オンコリスバイオファーマJP:4588

時価総額
¥143.2億
PER
創薬バイオベンチャー企業として、ウイルス遺伝子改変技術によるがん治療薬「テロメライシン」、重症感染症治療薬「OBP-2011」、がん検査薬「テロメスキャン」などの開発・事業化を推進。

沿革

2004年3月

腫瘍溶解ウイルスの研究開発及び分子標的抗腫瘍薬の研究開発を目的に、「オンコリスバイオファーマ株式会社」を東京都港区に設立

2004年12月

東京都港区内で本社移転

2005年5月

テロメスキャン(OBP-401)が、NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の2005年度「分子イメージング機器研究開発プロジェクト/悪性腫瘍等治療支援分子イメージング機器研究開発プロジェクト」の助成金に採択

2006年3月

米国食品医薬品局(FDA)へテロメライシン(OBP-301)の治験申請(IND)を実施

2006年6月

Yale大学(米国)と新規HIV感染症治療薬の全世界における独占的ライセンス導入契約を締結し、OBP-601として研究・開発に着手

2006年10月

京都研究センターを京都府京都市に開設

2006年10月

テロメライシン(OBP-301)の日本国内特許成立(特許第3867968号)

2006年10月

テロメライシン(OBP-301)のPhase1臨床試験を米国にて開始

2007年9月

第5回日本バイオベンチャー大賞文部科学大臣賞受賞(主催:フジサンケイビジネスアイ)

2007年11月

京都研究センターを兵庫県神戸市に移転し、神戸研究センターとする

2008年3月

Medigen Biotechnology Corp.(台湾)とテロメライシン(OBP-301)に関する戦略的提携契約を締結

2008年3月

米国食品医薬品局(FDA)へOBP-601の治験申請(IND)を実施

2008年5月

OBP-601のPhase1a臨床試験を米国にて開始

2008年8月

フランス保健製品衛生安全庁(AFSSAPS)へOBP-601のPhase1b/2a臨床試験の実施許可を申請

2009年1月

OBP-601のPhase1b/2a臨床試験をフランスにて開始

2009年9月

OBP-601の米国特許成立(米国特許第7,589,078号)

2009年10月

アステラス製薬株式会社と新規分子標的抗癌剤の全世界における独占的ライセンス導入契約を締結し、OBP-801として研究・開発に着手

2010年7月

テロメスキャン(OBP-401)が、NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の2010年度「イノベーション実用化開発費助成金」の助成金に採択

2011年4月

独立行政法人医薬基盤研究所と新規検査薬テロメスキャンF35(OBP-1101)の全世界における独占的ライセンス導入契約を締結し、研究・開発に着手

2011年6月

テロメスキャン(OBP-401)をはじめとする検査薬事業を承継させるために、新設分割によりオンコリスダイアグノスティクス株式会社を設立

2012年4月

連結子会社であるオンコリスダイアグノスティクス株式会社を吸収合併

2012年4月

テロメスキャン(OBP-401)の研究目的受託検査を開始

2012年4月

テロメライシン(OBP-301)の米国特許成立(米国特許第8,163,892号)

2012年11月

テロメスキャン(OBP-401)が、JST(独立行政法人科学技術振興機構)の研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)の2012年度「フィージビリティスタディ(FS)ステージシーズ顕在化タイプ」に採択

2013年5月

OBP-801が、NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「イノベーション実用化ベンチャー支援事業」に採択

2013年12月

東京証券取引所マザーズに株式を上場

2014年5月

OBP-801が、NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「イノベーション実用化ベンチャー支援事業」に採択

2014年11月

テロメライシン(OBP-301)のPhase1/2臨床試験を台湾にて開始

2014年11月

米国食品医薬品局(FDA)へOBP-801の治験申請(IND)を実施

2015年5月

OBP-801のPhase1臨床試験を米国にて開始

2015年7月

国立大学法人鹿児島大学とB型肝炎ウイルス(HBV)に関する新規感染症治療薬の創製に関する共同研究契約を締結

2015年8月

新たな腫瘍溶解ウイルスとしてOBP-702及びOBP-405を開発品目に追加し抗がん剤パイプラインを拡充

2015年8月

台湾におけるテロメライシン(OBP-301)のPhase1/2臨床試験にて最大用量投与段階(Cohort 3)への移行を決定

2016年8月

国立研究開発法人国立がん研究センター東病院先端医療科の土井俊彦先生の研究グループと、進行性又は転移性固形癌患者を対象とした腫瘍溶解ウイルス テロメライシン(OBP-301)と抗PD-1抗体ペムブロリズマブ併用による効果検討に関する医師主導治験契約を締結

2016年8月

悪性黒色腫を対象とする米国でのテロメライシン(OBP-301)Phase2臨床試験のプロトコール申請を完了

2016年9月

医薬品及び検査薬のライセンス契約締結活動及び研究開発活動の加速を目的として、100%子会社Oncolys USA Inc.(以下「OUS社」)を米国デラウェア州に設立 ニュージャージー州で活動開始

2017年3月

独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)へ食道がん放射線併用Phase1臨床試験の治験申請を実施

2017年7月

テロメライシン(OBP-301)の放射線併用食道がんPhase1臨床試験を日本にて開始

2017年12月

テロメライシン(OBP-301)の抗PD-1抗体ペムブロリズマブ併用の医師主導治験を日本にて開始

2018年5月

Stabilitech Biopharma Limited(スタビリテック社)と、テロメライシン(OBP-301)の保存安定製剤のための技術導入を目的としたライセンス契約締結

