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アストマックスJP:7162
事業内容
アストマックスは、総合エネルギー事業と金融事業を展開しており、以下の5つの事業セグメントに分かれています。「再生可能エネルギー関連事業」、「電力取引関連事業」、「小売事業」、「アセット・マネジメント事業」、「ディーリング事業」です。
再生可能エネルギー関連事業では、太陽光発電所の売電や保守・運用管理、新たな太陽光発電所の開発、地熱発電の事業化を行っています。また、PPAを活用した自家消費モデルの導入や蓄電池事業も手がけています。子会社としてアストマックスえびの地熱株式会社があり、複数の匿名組合出資も含まれています。
電力取引関連事業では、アストマックスが単独で電力の卸売り販売を行っています。また、顧客管理や需給予測、リスク管理などの代行サービスも提供しています。これにより、電力市場での効率的な取引をサポートしています。
小売事業では、アストマックスとその子会社であるアストマックス・エネルギー株式会社が、小売電気事業およびガス小売事業を展開しています。これにより、エネルギーの供給を多角的に行い、顧客のニーズに応えています。
アセット・マネジメント事業は、ベンチャーキャピタルファンドや学校法人等の基金の資産運用を行っていましたが、2025年3月末をもって廃止されました。再生可能エネルギー関連の投資ファンドの運用も行っていました。
ディーリング事業では、国内外の主要取引所で商品先物や株価指数等の金融先物を取引対象とした自己勘定取引を行っています。しかし、事業間のシナジーや投下資本の効率を再検討した結果、2年を目途に段階的に縮小し、最終的に廃止することが決定されています。
経営方針
アストマックスは、持続可能な社会の実現を目指し、総合エネルギー事業の拡大を成長戦略の中心に据えています。同社は、再生可能エネルギーの開発・運用、電力取引、リスク管理ノウハウを活かし、エネルギートータルソリューションプロバイダーとしての地位を強化しています。
中期ビジョン2028では、ROE9%超、ROIC8%超を目指し、資本効率の向上を図ります。資本コストを上回る収益性を確保し、持続的な成長を実現するため、フリーキャッシュ創造力を重視し、投資効率を高める方針です。
アストマックスは、SDGs達成への貢献を事業活動の基本に位置付け、再生可能エネルギー関連事業を拡充しています。特に、太陽光発電や地熱発電の開発に注力し、電力需要家や発電事業者の多様なニーズに応える体制を整えています。
同社は、事業の選択と集中を進め、アセット・マネジメント事業の廃止やディーリング事業の縮小を決定しました。これにより、電力取引関連事業へのリソースを集約し、差別化を図る戦略を推進しています。
財務戦略としては、成長を支えるキャッシュアロケーションを重視し、株主還元方針を明確にしています。配当性向30%以上を目指し、1株当たり7.00円の配当を下限とする方針を掲げています。
非財務戦略では、ガバナンス・コンプライアンスの強化、人財育成、社内環境整備を進めています。特に、次世代マネジメント人材の育成を重視し、新たな経営体制の確立を急務としています。
アストマックスは、電力取引関連事業の収益力強化を図り、AIを活用した需給調整や市場予測を進めています。これにより、電力取引の効率化と収益性の向上を目指しています。
小売事業では、顧客ニーズに応じた電力プランを提供し、顧客基盤の拡大を図っています。特に、フリープランの導入により、顧客数の増加と収益性の向上を実現しています。
アストマックスは、持続可能な社会の実現に向け、サステナビリティ経営を推進しています。サステナビリティ委員会を設置し、気候変動や人的資本に関する重要課題を特定し、取締役会に報告する体制を整えています。