Ridge-iJP:5572

時価総額
¥92.5億
PER
54.5倍
カスタムAIソリューションとデジタルマーケティングの新興企業。AI活用コンサル・受託開発とAI保守運用、人工衛星データ解析、音楽制作を展開。前連結会計年度に音楽会社を株式取得で子会社化、AI関連が売上の約70%を占める。国内中心に展開。

事業内容

Ridge-iは、企業の現場課題を解くカスタムAIソリューションと、動画や音楽を軸にしたデジタルマーケティングを展開する会社です。同社は現場に入り込んだコンサルテーションからデータ整備、AIの開発・導入、運用支援まで一気通貫で行っており、実用性に重点を置いたサービスを提供しています。

主要な顧客は特定業界に限定せず、特にAI活用ニーズの高い大手製造業が多くなっています。同社の収益は、案件ごとのコンサルティング・開発によるフロー収益が中心で、受託したシステムの保守やAIの利用ライセンス、音楽の配信・著作権収入などのストック収益が継続的な収入源となっており、AI関連の開発サービスが売上のおよそ7割を占めています。

事業は大きく「カスタムAIソリューション事業」と「デジタルマーケティング事業」に分かれており、前者は戦略立案から実運用まで支援するAI活用コンサルティング、保守運用、人工衛星データの解析などを含みます。後者はプラットフォーム連携によるソーシャルメディア向け広告制作や、原盤配信・著作権管理を行う音楽レーベル機能と1,000人規模のクリエイターネットワークを活用した広告事業を展開し、今後はAI技術を広告やクリエイター支援にも拡大する方針です。

経営方針

同社は「データ・AIを駆使した最先端技術とビジネス知見を用いて、未解決の課題に挑み、新しい社会を実現する」というミッションの下、安定的な成長を目指しています。国内のAI市場は2021年の約1.1兆円から2027年に約1.9兆円へと拡大が見込まれており、同社が主に位置するAI活用コンサル・開発のサービス市場は2021年度で6,248億円、2027年度には1兆429億円規模に達する見通しです。現状ではAI関連開発が売上のおよそ7割を占め、うち人工衛星関連がカスタムAIソリューション事業の約30%を占めていることから、同社はこれらの成長トレンドを取り込みつつ収益規模の拡大を図る方針です。

重点投資分野として同社は現場密着型のカスタムAIソリューションと人工衛星データ解析、環境モニタリングAIや設備保守向けのひび割れ検出など社会貢献型ソリューションに注力しています。差別化の源泉は、現場でのコンサルテーションからデータ整備、開発、導入、顧客による運用支援までを一気通貫で提供する実用性と、既存技術や人手を組み合わせた運用支援による定着力です。具体的な施策としては、AIライセンスの提供や保守運用サービスの拡充を通じてストック収益を増やすこと、音楽配信やクリエイターネットワークを活用したデジタルマーケティングでの収益多様化を進めています。

新市場開拓では、蓄積した知見を他事業や類似プロセスへ横展開することで価値の最大化を図るとともに、業界キープレイヤーとの協業を通じて業界全体へアセット型の収益モデルを展開します。具体策としては、コンサルティングファームとの連携による大規模共創案件の獲得、国の研究機関や大学と連携した先行投資的研究の推進、そして人工衛星解析分野で国内リーディングポジションを確立しつつ官公庁・民間双方へアプローチしてグローバル展開を目指すことを掲げています。

技術革新への取り組みとして同社は、官能検査や生成系AI、マルチモーダル技術など次世代AIの先行研究に投資するとともに、優秀な研究者・エンジニアの採用を強化しています。産学連携や他社との共同研究、必要時の業務提携を通じて技術基盤の強化を図り、情報管理ではISO27001取得や従業員教育でセキュリティ体制を整備しています。こうした研究開発・人材投資と内部管理体制の強化により、同社は技術的優位性と事業の持続性を両立させることを目指しています。