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インテージホールディングスJP:4326
事業内容
インテージホールディングスは、企業のマーケティングや事業判断を支えるデータ収集・分析を主力とする会社です。同社は消費者や店舗から継続的に集めたパネルデータや、企業向けの調査・分析サービスを軸に、マーケティング課題の解決に役立つ情報を提供しています。
主要な顧客は消費財メーカーや小売、広告会社、サービス業のほか、医薬品メーカーなどのヘルスケア領域企業で、定期的なデータ提供と個別の受託調査の両方で収益を上げています。同社はさらにシステム開発や業務受託、ソフトウェア販売といった契約型のサービスでも収入基盤を広げています。
事業は大きく三つのセグメントに分かれており、消費財・サービス向けではパネル調査やカスタムリサーチ、コミュニケーション支援を行っています。ヘルスケア向けでは医師の処方実態や消費者行動の調査、プロモーション評価や小売販売データの分析を提供し、ビジネスインテリジェンスではシステム構築・運用、データセンター運営、業務改善やAIを見据えた分析支援を行っています。
経営方針
インテージホールディングスは、2024年6月期を初年度とする第14次中期経営計画(3か年)で「Data+Technology企業としてのNewPortfolioへ—新たな価値発揮の創出—」を掲げ、2030年に向けた長期的な成長を目指しています。売上高と営業利益を主要な経営指標と位置づけるほか、一人当たり利益の成長やROEも重視し、安定的な財務基盤を背景に事業投資と株主還元を両立させる方針です。株主還元では配当性向50%以上を目安とした累進配当と機動的な自社株取得を明示しており、成長投資と資本還元のバランスを取っています。
同社は、従来のマーケティングインテリジェンス(生活者や店舗からのパネルデータ等)とビジネスインテリジェンス(システム構築や業務改善支援)の単体提供から、両者を融合したサービスで差別化を図っています。国内での「基盤投資」は国内No.1の地位維持や生産性向上、顧客満足度向上に充て、「戦略投資」はドメイン拡張や新事業の立ち上げに重点配分する管理を進めています。長年蓄積した継続的なデータ収集力と分析ノウハウを武器に、単発の調査ではなく継続的な意思決定支援を提供する点が競争優位です。
新市場開拓では、NTTドコモやドコモ・インサイトマーケティングとの連携を強化し、データ連携やセールス協業を通じて既存のマーケティング支援を越える事業領域への拡張を図っています。国内ではパートナーとの協業で領域拡大を目指す一方、海外展開ではオンライン化の推進とアジア拠点を軸に安定的な黒字化体制を構築する計画です。ヘルスケア領域では「意思決定パートナー」として顧客業務の支援から課題解決へと提供価値を高め、DX支援領域では「10年先も選ばれるパートナー」を目標に据えています。
技術革新への取り組みとして、同社はデータの収集・価値化・利活用の仕組み化を加速度的に進める方針です。データ統合基盤の整備やテクノロジーホルダーとの協業で分析基盤を強化し、システム開発やソフトウェア提供、業務受託といった契約型サービスを通じて顧客のデータ活用を支援します。あわせてセキュリティ遵守やコーポレートガバナンスを重視し、データ利活用環境の保全を通じて持続可能な社会への貢献を実現しようとしています。