富士通JP:6702

時価総額
¥8.55兆
PER
18.6倍
サービスソリューション、ハードウェアソリューション、ユビキタスソリューションの3つの事業セグメントを持ち、コンサルティングサービスやクラウドサービス、システムプロダクト、パソコンの提供を行う。

事業内容

富士通は、世界中でデジタルサービスを提供する企業であり、主に「サービスソリューション」、「ハードウェアソリューション」、「ユビキタスソリューション」の3つの事業セグメントを持っています。これらのセグメントを通じて、富士通は多様な製品とサービスを展開しています。

サービスソリューションセグメントでは、富士通はコンサルティングサービス、クラウドサービス、システムインテグレーション、ソフトウェア、ITサービス、マネージドサービスなどを提供しています。これには、ビジネスコンサルティングやテクノロジーコンサルティング、IaaS、PaaS、SaaSなどのクラウドサービスが含まれます。

ハードウェアソリューションセグメントでは、富士通はシステムプロダクトやネットワークプロダクトを提供しています。具体的には、UNIXサーバ、PCサーバ、ストレージ、メインフレーム、モバイルシステム、IPネットワーク機器などが含まれます。また、これらの製品に対するサポートサービスも提供しています。

ユビキタスソリューションセグメントでは、富士通は主にパソコンを取り扱っています。このセグメントは、富士通の関連会社である富士通パーソナルズが主に担当しています。これにより、富士通は個人向けのコンピュータ製品を提供しています。

また、富士通は「デバイスソリューション」を非継続事業に分類しており、関連する株式の譲渡を進めています。これにより、富士通は事業の再編を図り、主要な事業セグメントに注力しています。

経営方針

富士通は、2030年に向けて「ネットポジティブ」を実現するテクノロジーカンパニーを目指しています。このビジョンは、財務的なリターンの最大化に加え、地球環境問題の解決、デジタル社会の発展、人々のウェルビーイングの向上を通じて、社会全体にプラスの影響を与えることを目的としています。

同社は、2023年度から2025年度までの3年間を、持続的な成長と収益力向上のためのモデル構築期間と位置付けています。この中期経営計画では、事業モデル・ポートフォリオ戦略、カスタマサクセス戦略、テクノロジー戦略、リソース戦略の4つの重点戦略を推進しています。

富士通の成長戦略の一環として、Fujitsu Uvanceを中心にサービスソリューションの拡大を図っています。2024年度には、Fujitsu Uvanceの売上収益が31%増加し、グローバルでの標準化や商談のリカーリング比率も向上しました。2025年度には、さらにコンサルティングビジネスやAIを活用したオファリングの拡充を進める予定です。

また、ハードウェアソリューションの競争力強化を図るため、研究開発から製造、販売、運用・保守の機能を集約・分社化しています。2024年にはサーバ・ストレージ事業を担う新会社を設立し、2025年にはネットワークプロダクト事業の新会社設立を予定しています。

富士通は、モダナイゼーションビジネスの推進と海外ビジネスの変革にも注力しています。2024年度には、モダナイゼーションビジネスの売上収益が86%増加しました。2025年度には、デジタルトランスフォーメーションの提案を加速し、生成AIを活用した効率化を進める予定です。

テクノロジー戦略では、AIや量子コンピューティングの強化を進めています。2024年には、カナダのCohere Inc.とのパートナーシップを通じて、高い日本語性能を持つ大規模言語モデルを提供開始しました。量子コンピューティングでは、256量子ビット機の開発を進めています。

リソース戦略では、事業と連動した人材ポートフォリオの実現を目指しています。ジョブ型人事制度の導入や報酬水準の見直しを進め、グローバルでの人材流動性を高めています。これにより、事業成長と生産性の向上を図っています。

富士通は、非財務面でも環境や人材に関するKPIを設定し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めています。温室効果ガス削減や従業員エンゲージメントの向上を目指し、デジタルテクノロジーを活用して社会貢献を続けています。