中北製作所JP:6496

時価総額
¥218.1億
PER
16.2倍
船舶用・発電プラント用のバルブ製造の有力企業。自動調節弁やバタフライ弁、遠隔操作装置を展開。2024年12月20日に全株式を取得し子会社化で買収。第98期(2023年6月1日〜2024年5月31日)の販売構成比は自動調節弁42.6%、バタフライ弁31.5%、遠隔操作装置25.9%の内訳。

事業内容

中北製作所は、主に船舶や発電プラント向けのバルブと遠隔操作装置の設計・製造・販売を行っています。同社の主力製品は自動調節弁、バタフライ弁、遠隔操作装置で、流体の制御や安全管理に使われる機器を中心に事業展開しています。

主要な顧客は造船会社や発電所、原子力関連施設などで、大口案件を中心に売上を構成しています。同社の売上構成は単一セグメント内で集中しており、直近の第99期では自動調節弁が約36%、バタフライ弁が約41%、遠隔操作装置が約22%を占めています。なお、2024年12月にACE VALVEを子会社化し連結範囲が拡大しています。

同社は事業を単一セグメントと位置づけ、その中で品種別に製品を揃えています。自動調節弁は自力式・他力式・遠隔操作型や安全弁、空気式制御機器など多様なタイプを持ち、バタフライ弁は遠隔操作対応や超低温(LNG)向けの製品も手掛けています。遠隔操作装置は舶用の荷役・バラスト制御や液面指示警報など、現場の運用に直結する製品群となっています。

経営方針

同社は売上高の拡大と収益性の改善、財務の健全化を同時に図ることを成長戦略の基本に据えています。第99期の品目別売上比率では自動調節弁が約36%、バタフライ弁が約41%、遠隔操作装置が約22%を占めており、主力製品群の安定した受注基盤を活かしつつ、売上高営業利益率の向上を目指しています。2024年12月のACE VALVEの子会社化により連結範囲を拡大し、合併・買収を含む攻めの投資で事業基盤を強化する方針です。

重点投資分野は環境対応製品とアフターサービス、そして生産性向上のための設備投資です。具体的には、LNGなど超低温用途や次世代燃料船向けのバタフライ弁・制御弁の開発、遠隔操作装置と安全弁の高付加価値化に資金を振り向けます。同時に多品種少量生産に対応するための生産ライン自動化や工程改善に投資し、設計から製造、保守までを一括で提供する「ワンストップ」体制を差別化要因としています。

新市場開拓や事業拡大では、海外展開と顧客密着型の提案営業を軸にしています。合併・買収や現地パートナーとの協業で販売網とサービス拠点を拡充し、造船業界や発電所向けの既存顧客に加え、脱炭素化が進む海運会社向けの環境対応船や改造案件に積極的に提案します。また、顧客関係管理を強化して保守・点検契約や稼働データを活用した「コト売り」サービスを創出し、安定したストック収益の拡大を図ります。

技術革新への取り組みは研究開発と現場技術の両輪で進めています。具体的には弁本体に組み込むセンサーや遠隔監視システムの実用化、稼働データを使った予知保全の試験運用、そして設計の標準化を進めてマスカスタマイゼーション(多数品種の効率的生産)を実現します。技能継承と人材育成にも注力し、現場ノウハウと新技術を結びつけて顧客に新しい価値を提案する企業を目指しています。