で共創価値を生むことを重視しています。

新市場開拓や事業拡大では、戦略的パートナーシップの構築と顧客基盤の整備を進め、モバイルや車載向け、ロボティクス向けの高度化する撮像素子検査や、AIを活用した自動運転など新用途への展開を狙っています。子会社(明立精機、東京テクニカル)による技術開発を通じてシェア拡大を図るほか、装置販売に加えて据付・保守を含むサービス収入やデータソリューションの提供で収益モデルを多様化する計画です。

技術革新への取り組みとしては、研究開発体制の強化と人材採用(粘り強い実験ができる人材の確保)を最優先に据えています。マーケティングと企画力を高めるためにVG戦略室を中心に商品化や市場導入を加速し、キャッシュアロケーションの明確化やガバナンス強化、事業間シナジー追求といった経営基盤の整備も並行して実行します。これにより原価低減や生産効率向上を図りつつ、不確実な外部環境にも耐えうる強靭な事業ポートフォリオをつくることを目指しています。