ジャパンクラフトホールディングスJP:7135

時価総額
¥81.4億
PER
45.7倍
手芸関連事業の有力企業。手芸専門店、ECモールでの手芸用品・生活雑貨、出版、カルチャースクール・オンライン教室事業を展開。子会社3社でグループ運営、業務資本提携。連結ベースでインサイダー取引規制の判断対象に該当。

事業内容

ジャパンクラフトホールディングスは持株会社として傘下のグループ会社を統括し、手芸関連の小売、出版、教室運営を中心に事業を展開しています。同社はグループ全体の経営管理や戦略支援を行い、各事業会社の事業運営を支えています。

主な顧客は手芸を趣味にする一般消費者や手作りを学びたい受講生で、収益は店舗やECでの材料・雑貨の販売、書籍の販売、教室の受講料が中心になっています。同社は対面販売とオンライン販売の両方を通じて顧客接点を広げています。

事業は大きく小売事業と出版・教育事業に分かれ、小売は手芸専門店「クラフトハートトーカイ」を核に店舗とECで材料や生活雑貨を販売しています。出版・教育は手芸書の刊行を行う日本ヴォーグ社と、店舗やカルチャースクール、オンラインでハンドメイド教室を運営するヴォーグ学園が担っており、これらがグループの主要な製品ラインとサービス群になっています。

経営方針

同社は中期経営計画を通じて企業価値の向上と「黒字体質」の定着を目指しています。具体的には、2026年6月期の売上高約146億円、営業利益約3.34億円、2027年は売上高155億円、営業利益約6.8億円、2028年は売上高約166.4億円、営業利益約11.2億円を目標に掲げ、安定的に利益を出せる事業構造への転換を図っています。前年度には不採算店舗の閉鎖など構造改革を実行し、営業損益の黒字化を達成したことを踏まえ、これらの数値達成に向けて収益基盤の強化を進めています。

同社は重点投資分野として店舗網の再編と電子商取引の強化、商品戦略の見直しに力を入れています。具体的には、採算性の低い店舗を整理する一方で、店舗と教室、出版のコンテンツを組み合わせた高付加価値商品の展開や対面での学びの提供に注力し、百円ショップ等との価格競争に対しては「手作りの喜びや体験価値」を強みとした差別化を図っています。また、人的資源の育成や財務基盤の改善に投資し、M&Aや業務提携を通じて取り扱い商品の幅やサービスを拡充する方針です。

同社は新市場開拓と事業拡大では、長期ビジョン2030に基づき「手づくり」を軸に新たな事業領域へ展開することを目指しています。教室運営や出版事業で培った顧客基盤を活用し、オンラインと対面の両方で顧客接点を増やすことで新規の手芸ファンを獲得する計画です。加えて、M&A・アライアンスを活用して新商品やサービスを取り入れ、趣味の多様化や若年層の取り込み、訪日客の増加といった外部環境の変化にも対応できる事業体制を整えます。

同社は技術革新についてデジタル技術の活用を進めることで競争力を高めることを目指しています。具体的にはECプラットフォームの強化やオンライン教室の拡充、販売・在庫管理のデータ活用による効率化といった取り組みを行い、顧客の購買履歴や嗜好データを基にした商品開発や販促の精度向上を図ります。これにより原材料高騰や競合激化といった外部リスクに対しても柔軟に対応し、持続的な成長につなげる方針です。