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QPS研究所JP:5595
沿革
0000-00 | センサーの種類 閾値 |
2005-06 | 福岡県福岡市に有限会社QPS研究所(資本金3,000千円)を設立 |
2014-11 | 当社が参画したプロジェクトにて超小型衛星QSAT-EOS(愛称「つくし」)(※1)をロシアのオレンブルク州ヤースヌイ宇宙基地から打ち上げ成功 |
2016-04 | 株式会社に組織変更 |
2019-06 | 「衛星リモートセンシング(※2)衛星装置使用許可」を取得 |
2019-12 | 小型SAR(※3)衛星1号機「イザナギ」をインドのサティッシュ・ダワン宇宙センターからPSLV(Polar Satellite Launch Vehicle)で打ち上げ成功 |
2020-02 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(東京都調布市、以下、「JAXA」という。)と、「JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ」(J-SPARC)(※4)のもと、「小型SAR衛星コンステレーション(※5)による準リアルタイム(※6)データ提供サービスの事業コンセプト共創」に関する覚書を締結し、共同実証を開始 |
2021-01 | 小型SAR衛星2号機「イザナミ」をアメリカのケープカナヴェラル空軍基地からスペースX社のファルコン9で打ち上げ成功 |
2021-02 | 「イザナミ」による地球観測データ取得並びに初画像化に成功 |
2021-05 | 「イザナミ」による高精細モード(分解能(※7)0.7m)の地球観測データ取得並びに画像化に成功 |
2021-06 | 九州電力株式会社(福岡県福岡市中央区)及びJAXAと、J-SPARCのもと、小型SAR衛星コンステレーションによる準リアルタイムデータ提供サービスの実現並びに同データを活用したインフラ管理業務の高度化・効率化や新たなサービス創出に向けた覚書を締結し、共同実証を開始 |
2021-11 | スカパーJSAT株式会社(東京都港区)及び日本工営株式会社(東京都千代田区)と業務提携契約を締結 |
2021-12 | 地球観測画像の販売開始 |
2022-03 | 防衛省「画像データの取得(その12-2)」に採択 |
2022-04 | 内閣府「令和4年度 小型SAR衛星コンステレーションの利用拡大に向けた実証」に採択 |
2022-08 | 株式会社ウェザーニューズ(千葉県千葉市)、九電ビジネスソリューションズ株式会社(福岡県福岡市中央区、現Qsol株式会社)、及び九州電力株式会社と、高精度な海氷情報を活用した船舶の運航を支援するサービス創出に向けた覚書を締結し、共同実証を開始 |
2022-10 | 小型SAR衛星3号機及び4号機を鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所からイプシロンロケット6号機で打ち上げ失敗 |
2022-12 | JAXAと、「超小型LバンドSAR衛星の検討及び試作試験」に関する研究開発契約を締結 JAXAの「小型技術刷新衛星研究開発プログラムの新たな宇宙利用サービスの実現に向けた2024年度軌道上実証に係る共同研究提案要請」において当社提案が採択 |
2023-03 | 防衛省「HGVや地上の観測に資する小型衛星システムの機能等の向上に関する調査研究」に採択 内閣府「令和5年度 小型SAR衛星コンステレーションの利用拡大に向けた実証」に採択 |
2023-06 | 小型SAR衛星6号機「アマテル-Ⅲ」をアメリカのヴァンデンバーグ宇宙軍基地からスペースX社のファルコン9で打ち上げ成功(小型SAR衛星5号機の打上げは、2024年5月期中を予定しております。) |
2023-07 | 「アマテル-Ⅲ」による高精細モード(分解能 0.46m)の地球観測データ取得並びに画像化に成功 |
2023-10 | 経済産業省の中小企業イノベーション創出推進事業に当社の「高分解能・高画質且つ広域観測を実現する小型SAR衛星システムの実証」が採択 |
事業内容
QPS研究所は、人工衛星を用いた地球観測データの取得を主な事業としています。同社は、夜間や悪天候時でも撮影が可能な小型SAR衛星の開発・製造に注力し、これらの衛星から得られる地球観測データ及び画像の提供を行っています。SAR衛星は、合成開口レーダー技術を利用しており、天候や時間帯に左右されずに地球を観測できるという大きな利点を持っています。QPS研究所は、将来的に36機の小型SAR衛星によるコンステレーションを構築し、地球上のほぼどこでも任意の地点を平均10分間隔で観測できる世界の実現を目指しています。
同社の小型SAR衛星は、従来の大型SAR衛星と比較して小型かつ軽量であり、製造コストや打上げコストを低く抑えることが可能です。また、特許を保有する展開式パラボラ型アンテナを搭載しており、小型化と高解像度の両立を追求しています。これにより、同社は実証機である2号機において分解能70cm、商用機である6号機においては分解能46cmを実現しました。
QPS研究所の地球観測衛星データ事業は、安全保障、海洋監視、インフラ管理、防災・森林監視などの分野での需要が高く、特に災害時の被災地の状況確認や安全保障の分野での利用が期待されています。同社は、日本政府による宇宙開発利用加速化プログラム「スターダストプログラム」に参画し、災害時の対応やインフラ管理等の分野で公益性の高いサービスの提供を進めています。また、国内外の市場に向けてデータの販売を拡大しており、販売代理店との提携を通じてさらなる付加価値の提供も進めている方針です。
経営方針
QPS研究所は、宇宙の可能性を広げ、人類の発展に貢献することを経営理念として掲げています。同社は、小型SAR衛星を用いた地球観測データの取得を主事業とし、特に36機の小型SAR衛星によるコンステレーションの構築を推進しています。この取り組みにより、地球上のほぼどこでも任意の地点を平均10分間隔で観測できる能力を目指しており、夜間や悪天候時でも撮影が可能な点が大きな特徴です。
同社の成長戦略は、技術開発とインフラ構築の推進、ビジネスモデルの拡大、製造・販売体制の強化、そして資金調達の実施に焦点を当てています。特に、小型SAR衛星の開発においては、展開式パラボラ型アンテナの採用により小型化と高解像度の両立を追求し、低コストでの製造と打ち上げを可能にしています。
市場拡大に向けては、安全保障、海洋監視、インフラ管理、防災・森林監視などの分野での需要を捉え、国内外でのデータ販売を積極的に進めています。また、公益性の高いサービス提供を目指し、日本政府の宇宙開発利用加速化プログラムに参画するなど、公共性と商業性を兼ね備えた事業展開を図っています。
QPS研究所は、技術的なハードルの高い小型SAR衛星の開発・運用に成功し、その分野における先駆者として位置づけられています。今後も、革新的な衛星技術の開発と地球観測データの提供を通じて、社会課題の解決に貢献し、持続可能な成長を目指していく方針です。