メルカリJP:4385

時価総額
¥4140.3億
PER
個人間取引(CtoC)の日本最大手。スマホ中心のフリマアプリ、AI与信を用いたクレジットカードやメルペイ等のフィンテックを展開。2025年6月期のGMV1兆1,209億円、MAU2,300万人の達成。日本中心に米国展開。

事業内容

メルカリは個人間の売買を簡単にするフリマ型のオンラインマーケットプレイスを中核に事業を展開する企業です。同社はスマートフォンやWebで誰でも手軽に不要品を出品・購入できる体験を提供しており、配送網との連携や本人確認、AIを活用した不正検知などで安心して使える環境づくりにも力を入れています。

主要な顧客は一般の個人ユーザーが中心で、近年は個人事業主や小売業者向けの出店機会(メルカリShops)も広がっています。収益は主に取引手数料(商品代金の10%)や決済・与信などフィンテック関連の収入が柱で、流通取引総額(GMV)は約1兆1,209億円、月間利用者数(MAU)は約2,300万人の規模に成長しています。

事業は大きくMarketplaceとFintechの二つに分かれ、Marketplaceではフリマアプリや越境取引、ショップ機能を通じてモノの流通を拡大しています。Fintechではスマホ決済サービスのメルペイやAI与信を活用したクレジットカード(メルカード)を軸に決済収入や与信事業を伸ばしており、米国事業でも現地マーケットプレイスの成長と採算改善に取り組んでいます。

経営方針

メルカリは「増益を伴うトップライン成長」を掲げ、短期的には2026年6月期に連結売上収益2,000〜2,100億円、連結コア営業利益280〜320億円の達成を目指しています。流通取引総額(GMV)は既に約1兆1,000億円規模に成長しており、月間利用者数(MAU)約2,300万人と高いユーザ基盤を持つことから、安定した成長と収益改善の両立を志向しています。中期では売上高の年率二桁成長やコア営業利益の年率+25%超を目標に、増収と利益率の向上を両輪で進める方針です。

同社はマーケットプレイスのコア体験強化とフィンテックの拡大を重点投資分野としています。出品・購入のしやすさや安心・安全な取引環境の維持に注力し、出品価格の提案や購入者向けレコメンドなどデータを活用した施策で購入転換率や出品転換率の向上を図っています。フィンテック面ではスマホ決済「メルペイ」やクレジット機能付きカード「メルカード」を軸に、決済・与信分野でコア営業利益50〜75億円を目指すなど、取引手数料以外の収益柱づくりを進めています。

新市場開拓では越境取引や米国事業の立て直しを重要施策と位置付けています。越境取引は既に900億円超のGMVを生んでおり、世界120カ国以上への展開でさらに拡大を図ります。米国についてはプロダクト改善とカテゴリー戦略で差別化しつつブレイクイーブンの維持を目指し、マーケットプレイスのGMV成長率を年率+3〜5%にすることで通期でのプラス成長を達成しようとしています。

技術革新では「AI‑Native Company」としての組織基盤を整備し、AIを中核にプロダクト改善と安全性強化を推進しています。具体的には不正検知や本人確認の高度化、カスタマーサポートの自動化、出品・価格提案アルゴリズムの導入といった施策で利用体験と運営効率を高める方針です。また、アクセス増に対応するサーバー増設や並列処理の導入などインフラ投資も継続し、サービスの安定稼働とスケーラビリティ確保に取り組んでいます。