日本インシュレーションJP:5368

時価総額
¥81.8億
PER
8.1倍
建築関連とプラント関連の工事、製品販売を主軸に、耐火被覆材、不燃内装建材、保温保冷工事などを手掛ける。

沿革

1914年4月

大阪府大阪市北区芝田町にパッキンの製造販売を目的とした、個人事業「大阪パッキング製造所」を創立。

1923年1月

保温・保冷工事の設計施工を開始。

1927年1月

大阪工場を大阪市西区阿波座に移転。

1930年4月

大阪新工場を大阪市西成区千本通に建設。大阪本社もともに移転。

1936年1月

個人事業「大阪パッキング製造所」を「合名会社大阪パッキング製造所」に改組。

1945年6月

空襲により大阪本社及び大阪工場の大部分が焼失。

1948年4月

広島県広島市に広島出張所開設。

1949年1月

「合名会社大阪パッキング製造所」を「株式会社大阪パッキング製造所」に改組。

東京都港区芝田村町(現:港区西新橋)に東京支店開設。

福岡県福岡市雁林村(現:福岡市中央区赤坂)に九州支店開設。

1953年2月

受注工事施工継続を目的として「大阪パッキング工事株式会社」を設立。同社に株式会社大阪パッキング製造所の営業全部を譲渡。

1954年5月

「大阪パッキング工事株式会社」より営業全部を譲受。

1955年8月

神奈川県横浜市磯子区に東京出張所を開設。

1959年11月

東京出張所を東京営業所に改組。東京都中央区銀座東に移転。

1960年5月

けい酸カルシウム保温材の生産を目的として、岐阜県本巣郡穂積町野田(現:岐阜県瑞穂市野田)に岐阜工場を建設。

1961年1月

営業合理化のため、広島出張所を日本冷熱工産株式会社へ譲渡。

1962年6月

東京営業所を東京都中央区日本橋本町へ移転。

1966年5月

生産を岐阜工場へ集中し、大阪工場を閉鎖。

大阪本社を大阪府大阪市浪速区大国町へ移転。

「研究所」を岐阜工場事務所隣に設置。

1970年4月

岐阜工場に新製品「タイカライト」の第1次生産設備増設。

1971年6月

岐阜工場に「タイカライト」の第2次生産設備増設。

1974年5月

東京営業所を東京支社に改組し、東京都中央区新川へ移転。

1978年6月

岐阜工場に「ダイパライト」の第1次生産設備増設。

1981年4月

東京支社を東京本部に改組。

1989年1月

北勢工場を三重県員弁郡北勢町(現:三重県いなべ市北勢町)に建設。

1989年4月

社名を「日本インシュレーション株式会社」に改称。

北勢工場第1期工事完成。「タイカライトウッド」の生産設備設置。

1990年6月

北勢工場第2期工事完成。「タイカライト」の生産設備増設。

1990年7月

岐阜県瑞穂市野田に「中央技術研究所」を開設。

1997年10月

北勢工場第3期工事完成。

2004年5月

商品PRセンターを岐阜県瑞穂市野田に開設。

2013年9月

大阪本社を大阪府大阪市中央区南船場に移転。

2013年10月

東京本部を東京都江東区木場に移転。

2014年9月

ベトナム社会主義共和国アンザン省に100%子会社の「ジェイ アイ シー ベトナム有限会社」を設立。けい酸カルシウム保温材製造新工場の建設を開始。

2016年10月

ベトナム子会社のけい酸カルシウム保温材製造新工場が完成、生産開始。

2020年3月

東京証券取引所市場第二部に上場。

2022年4月

東京証券取引所スタンダード市場に移行。

事業内容

日本インシュレーションは、建築関連とプラント関連の二つの主要な事業セグメントを持つ企業です。同社は、ゾノトライト系けい酸カルシウムを基材とした保温材、防耐火建材等の製造、販売及び設計・施工を行っています。これらの製品は、耐火性、断熱性、軽量性、加工しやすさ、経年変化が少ないといった特性を持ち、高層建築物や石油化学プラント、火力・原子力発電所等で広く使用されています。

建築関連セグメントでは、耐火被覆材、内装建材、多機能材などの製品を提供しています。耐火被覆材は、鉄骨耐火被覆材や免震装置耐火被覆材、ケーブル延焼防止材などがあり、火災時に建物の構造部材を保護する役割を果たします。内装建材には、不燃内装建材や調湿建材・不燃断熱建材が含まれ、建築基準法に基づく認定を取得しています。多機能材としては、工芸用ボードやCFRP用型材、無機粉体などがあり、建材以外の用途にも対応しています。

プラント関連セグメントでは、プラント用保温材や工業用断熱材を提供しており、これらは1000℃の高い耐熱性を持つけい酸カルシウム保温材で、熱設備や高圧蒸気用の温熱配管等に適しています。また、ジェイ アイ シー ベトナム有限会社(連結子会社)では、バイオマスを原燃料としたけい酸カルシウム保温材を製造し、東南アジア・東アジアの市場に供給しています。

さらに、日本インシュレーションは、耐火被覆材の施工請負やアスベスト含有建材の除去工事も行っており、顧客の要求に応じた商品の仕入れと提供も事業の一環としています。これにより、同社は建築物やプラントの安全性と機能性の向上に貢献しています。

経営方針

日本インシュレーションは、サステナビリティ経営を基本テーマに据えた中期経営計画を推進しています。2021年から2023年度を対象期間とするこの計画では、脱炭素社会への貢献、レジリエントな社会実現への貢献、ステークホルダーとのエンゲージメント深化、ガバナンスの高度化を主要方策として掲げています。特に、同社は保温・断熱材や耐火・耐熱材の製造販売・施工を通じて、SDGsの目標に貢献していることを強調しています。

脱炭素社会への貢献に関しては、バイオマス発電やアンモニア混焼発電など、熱を扱うプラントの省エネルギーに不可欠な保温保冷工事に注力しています。また、ベトナム工場で製造する保温材「ダイパライト-E」は、バイオマス由来で二酸化炭素排出量削減に貢献しています。

レジリエントな社会実現への貢献としては、建物の耐火性向上による都市防災への貢献や、防災関連商品の開発を推進しています。さらに、けい酸カルシウム材を用いた新商品の開発にも力を入れています。

ステークホルダーとのエンゲージメント深化では、取引先、株主、従業員、地域社会との信頼関係構築を目指し、コミュニケーションの強化に努めています。また、ガバナンスの高度化を通じて、企業の公正性、透明性、客観性の向上を図っています。

これらの取り組みを通じて、日本インシュレーションは、技術力と開発力の強化、収益力の向上を目指し、企業価値のさらなる高めることに努力しています。同社の成長戦略は、サステナブルな社会の実現に貢献することを目的としており、その実現に向けた具体的なアクションを進めています。