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キュービーネットホールディングスJP:6571
事業内容
キュービーネットホールディングスは持株会社としてグループ全体の経営管理を行い、主にヘアカット専門の店舗チェーンを国内外で展開しています。同社は手早く手頃な価格でカットを受けられる「QB HOUSE」を中核に、より付加価値を追求する「QB PREMIUM」やシンプルなスタイリング特化の「FaSS」といったブランドを運営しています。
同社の顧客は主に店舗を訪れる一般消費者で、日常利用や通勤・駅利用者が中心です。収益は店舗でのカット代が主力で、フランチャイズ契約に基づく加盟料や運営受託による売上も収入源となっており、海外展開の拡大が売上比率を高めつつあります。
事業はこれまでの単一セグメントから、国内事業と海外事業の二つに分けて管理する方針に変えています。ブランド別ではQB HOUSEが国内外で展開し、QB PREMIUMとFaSSは国内の直営・直轄店で展開しており、直営店とフランチャイズ店、さらに直轄運営と業務委託という複数の店舗運営形態を組み合わせて拡大しています。総店舗数は当連結会計年度で724店となり、海外店舗数も増加しています。
経営方針
同社は2025年6月期を初年度とする5か年の中期経営計画「NEXUS」を掲げ、顧客体験の向上を通じた持続的成長を目指しています。計画では年間2,000万人の利用者の「いつもの」ヘアスタイルをデータ化して蓄積し、「どこででも・だれでも」同じ満足を提供できる仕組みを作ることを目標としています。業績面では、2025年6月期の売上収益は255億43百万円、営業利益は16億85百万円(実績)で、2026年6月期は売上273億50百万円、営業利益22億円(業績予想)、最終年の2029年6月期には売上355億円、営業利益34億円を計画しており、店舗数も724店(2025)から770店(2026)を経て966店(2029)を目指しています。
重点投資分野は人材と顧客接点の強化です。同社は採用と教育を強化し、店舗でのサービス品質向上を図ることで競合との差別化を図っています。出店ロケーションは市場ニーズに合わせて選定し、ブランドごとに役割を分けることで顧客層を拡大しています。具体的には、低価格で手早く提供する「QB HOUSE」を中核に、付加価値型の「QB PREMIUM」やスタイリング特化の「FaSS」を展開し、直営・フランチャイズ・運営受託といった多様な運営形態で拡大している点が差別化の柱です。価格改定や採用の進展を受け、国内では積極的な出店を次期に計画しています。
海外展開は地域ごとに事業モデルを使い分けて拡大を図っています。アジア(シンガポール除く)では多店舗かつ低価格モデルを継続しつつ提供品質を上げてシェア拡大を狙い、シンガポールでは市場変化に合わせ既存モデルからの転換を進めています。北米は少店舗で高価格帯のビジネスを展開し、カナダ、ベトナム、マレーシアは新規出店の初期投資フェーズにあるものの早期黒字化を視野に置いて出店を続ける計画です。本社主導で海外支援体制を整備し、既存展開国の知見・人材・資金を活用して新規国へ進出していきます。
技術革新では、単なる効率化ではなく顧客体験を高めるためのデータ活用とアプリ導入に重点を置いています。同社は来店ごとの満足度や要望を含めたデータを蓄積し、それを元に「カットカルテ」を整備して再現性を高める取り組みを行っています。来期には会員登録・店舗検索・カットカルテなどを備えたアプリを一部店舗で試験導入し、順次導入エリアを拡大する予定です。また、予実とKPI管理の精度向上や配員・販促計画の最適化によって売上収益を最大化する仕組み作りにも投資しています。これらを通じて、同社は利用すればするほど利便性と品質が高まる体制を目指しています。