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キットアライブJP:5039
事業内容
キットアライブは、Salesforceを基盤にしたクラウドソリューションを軸に事業展開している会社です。同社はSalesforce導入支援や、Salesforce上で動くSaaS型製品の開発支援を主力に、システムの設計から開発、運用保守まで一貫して手掛けるサービスを提供しています。加えてSalesforceのライセンス販売も手掛けています。
主要な顧客はスタートアップや中小企業を中心に、中堅・大手まで幅広く、業種や規模に応じた導入支援を行っています。同社の収益はプロジェクト型の導入支援や製品開発支援の受託収入、並びにライセンス販売によるマージンが柱で、2023〜2024年の2年間での案件784件のうち710件(90.56%)が受注金額1,000万円未満と小規模案件が多数を占めています。
事業は単一のクラウドソリューションセグメントで構成され、導入支援では要件定義からテスト・運用まで一人のエンジニアが複数工程を担う少人数体制で迅速に対応しています。製品開発支援では技術検証からAppExchangeでの公開・運用まで支援し、二次代理店経由でのライセンス販売を組み合わせることで顧客創出や継続的な支援につなげている点が同社の特徴です。
経営方針
同社は中長期的に売上高及び営業利益の拡大を目指しています。クラウド市場の拡大(国内パブリッククラウド市場は2024年で4兆1,423億円、2029年に8兆8,164億円へ成長見込み)やCRM分野の高い成長率(2023年の国内CRM市場は2,497億8,600万円、年平均9.6%成長で2028年に3,950億8,200万円見込み)を背景に、Salesforceを基盤とした導入支援と製品開発支援を中心に売上拡大を図る方針です。実務面では、過去2年間での案件数784件のうち710件(90.56%)が受注金額1,000万円未満と小口案件が多い構成であるため、受注件数の拡大とともに収益性向上を経営指標(売上高、営業利益・営業利益率)として重視しています。
同社は成長の源泉を人材と位置づけ、採用・育成へ重点投資を行っています。具体的にはITエンジニアの採用手法の多様化、ビジネススキルと技術力を両立させる人事考課制度、自己啓発支援制度の整備、ワークライフバランスを考慮した定着施策を実施しています。また、Salesforce上で動くSaaS製品の開発支援やライセンス販売を組み合わせることで、導入支援だけに留まらない継続収入の獲得を図り、少人数体制で要件定義から運用まで一人のエンジニアが複数工程を担うスピード感を差別化要素としています。
同社は北海道を拠点としつつ全国展開を推進しており、スタートアップや中小企業に強みを持ちながら中堅・大手へのアプローチも拡大する計画です。Salesforce製品開発の委託元企業との協業や二次代理店経由でのライセンス販売、AppExchangeでの製品公開支援など、パートナー経由のチャネル強化を通じて新規顧客層の開拓を目指しています。加えて既存顧客との直接的な関係を深めることで継続受注と紹介の循環を作り、地域創生に資する形で全国の案件獲得を狙っています。
技術面では、ノーコードによる迅速な構築やアジャイル開発を基盤に、生成型人工知能の活用やデータ基盤構築といった需要に対応する取り組みを進めています。具体策としては技術検証フェーズでのプロトタイプ作成、AppExchange向けの製品化支援、社員向けのAI・データ関連研修の実施を挙げており、これらを通じて顧客のDX(デジタル変革)を加速させ、付加価値の高いサービス提供で差別化を図っています。