チームスピリットJP:4397

時価総額
¥87億
PER
27.2倍
企業向けSaaSの大手。勤怠・工数・経費を中心としたTeamSpiritシリーズを展開。Salesforceプラットフォーム上で提供、AppExchange国内No.1の累計販売実績。国内で2,100社超、66万人超のユーザーに展開。

事業内容

チームスピリットは、企業向けの業務効率化クラウド「TeamSpirit」を中核に、チームの生産性を高めるSaaS事業を展開しています。 同社は勤怠管理、工数管理、経費精算、安否確認やタレントマネジメントなど日常業務を一元化する機能と、ワークログやPCログのAI解析によるデータ活用を提供しています。

同社の主要顧客は従業員1,000名以上のエンタープライズ企業を中心に中堅・中小企業まで幅広く、約2,100社・66万人超のユーザーが利用しています。 収益はユーザー数に応じた月額サブスクリプションが主で、ライセンスとプレミアサポートなどの継続収益が約9割を占めるため安定したリカーリング収益を確保しています。

事業は主に「TeamSpirit」シリーズのライセンス販売と、プロジェクト原価管理やアサイン管理といったアドオン、導入・運用を支援する有償のプロフェッショナルサービスで構成されています。 大企業向けの「TeamSpirit Enterprise」は複雑な勤務形態やガバナンスに対応し、スモール〜中堅向けの勤怠・工数・経費製品は単機能でも組み合わせでも導入可能です。 また、Salesforceのプラットフォーム上で提供することでインフラ投資を抑え、既存顧客への追加提案で利用拡大を図っています。

経営方針

同社はサブスクリプション型のクラウドサービスを軸に、定常的な収益(ARR)と契約ライセンス数の拡大、解約率の低位維持によって売上と利益の持続的成長を図っています。短中期の数値目標として、ARR100億円と営業利益率20%を目指しており、その達成に向けて投資と収益性向上の両面でバランスを取る方針です。現状は約2,100社・66万人超のユーザー基盤を持ち、継続収益が約9割を占める安定した収益構造を強みにしています。

重点投資分野はエンタープライズ向けの製品開発、マーケティング、営業体制、そして人材の採用・育成です。同社は従業員1,000名以上の大企業に対応する製品群を強化することで差別化を図っており、過去の投資で蓄積した機能・性能と、Salesforceとの提携によるプラットフォームの信頼性・拡張性を競争上の優位性としています。具体的には大企業向け「TeamSpirit Enterprise」の機能強化やプレミアサポートの拡充、ユーザーインターフェース改善による運用利便性向上で解約率を下げる施策を進めています。

新市場開拓と事業拡大は「エンタープライズ戦略」と「マルチプロダクト戦略」の二本柱で進めています。エンタープライズ市場ではガバナンスや複雑な勤務形態に対応する導入を加速させ、中堅・中小市場では勤怠を軸に迅速に複数製品を組み合わせて既存顧客へのクロスセルを図ります。具体策としてはインサイドセールスやWebマーケティングの強化、有償の導入・運用支援サービスの拡充によりライセンス数と顧客継続率を高め、新規事業分野への投資で収益源の多様化を進めています。

技術革新については、ワークログやPCログの解析を通じたデータ活用に注力しており、AIを用いた生産性指標や運用改善の提示で顧客価値を高めることを目指しています。同社はSalesforce上での提供によりインフラ負担を抑えつつスケーラブルなサービス運用を実現しており、研究開発投資と人材育成を通じて分析機能や自動化の強化を図ることで、顧客の生産性改革を支援する一層の差別化を図っています。