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システムサポートホールディングスJP:4396
事業内容
株式会社システムサポートは、クラウド導入支援から基幹システムの設計・開発、データセンター運用、さらに自社ソフトの開発・販売まで手掛けるITサービス企業です。同社は海外大手のクラウド製品の技術支援やライセンス再販を主力とし、受託開発やアウトソーシング、プロダクト販売を組み合わせてサービスを提供しています。
同社の主要顧客は大企業の情報システム部門や業種別のエンドユーザーで、医療・建設など特定業界の導入実績も多いです。収益はクラウドのライセンス・運用契約による継続的な売上、受託開発のプロジェクト収入、データセンターや運用サービスの定額収入、プロダクトの販売・保守収入で構成されています。
事業は五つのセグメントに分かれており、クラウドインテグレーションではAzureやAWS、Google Cloudなどの移行・運用支援を行い、システムインテグレーションではコンサルから開発・保守まで一貫対応します。アウトソーシングは自社データセンターを活用した運用やデータ処理、プロダクト事業では建築向け「建て役者」や医用画像の「T-File」、クラウド型シフト管理の「SHIFTEE」や勤怠管理の「就業役者」など複数の製品を販売し、海外では北米でSIやBPO、人材サービスを展開しています。
経営方針
同社は中期経営計画(2026年6月期〜2028年6月期)で「成長と更なるイノベーションの創出」を掲げ、売上高を2028年に40,153百万円、営業利益を3,552百万円、営業利益率8.8%の水準まで引き上げることを目指しています。直近の実績は2025年に売上26,938百万円、営業利益2,218百万円であり、まずは2026年目標として売上32,000百万円、営業利益2,686百万円を達成することで中期目標への歩みを加速させます。同社は安定した継続収入の拡大を重視し、クラウドのライセンス・運用契約やデータセンターの定額サービス、プロダクトの保守収入を成長の基盤としています。
同社は重点投資分野としてクラウド導入支援とその周辺サービスに注力しています。具体的にはAWS、Microsoft Azure、Google Cloud、ServiceNowなど主要クラウドの移行・運用支援の強化と、AI関連サービスや海外クラウド製品の日本市場での事業化を進めます。差別化策としては業界特化型の自社製品群(建築向け「建て役者」、医用画像の「T-File」、勤怠・シフト管理などの「SHIFTEE」「就業役者」)と受託開発・運用サービスを組み合わせて提供することで、単発の開発収入に頼らない継続的な顧客関係を構築します。加えて、クラウドベンダーの技術資格取得や認定の実績を積むことでベンダーとの関係を強化し、紹介による継続受注を確保します。
同社は新市場開拓と事業拡大にも積極的です。国内では医療や建設など既存の導入実績を生かして業種横展開を図り、プロダクト販売を通じたサブスクリプション比率を高める計画です。海外については北米でのシステム受託や業務委託、人材サービスの展開経験を踏まえ、海外クラウドやBPO領域の商談を増やして日本市場への逆輸入や現地事業の拡大を図ります。データセンターや運用ノウハウを活用してアウトソーシング需要を取り込み、継続的な売上基盤を強化することで中期目標の達成を目指しています。
同社は技術革新を経営の中心に据え、研究開発と人材育成に重点的に取り組んでいます。具体的にはクラウド関連技術者の育成と資格取得支援、プロジェクト管理力向上のための教育投資、業務の自動化やプロセス標準化による品質・生産性向上を進めます。AIや海外クラウドサービスの早期事業化に向けた実証実験や製品化を推進し、技術力での差別化と顧客のDX推進の基盤提供を通じて中長期的な競争力の強化を図ることを同社は目指しています。