DNホールディングスJP:7377

時価総額
¥172.8億
PER
9.4倍
土木・建築・測量・地質調査を手掛ける建設コンサルタントの有力企業。社会資本整備向けの調査・企画・立案・設計・工事監理や地盤・地下水・資源解析のコンサルティングを展開。連結子会社を含む9社体制でベトナム拠点保有。国内を基盤に海外展開。

事業内容

DNホールディングスは、土木・建築分野の調査・設計・工事監理と、それに伴うコンサルティングを中核に事業を展開している企業グループです。測量や地質・土質の調査、企画・立案といった上流工程から工事監理まで一貫して手掛けています。

同社の主要な顧客は国や自治体といった公共発注者や建設事業者、民間の開発事業者で、案件ごとの受託手数料が収益の中心です。グループ内の子会社や関連会社を通じて、国内外の現場に対応し、継続的な受注による安定収入を担っています。

事業は大きく建設コンサルタントと地質調査に分かれており、前者は社会資本整備の計画・設計・工事監理、後者は地盤や地下水、資源の調査・解析を行っています。掘削や現地試験を行う専門会社や海外拠点、発電関連の出資会社などを含むグループ体制で、多様なニーズに応える体制を整えています。

経営方針

同社は2024年6月期を初年度とする3ヵ年の中期経営計画(中期経営計画2026)を掲げ、持続的な成長と経営基盤の強化を目指しています。財務面では自己資本比率を概ね50%程度に維持し、自己資本利益率(ROE)を10%以上に引き続き確保することを目標としています。固定比率は80%以下、連結配当性向は30%以上といった具体的な数値目標を設定し、資本コストや株価を意識した経営を進める計画です。

重点投資分野は構造分野と地質・地盤分野で、同社はこれらを軸にマーケットリーダーの地位を強化するとともに、新たなリーダー領域の創出を図っています。具体的には、上流の調査・企画・立案から設計、工事監理まで一貫して提供する強みを活かし、グループ内の専門会社との連携によるシナジー創出や事業の選別を進めます。また、人材面では旧大日本コンサルタントと旧ダイヤコンサルタントの融合やテレワークの拡充を通じて人材価値の最大化を図り、女性採用比率30%以上や女性取締役の登用といったガバナンス強化も進めています。

新市場開拓や事業拡大では、国内の社会資本整備需要に加え、自然災害対策や脱炭素化(グリーントランスフォーメーション)に関連する案件の取り込みを狙っています。海外拠点や発電関連の出資会社、掘削・現地試験を行う専門会社といったグループ資源を活用し、公共発注者や民間の開発事業者向けに安定的な受注基盤を拡大することを目指しています。事業の絞り込みと主軸事業からの横展開で、新たな市場でのリーダー創出を図る方針です。

技術革新への取り組みでは、デジタル化(DX)を通じた業務効率化と新サービス創出に注力しています。具体的には設計や調査データのデジタル活用による生産性向上、社員の情報リテラシー向上、並びにサステナビリティに関する施策の立案・開示を推進します。リスクマネジメントの強化や株主との対話を重視しつつ、DXと環境対応を一体で進めることで競争優位を確立しようとしています。