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セラクJP:6199
事業内容
セラクはIT人材の育成を軸に、企業向けのシステム構築・運用から農業分野のIoTプラットフォーム、機械設計支援まで幅広いITサービスを手掛ける企業です。同社は自社で教育したエンジニア約3,000名と多数のパートナーを通じ、クラウドやネットワークの構築・運用、データ活用など実務に直結するサービスを提供しています。
主要な顧客は大手企業の情報システム部門やSIer、一次産業の事業者などで、収益は常駐型の技術提供(人月型)や成果物納品型のソリューションに加え、クラウドサービスの利用料や運用・監視の継続契約が中心です。同社は未経験者を採用して短期で育成し現場に送り出すことで安定した人員供給を図り、継続案件や大規模案件の受注に結び付けています。
事業はデジタルインテグレーション、みどりクラウド、機械設計エンジニアリングの三本柱に分かれます。デジタル系ではITインフラやクラウド移行、運用監視、セキュリティや業務自動化の支援を行い、みどりクラウドは農業・畜産向けのセンサーやクラウド、出荷支援サービスを提供、設計事業では3次元設計や受託設計を担当しています。
経営方針
同社はIT人材育成を軸に持続的な成長を目指しています。自社で教育した約3,000名のエンジニアを基盤とし、稼働率の向上と大規模・高付加価値案件の獲得によって売上の安定化と拡大を図る方針です。加えて、クラウドサービスの利用料や運用・監視といった継続的な収益(サブスクリプション型/保守契約)を増やすことで、スポット的な人月収入に依存しない収益構造の構築を目指しています。
重点投資分野として同社は採用・研修、人材育成と営業力強化に注力しています。未経験者を短期で戦力化する集中研修や、高難度技術の研修、プロジェクトマネジャー(PM)育成プログラムを整備することで、単なる人員供給にとどまらないプロジェクト設計や推進力を差別化要因としています。また、営業部門と技術部門の連携強化や提案力向上のための研修・ツール導入を進め、顧客への付加価値提案で競合との差をつけています。
新市場開拓と事業拡大では、農業向けプラットフォーム「みどりクラウド」の普及拡大や、AIサービス(NewtonX等)によるデータ活用領域への展開を進めています。センサーとクラウドを組み合わせた農業・畜産向けサービスの拡充により一次産業分野での顧客基盤を広げると同時に、機械設計の受託や3次元設計といった既存の設計事業を横展開して顧客業種を拡大する計画です。パートナー網を活用した販売チャネルの拡大や、プラットフォーム化による継続収入の比率向上を目指しています。
技術革新への取り組みとしては、クラウド技術、センサー連携、データ分析・自動化の研究開発に投資し、現場の運用効率を高める自動化ツールや分析基盤の整備を進めています。情報管理面ではISO27001を取得しており、内部監査や管理体制の強化を継続することで顧客の機密保持と信頼性を担保しています。人材教育を通じて技術継承と品質管理を徹底し、技術力を競争優位に変えることを同社は目指しています。