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アウトルックコンサルティングJP:5596
事業内容
アウトルックコンサルティングは、企業の予算管理や予実分析などの管理会計・経営管理を高度化・効率化する自社開発のクラウド対応型経営管理システム「Sactona」の開発・販売・導入・保守と、それに付随するコンサルティングやインフラ提供を主力事業としています。Sactonaは使い慣れたExcelの操作感を活かしてデータ入力や集計を行えるため、現場の負担を軽くしつつ迅速な分析を可能にしています。
同社の収益は大きくコンサルティングビジネスとベースビジネスの二本立てで、コンサルは導入支援や機能・範囲拡張の提案・サポートが中心、ベースはユーザ数に応じた年間ライセンス料や初期導入費、さらに同社が運用するクラウド環境のインフラ利用料で構成されています。顧客は業種が幅広く製造業が約4割、非製造業が約6割で大企業が中心となり、顧客数は毎年増加し解約率は低い水準にあります。
同社は事業を単一セグメントとして位置づけ、Sactonaを基盤に入力用ポータル、帳票設計・配布、管理設定といったモジュールを提供しています。顧客は自社サーバ設置(オンプレミス)かクラウドの選択ができ、同社のコンサルタントが業務設計からアプリ開発、運用まで一貫して支援することで、柔軟かつ経済的な導入を実現しています。
経営方針
同社は中長期の成長戦略として「新規顧客の拡大」「グローバル展開」「製品およびコンサルティング機能の強化」の三本柱を掲げ、売上高や営業利益を主要な経営指標として成長を追求しています。直近の実績では第19期の売上高が1,654,860千円、営業利益が500,845千円となっており、こうした数値をさらに上積みすることを目指しています。収益モデルは、Sactonaの年間ライセンス料とインフラ利用料を基盤としたベースビジネスと、導入支援や機能拡張を担うコンサルティング収入の二本立てで、顧客数とユーザ数の増加、そしてコンサルタント人数の拡大が収益拡大の鍵だと位置づけています。
同社は重点投資分野としてSactonaの機能拡張とコンサルティング体制の強化に資源を集中させています。具体的には、既存のExcel操作感を活かす製品設計を維持しつつ、2024年2月のバージョンでグーグル・スプレッドシートにも対応したほか、画面操作性の改善や追加機能の継続開発を進めています。差別化点は単なるソフト提供に留まらず、経営管理の専門知識を持つコンサルタントが業務設計からアプリ開発、運用まで一貫して支援する点で、現場に即した導入と定着を実現することで顧客の満足度と解約率低下を図っています。
新市場開拓では、これまでの問い合わせ中心の受注から積極的なマーケティングに転換し、セミナーや動画などのウェブ施策で潜在顧客との接点を拡大していきます。海外展開は経営戦略の柱の一つで、北米・英国・オセアニアなど英語圏の日系企業を狙った販売網拡大を進める計画です。そのために現地システム会社との業務提携、Sactonaマニュアルの英語化、海外マーケティング担当の採用やグローバルサポート拠点の構築を進め、販売パートナー網の拡充と顧客サポート体制の整備を図っています。
技術革新への取り組みとしては、研究開発体制の強化と人材育成を重視しています。SactonaのSaaS(クラウド提供)モデルの利点を生かすため、継続的な機能追加と利便性向上を目標にR&D投資を続け、短期的には画面改善に加えてAI支援機能の導入を予定しています。また、技術力の底上げのためエンジニア採用や研修を強化し、情報分析機能の拡充を通じて経営判断を支えるソフトウエアとしての優位性を高めていきます。