2019年4月

テロメライシン(OBP-301)について、日本・台湾における開発・製造・販売に関する再許諾権付き独占的ライセンス契約と、日本・台湾・中国・香港・マカオを除く全世界における開発・製造・販売に関する独占的オプション権を中外製薬株式会社(以下「中外製薬」)へ付与するライセンス契約及び資本提携契約を締結

2019年4月

厚生労働省の定める「先駆け審査制度」の対象品目に、テロメライシン(OBP-301)が指定

2019年12月

中外製薬がテロメライシン(OBP-301)に関する第1回マイルストーンを達成

2020年3月

中外製薬がテロメライシン(OBP-301)の放射線併用食道がんPhase2臨床試験の投与開始

2020年4月

100%子会社OPA Therapeutics Inc.(以下「OPA社」)を米国デラウェア州に設立 カリフォルニア州で活動開始

2020年6月

米国食品医薬品局(FDA:Food & Drug Administration)が、テロメライシン(OBP-301)を食道がんに対する「オーファンドラッグ」に指定

2020年6月

OBP-601に関する米Transposon Therapeutics, Inc.(米国 以下「Transposon社」)とのライセンス契約を締結

2020年6月

鹿児島大学と抗SARS-CoV-2薬の特許譲受に関する契約を締結し、新型コロナウイルス感染症治療薬を導入

2020年11月

Transposon社がOBP-601に関する第1回マイルストーンを達成

2020年12月

朝日インテック株式会社(以下「朝日インテック」)と資本業務提携契約を締結

2021年2月

世界保健機関(WHO)が、テロメライシン(OBP-301)の国際一般名称をsuratadenoturevに決定

2021年6月

学校法人順天堂と共同研究講座「低侵襲テロメスキャン次世代がん診断学講座」の開設契約を締結

2021年11月

Transposon社がOBP-601の進行性核上性麻痺(PSP)を対象とした米国Phase2a臨床試験を開始

2021年12月

中外製薬とテロメライシン(OBP-301)のライセンス解消契約を締結

2022年1月

Transposon社がOBP-601の筋萎縮性側索硬化症(ALS)及び前頭側頭型認知症(FTD)を対象とした米国 Phase2a臨床試験を開始

2022年4月

市場区分の変更に伴い、マザーズ市場からグロース市場へ移行

2022年8月

中外製薬からテロメライシン(OBP-301)の放射線併用食道がんPhase2臨床試験を承継

2022年8月

Transposon社がOBP-601の進行性核上性麻痺(PSP)を対象としたPhase2a臨床試験における症例組入れ完了

2022年12月

テロメライシン(OBP-301)の放射線併用食道がんPhase2臨床試験における最終症例組入れ完了

事業内容

オンコリスバイオファーマは、創薬バイオベンチャー企業として、研究開発先行型の事業を展開しています。同社は、独自性の高いウイルス遺伝子改変がん治療薬、重症感染症治療薬、およびがん検査薬の開発と事業化を推進しています。特に、がん領域では、ウイルス療法テロメライシン(OBP-301)、次世代テロメライシンOBP-702、およびがんの早期発見・再発予測を行うテロメスキャン(OBP-401)を揃え、がんの発見から治療までを網羅しています。また、重症感染症領域では、コロナウイルス感染症治療薬OBP-2011を中心にパイプラインを構築しています。さらに、HIV感染症治療薬として開発してきたOBP-601を神経難病治療薬として開発しており、ウイルス創薬企業としての成長を目指しています。

同社は、パイプラインの開発を一定段階まで進めた後、製薬企業へのライセンス活動を通じて商業化を早める方針です。また、一部のパイプラインに関しては、自社で製造販売承認を得る製薬会社型事業モデルの展開も検討しており、ライセンス型事業モデルと製薬会社型事業モデルのハイブリッドで事業を展開していく方針です。これにより、「オンコリスなしでは医療現場が、ひいては患者様が困る」という存在感ある創薬を展開し、医療現場の課題解決に貢献していくことを基本方針としています。また、創薬開発プランを創出し、その製造、前臨床試験及び臨床試験をアウトソーシングするファブレス経営による医薬品開発を行い、開発期間の効率化・開発経費の最適化を図っています。

経営方針

オンコリスバイオファーマは、創薬バイオベンチャーとして、研究開発を先導する事業戦略を展開しています。同社は、がん治療薬、重症感染症治療薬、およびがん検査薬の開発に特化し、特にがん領域と重症感染症領域でのパイプラインを強化しています。がん領域では、ウイルス療法テロメライシン、次世代テロメライシンOBP-702、がんの早期発見・再発予測テロメスキャンを提供し、がん治療の全段階をカバーしています。また、重症感染症領域では、コロナウイルス治療薬OBP-2011を中心に展開しています。

同社は、製薬企業へのライセンス活動を通じて、パイプラインの商業化を加速する戦略を採用しています。さらに、自社での製造販売承認取得を目指す製薬会社型事業モデルの展開も検討しており、ライセンス型と製薬会社型のハイブリッドモデルで市場にアプローチしています。これにより、医療現場と患者にとって不可欠な創薬を提供し、課題解決に貢献することを目指しています。

また、オンコリスバイオファーマは、ファブレス経営を採用し、創薬開発プランの創出から製造、前臨床試験、臨床試験までをアウトソーシングすることで、開発期間の短縮と開発経費の最適化を図っています。この戦略により、同社はウイルス創薬企業としての成長を目指し、医療現場のニーズに応える革新的な治療薬の開発に注力しています。