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近畿車輛JP:7122
沿革
1920年12月 |
田中太介、尼崎市松島町2丁目に田中車輛工場を創設、鉄道車輛の製造を開始 |
1935年12月 |
個人経営の田中車輛工場を出資金300万円の田中車輛合名会社に改組 |
1939年11月 |
田中車輛合名会社を資本金300万円の田中車輛株式会社に改組、本社を大阪府布施市橋本1番地の1に置く |
1941年3月 |
徳庵工場を完成 |
1945年11月 |
田中車輛株式会社の全株式を近畿日本鉄道株式会社(現近鉄グループホールディングス株式会社)に譲渡し、以後同社の経営に移り、商号を近畿車輛株式会社に変更 |
1949年5月 |
株式を大阪証券取引所に上場 |
1956年5月 |
建築用スチール製サッシ・ドアの製造を開始 |
1960年7月 |
アルミ製サッシの製造を開始 |
1961年10月 |
株式を東京証券取引所市場第一部に上場 |
1964年7月 |
産業機器分野に進出 |
1974年10月 |
子会社株式会社きんきゴルフセンター(現非連結子会社:株式会社ケーエステクノス)設立 |
1975年7月 |
本社を東大阪市稲田966番地の1に移転(1989年9月東大阪市稲田新町3丁目9番60号に住居表示を変更) |
1979年4月 |
子会社近車サービス株式会社(現非連結子会社:株式会社ケーエステクノス)設立 |
1986年4月 |
子会社株式会社テクノデザイン(株式会社ケーエスデザイン)設立 |
1991年5月 |
米国現地法人KINKISHARYO (USA) INC.(現KINKISHARYO International,L.L.C.)設立 |
1999年5月 |
米国現地法人KINKISHARYO International,L.L.C. (現連結子会社)設立 |
2004年1月 |
本社を東大阪市稲田上町2丁目6番41号に移転 |
2006年2月 |
カナダ現地法人KINKISHARYO INTERNATIONAL CANADA INC. (現非連結子会社)設立 |
2009年3月 |
建材事業の廃止 |
2009年6月 |
株式会社ケーエステクノスのアルミニウム事業の廃止 |
2009年8月 |
本社を東大阪市稲田上町2丁目2番46号に移転 |
2012年5月 |
西日本旅客鉄道株式会社との間で業務提携契約を締結 |
2012年7月 |
株式会社ケーエスデザインを車両設計室に一元化 |
2018年1月 |
米国現地法人KINKISHARYO (USA) INC.とKINKISHARYO International,L.L.C.が後者を存続会社として統合 |
2020年12月 |
創業100周年 |
2022年4月 |
東京証券取引所の市場区分見直しにより市場第一部からスタンダード市場へ移行 |
事業内容
近畿車輛は、鉄道車両関連事業と不動産賃貸事業の二つの主要なセグメントで事業活動を展開しています。同社とその子会社4社、およびその他の関係会社から成るグループ体制をとっています。
鉄道車両関連事業では、近畿車輛自身が鉄道車両の製造を行い、その補助業務を子会社の㈱ケーエステクノスに委託しています。また、海外市場、特に米国とカナダでの案件獲得を目指し、KINKISHARYO International, L.L.C.及びKINKISHARYO INTERNATIONAL CANADA INC.という子会社を通じて受注車両の構体などを納入しています。さらに、RAIL TRANSIT CONSULTANTS, INC.は技術エンジニアリング業務を担当しており、グループ全体の技術力向上に貢献しています。
不動産賃貸事業は、近畿車輛が直接手がけており、事業用不動産の賃貸を行っています。このセグメントは、同社の収益源の一つとして位置づけられています。
加えて、近畿車輛は、関係会社である近畿日本鉄道㈱に対して鉄道車両及びその部品を販売しており、同社の製品が広く鉄道業界に供給されていることがわかります。
これらの事業活動を通じて、近畿車輛は鉄道車両の製造から技術サービス提供、不動産管理まで幅広いビジネスを展開しており、多角的な事業構造を持つ企業であることが明らかになります。
経営方針
近畿車輛は、その長年にわたる技術と経験を基に、省エネルギーでCO2排出量の少ない鉄道車両の提供を通じて、地球環境の保護と社会貢献を目指しています。同社は、誠意と熱意を持って、優れた技術と創造力を発揮し、豊かで快適な人間環境の実現に貢献することを企業理念として掲げています。
経営環境においては、ウィズコロナの段階への移行による旅行需要の回復やインバウンドの増加が期待される一方で、材料費やエネルギー価格の高騰、半導体不足の影響などに直面しています。国内市場では、安全性の向上やバリアフリー化、省エネルギー化のための鉄道車両の置き換え需要が見込まれるものの、テレワークの定着や人口減少による鉄道車両の需要減少が懸念されています。海外市場では、米国や東南アジア、中東での新規受注が期待されるものの、受注競争の激化や現地生産の要請、金融引き締めによる景気の下振れリスクなど不安定要因を抱えています。
これらの課題に対処するため、近畿車輛は、環境面を考慮した持続可能な社会を実現するための最適仕様の車両を提案し、合理的な生産体制を追求することで収益を確保しようとしています。また、従来からの顧客の信頼に応えるとともに、新規顧客の案件獲得にも注力しています。さらに、内部統制の整備と運用を強化し、財務報告の信頼性を確保することにも取り組んでいます。
これらの成長戦略を通じて、近畿車輛は、鉄道車両の製造から技術サービス提供、不動産管理まで幅広いビジネスを展開し、多角的な事業構造を持つ企業として、持続可能な成長を目指しています。