協立電機JP:6874

時価総額
¥214.7億
PER
8.1倍
インテリジェントFAシステム事業の大手。半導体基板検査装置やプロセスオートメーションを展開。1999年のM&Aで国内グループ化、2001年から海外展開。中国、タイ、マレーシア、カナダ、インド、ベトナム、インドネシア、フィリピンの8カ国で海外子会社11社を展開。

事業内容

協立電機は、工場の自動化(FA)とネットワーク技術を組み合わせたインテリジェントFAシステムの開発・設計・製造・販売を主力にしています。同社は半導体基板の検査装置や工程管理向けの自動化機器、メカトロニクス関連のシステムを中心に事業を展開しています。

主要な顧客は半導体や電子部品、自動車などの製造業で、国内外の生産拠点向けにシステム導入や機器納入を行っています。同社は中国や東南アジア、インド、カナダなどに子会社ネットワークを持ち、海外販売と国内販売を併せて機器販売・システム導入・保守で収益を確保しています。

事業は大きくインテリジェントFAシステム事業、IT制御・科学測定事業、その他(不動産賃貸など)の三つに分かれます。インテリジェントFA事業が開発・製造・納入を担い、IT制御・科学測定事業は制御機器や計測器の販売を中心に複数の子会社が支えています。

経営方針

同社は成長戦略の基本を「利益率の向上」と「成長分野へ選択的な投資」に置いており、当面の経営指標として連結売上高経常利益率8%、連結ROE15%を目標としています。直近の連結会計年度では売上高経常利益率が9.0%、ROEが11.2%で終えており、まずは収益性を高めたうえで余剰資金を新規事業や成長地域に振り向けることで企業価値を高めることを重視しています。コスト改善や高付加価値製品の比率向上など具体的な施策を通じて、安定した利益基盤を構築することを目指しています。

同社は重点投資分野としてロボットや省力化・自動化システム、エネルギー効率化製品、水質監視など環境関連機器、及び半導体基板検査や試験・計測装置を挙げています。差別化策としては、設計・製造・調達・施工・保守までを一貫して提供する「ワンストップ」体制により顧客ニーズを一手に引き受ける能力を高め、ソフトウェアとハードウェアを自社で開発できる点を競争優位にしています。これにより単体機器の販売にとどまらないシステム全体の提案で高い付加価値を確保することを狙っています。

新市場開拓では海外展開を最重要テーマに位置付け、従来の半導体検査装置中心からメカトロ機器、インテリジェントFAシステム、計測・試験装置へと海外での事業領域を拡大しています。中国、東南アジア、インド、カナダなど既存の子会社ネットワークを活用しながら、海外営業本部を中心に現地での技術支援と販売を強化し、現地化したサービス提供体制を整備することで受注競争力を高めることを目指しています。国内ではDXやIoT、生成AIなどの技術革新を取り込んだ新たな投資需要を取り込み、拠点強化や地域別の営業投資で市場の捕捉率向上を図る計画です。

技術革新への取り組みとしては、2017年6月設立のR&Dセンターを起点に研究開発体制を強化し、グループ横断での技術情報の共有や平準化を進めています。具体的にはAIを組み込んだロボット向けソフトウェアの開発や、自動化システム・試験機の高度化、省エネ・環境製品の新モデル投入などに注力しており、これらを通じて新製品の開発力を高めることを目指しています。加えて海外拠点の技術教育や語学・海外業務経験の強化、グループ展示会や人的交流によるノウハウ伝承など、技術と人材の両面でイノベーションを継続的に促進する方針です。