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かわでんJP:6648
事業内容
かわでんは、ビルや工場、産業施設、大型マンション向けの高低圧配電盤、制御盤、分電盤などの配電制御設備をカスタムメイドで製作する大手専業メーカーです。1940年の設立以来、長い歴史を持ち、配電制御設備製造事業の単一セグメントで事業を展開しています。
かわでんの製品は、日本国内の大型・中型オフィスビル、病院、学校、工場、大型マンションなどに設置されています。製品は高低圧配電盤、制御盤、分電盤に区分され、カスタムメイドで製作されるため、国内の建築物向けに特化しています。製造から販売、アフターサービスまでを社内で一貫して行い、柔軟な対応が可能です。
かわでんが属する配電制御設備市場は、日本国内の民間設備投資の動向に影響を受けやすいです。市場は標準型とカスタム型に分かれ、かわでんはカスタム型市場に属しています。この市場には公開企業がなく、競合は未公開企業が中心です。
かわでんは、生産方式の改善活動を継続的に行っています。生産拠点の効率性を追求し、製品品質の向上、リードタイムの短縮、コスト低減を目指しています。これにより、顧客のニーズに応える製品を提供し続けています。
経営方針
かわでんは、電気と暮らしを守ることを使命とし、デジタル化や人口減少といった時代の変化に対応するための成長戦略を掲げています。最高品質の製品とサービスを提供するため、体制整備と人材育成を進め、持続的な事業価値と株主価値の創出を目指しています。
同社は、2030年を目標にした中期経営計画を2025年から実行中です。この計画では、事業戦略を中心に財務戦略と非財務戦略を統合し、企業価値を高めることを目指しています。売上高350億円、営業利益40億円、ROE10.0%を目標に掲げ、各種施策を展開しています。
製品競争力の確保に向け、かわでんは品質向上と納期遵守を重視し、顧客視点での製品開発に注力しています。特に、再開発事業やデータセンター建設の増加に対応し、施工が簡単な製品や停電時間を最小化する製品の開発を進めています。
リニューアル事業の強化も重要な課題と捉え、業務改革や新技術の導入、他社との提携を通じて、製品ライフサイクル全般での価値提供を目指しています。これにより、社会的な要請に応えるとともに、持続的成長を図ります。
標準化とモジュール化を推進し、顧客のカスタムニーズに柔軟に対応しつつ、オペレーションの効率化を図ります。これにより、顧客満足と採算確保の両立を目指しています。
新工場の建設も進めており、2029年前半の竣工を目指しています。新工場では、標準化施策や自動化、省人化投資を連動させ、生産効率と生産力の向上を図ります。また、カーボンニュートラルを実現し、環境に配慮した生産活動を行う計画です。
財務戦略では、新工場投資に際し、手元資金や営業キャッシュフローを活用しつつ、負債を積極的に活用する方針です。成長投資と株主還元の両立を図り、自己株式の処分も今後の課題としています。
非財務戦略としては、人的資本投資の強化を進めています。「人間尊重」の精神のもと、人事制度のアップデートを行い、人的資本の充実を図っています。これにより、企業全体の成長を支える基盤を強化しています。