浜木綿JP:7682

時価総額
¥85.4億
PER
46.5倍
中国料理専門店の有力企業。家族向け主力ブランド「浜木綿」等の多業態とセントラルキッチン体制を展開。1967年2月創業で店舗数41店、新卒調理師育成と独自オーダーシステム導入を推進。東海地方中心に東京都から大阪府まで出店。

事業内容

浜木綿は、東海地方を中心に中国料理専門店を多店舗展開する外食企業です。同社は家族向けの「浜木綿」を主力に、手頃な価格で本格的な中華を提供し、創業以来、独自の注文システムや集中調理施設を活用して提供スピードと調理の均質化を図りながら効率的な店舗運営を行っています。

同社の主要顧客は、週末や祝日の家族利用を中心に、平日昼は主婦層、平日夜は歓送迎会や忘年会などの宴会利用を取り込んでいます。客単価帯は概ね1,500円〜3,000円の「ちょっと晴れの日」需要を狙っており、来店型の飲食収益が事業の中心です。

事業は単一の飲食セグメントで、業態は大人数向けの浜木綿(31店舗)、全室個室の四季亭(3店舗)、少人数向けの桃李蹊(3店舗)、カジュアルな中国食堂はまゆう(4店舗)の4本柱で構成され、合計41店舗を展開しています。出店は東海を基盤に東京都から大阪府まで広げ、幹線道路沿いで駐車スペースを確保できる立地を重視する戦略を取っています。

経営方針

同社は持続的な成長を実現するため、従来の「ちょっと晴れの日」需要を支える浜木綿など中価格帯の業態(客単価およそ1,500〜3,000円、計41店舗:浜木綿31店、四季亭3店、桃李蹊3店、はまゆう4店)を基盤に据えつつ、日常利用を狙った業態「中国食堂はまゆう」を強化する二本柱の戦略をとっています。同社は「新町中華」というコンセプトで客単価約1,000円の巨大な日常マーケットへ進出することで、来店客数の安定化と売上基盤の拡大を目指しています。

重点投資分野はバックヤード機能と人材育成にあります。同社は2024年2月に愛知県豊川市にセントラルキッチンを新設し、製造能力の増強と店舗の生産性向上を図っています。セントラルキッチンで下ごしらえや技術の共有を行うことで、現場の調理師が味の管理に集中でき、少ない人員でも本格的な料理を提供できる仕組みを作ることを目指しています。これにより他社との差別化を図り、参入障壁を高めることを重視しています。

新市場開拓では、地方基盤で培った運営ノウハウを生かして関東・関西への出店検討を継続するとともに、町中華の減少による需要ギャップを埋める形で「はまゆう」業態を広げていく計画です。同社は出店立地として幹線道路沿いで駐車場を確保できる場所を重視しており、既存店の改装・リニューアルで集客を高める施策と合わせて、デリバリーやテイクアウト、土産・EC販売などチャネル多様化も視野に入れて営業基盤を拡大することを目指しています。

技術革新への取り組みでは、同社は業務効率化と品質管理のためにITを積極的に導入しています。厨房・ホール・レジをつなぐ注文管理システムやテーブルオーダー用の端末、スマートフォンからのテイクアウト・デリバリー注文、2021年10月に導入した「はまゆうアプリ」などを活用して顧客接点と管理を強化しており、今後は業務の省力化に向けたロボット導入や現場のデジタル化(教育マニュアルのスマホ配信やオンライン会議環境整備)を進め、生産性指標である客数、売上原価率、人時売上高の改善を通じて収益性の向上を目指しています。