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ウエスコホールディングスJP:6091
事業内容
ウエスコホールディングスは純粋持株会社として、総合建設コンサルタント、スポーツ施設運営、水族館運営、印刷や不動産などの事業を行う子会社の経営管理を行っています。同社の主力サービスは、建設計画や設計・調査といったコンサル業務と、施設の運営・管理による収益創出です。
同社グループの主要な顧客は自治体や官公庁、民間の建設会社に加え、スポーツ施設や水族館を利用する一般利用者です。建設系は受託による契約収入が中心で、施設運営は入場料や運営委託料、関連サービス収入が収益の柱になっています。
同社は事業を総合建設コンサルタント、スポーツ施設運営、水族館運営、その他の四つのセグメントで展開しています。建設系は株式会社ウエスコや株式会社西日本技術コンサルタント、株式会社アイコンなどが測量や設計、環境調査を担い、株式会社エヌ・シー・ピーがスポーツ施設運営、株式会社アクアメントが水族館運営、株式会社NCPサプライなどが印刷や不動産関連を担当しています。
経営方針
同社は「第一次中期経営計画(2024年7月期〜2026年7月期)」を通じて事業基盤の再構築を図り、2026年7月期に売上高1,700億円・・・ではなく17,000百万円(=170億円)、営業利益1,050百万円、営業利益率6.4%、ROE5.0%以上を目標に企業価値の中長期的な向上を目指しています。これは10年後の目標達成に向けた通過点と位置づけられており、短期の業績回復だけでなく収益性の改善を重視する方針です。
重点投資分野として同社は人材と技術に資源を集中させています。具体的には、技術継承により内部での生産能力を高めミスや事故を減らすこと、多様な人材確保と社内教育の強化、働き方改革による社員満足度向上を進めています。技術面では研究開発の促進で競合との差別化を図り、一人当たりの生産性向上や拠点・組織の見直しによる収益改善を実行しています。
事業拡大面では、主力の総合建設コンサルタント事業で防災・減災関連を重点分野に定め、関東・九州エリアでの受注拡大を図る方針です。発注先の約9割が官公庁である現状を踏まえ、PPP・PFIやコンセッションといった公民連携の仕組みによる公共施設の維持管理・運営への参画を強化し、新たな安定収益源を確保するとともに、スポーツ施設はフランチャイズ拡大と新規出店でブランド化を進め、水族館は小規模都市型施設の出店で来場者収入を伸ばす計画です。
技術革新への取り組みとして同社は業務のデジタル化を積極推進しています。具体的には測量・設計などでのデジタルツール導入やクラウドを活用した業務管理、データ解析による防災設計支援を進めることで業務プロセスの効率化を図り、最終的に営業利益率6.4%、営業利益1,050百万円の達成につなげることを目指しています。これらの施策は実務の安全性向上と並行して研究開発投資や現場の生産性改善を通じ差別化を図る狙いがあります。