ユビテックJP:6662

時価総額
¥37.3億
PER
IoTサービスや組込みソフトの開発・製造の有力企業。センサ搭載通信端末やIoTプラットフォーム製品、サーバー・Webアプリ開発とIoTインフラ運用を展開。連結子会社1社保有、親会社による議決権保有割合57.6%。

事業内容

ユビテックは、センサを搭載した通信端末やIoTプラットフォームを軸に、機器の開発・生産とそれに連動するサーバーやWebアプリの開発、インフラの構築・運用サービスを手がけています。特にカーシェア等の車載端末など、現場でデータを取得するハードとその後ろ側のソフト・サービスを一貫して提供している点が主力です。

同社の顧客層は自動車・モビリティ関連や医療機器、アミューズメント機器メーカー、企業のシステム部門などが中心で、製品販売、受託開発、運用サービス、そして人材派遣による案件で収益を上げています。ハード販売は単発の売上、プラットフォームや運用は継続的な売上につながるため、収益構造に安定性をもたらしています。

事業は大きくIoT事業、製造受託事業、開発受託事業の三つに分かれています。IoT事業では端末やサーバー側のアプリ、プラットフォームと運用を、製造受託では回路基板や通信機器の生産を、開発受託では組み込みソフトの受託開発やシステム開発の人材派遣を連結子会社を通じて提供しています。

経営方針

ユビテックは、新3か年計画を「自社SaaSサービスの成長期」と位置づけ、短期的な数値目標を明確に掲げています。同社は2026年6月期に営業利益の黒字化、2027年6月期に営業キャッシュフローのプラス化を達成し、2028年6月期に売上高1,657百万円、営業利益220百万円を目指しています。さらに長期的には2035年を見据え、「未然予防×スマートオペレーション」によって安全の共創パートナーになることを志向しており、収益の安定化と早期の復配実現も視野に入れています。

重点投資分野は、端末を含むハード開発とそれに連動するクラウドサービスの両輪で、特にD-Drive(車載向けインターロック等)とWork Mate(現場モニタリング)の拡販に注力しています。同社はセンサ搭載端末の開発・生産からサーバーやWebアプリ、運用まで一貫提供できる点を差別化要因と位置づけ、オリックス自動車との協業強化やアルコール検知メーカーとの連携による販売チャネル拡大と導入障壁の低減を具体策として進めています。

新市場や事業ポートフォリオの拡大は、蓄積データの利活用を軸に進められています。同社はD-DriveやWork Mateで得たデータを基に「一次スクリーニング」指標の研究開発を行い、自律神経機能異常、注意力低下頻度、心房細動パターン分析の三つの指標に注力して新たなサービス軸を創出しようとしています。これにより超高齢化や労働力不足といった社会課題に対応する新しい市場ニーズを取り込む計画です。

技術革新への取り組みは、IoT端末、データ解析、AI活用、そしてサービス品質・セキュリティ強化の四本柱で進められています。同社はサービス品質やシステム品質、インシデント対応のKPIを設定して定期的に評価・改善を行い、ISO 9001やISO/IEC 27001・27017などの認証活動と連動して信頼性を高めています。これにより現場での未然予防とスマートオペレーションを技術面から支え、事業の継続性と差別化を図っています。