戸田工業JP:4100

時価総額
¥125.3億
PER
5.6倍
機能性顔料と電子素材の製造・販売を中心に、有機顔料、無機顔料、フェライトコンパウンド、フェライト材料、磁性材料、リチウムイオン電池用正極材料等を手がける。

沿革

1933年11月

広島市横川町に弁柄の製造販売を事業目的とする「戸田工業株式会社」を資本金50万円で設立。

1951年4月

クツワ弁柄製造株式会社を合併。

1954年11月

吉備工業株式会社を合併。

1959年10月

山口県小野田市に小野田工場を新設。

1969年7月

小野田工場にオーディオ・ビデオテープ用磁性粉末材料の生産設備を新設。

1973年6月

小野田工場に湿式着色顔料工場を新設。

1983年9月

東京証券取引所市場第1部(現プライム市場)指定。

1984年12月

広島県大竹市にフェライト材料の生産工場(大竹工場)を新設。

1988年4月

小野田工場に電子印刷用着色材料の専用生産設備を新設。

1994年7月

ドイツ デュッセルドルフ市に「戸田工業ヨーロッパGmbH」を設立。

1996年8月

アメリカ イリノイ州シャンバーグ市(現ミシガン州バトルクリーク市に移転)に「戸田アメリカ Incorporated」を設立。

2003年1月

中国 浙江省に「戸田塑磁材料(浙江)有限公司」を設立。

2004年8月

中国 浙江省に「浙江東磁戸田磁業有限公司」を設立。

2006年10月

韓国 釜山広域市(現京畿道安養市に移転)に「戸田フェライトコリア Co., LTD.」(2022年2月に「戸田コリアソウル Co., LTD.」へ社名変更)を設立。

2007年4月

中国 天津市に「戸田麦格昆磁磁性材料(天津)有限公司」を設立。

2007年8月

カナダ オンタリオ州サーニア市に「戸田アドバンストマテリアルズ Inc.」を設立。

2008年3月

アメリカ アルゴンヌ国立研究所から、リチウムイオン電池用正極材料の特許ライセンスを取得。

2008年4月

韓国 江原道原州市に「戸田イス CORPORATION」を設立。

2008年6月

「東京色材工業株式会社」の株式を取得。

2015年2月

小野田事業所、北九州工場のリチウムイオン電池正極材料生産設備等を現物出資して、BASFジャパン㈱との合弁会社「BASF戸田バッテリーマテリアルズ合同会社」を設立。

2016年4月

タイ バンコク都(現アユタヤ県に移転)に「戸田工業アジア(タイランド)Co., Ltd.」を設立。

2016年4月

「戸田ファクトリー株式会社」(2016年4月に「戸田ファインテック株式会社」へ社名変更)を連結子会社とする。

2021年4月

1997年に分社化した戸田ピグメント株式会社を吸収合併し、当社岡山事業所とする。

2021年8月

中国 広東省の江門協立磁業高科技有限公司を連結子会社とする。

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場に移行。

事業内容

戸田工業グループは、戸田工業を中心に子会社13社、関連会社6社、その他の関係会社1社から構成されています。このグループは主に機能性顔料と電子素材の製造・販売を行っており、その事業内容は大きく2つのセグメントに分けられます。

第一のセグメントは機能性顔料で、磁性粉末材料や各種着色材料の製造・販売を戸田工業が担っています。また、東京色材工業は有機顔料、浙江華源顔料股份有限公司は無機顔料の製造・販売をそれぞれ行っています。

第二のセグメントは電子素材で、戸田工業はフェライトコンパウンドやフェライト材料の製造・販売を主導しています。戸田塑磁材料(浙江)有限公司や戸田工業アジア(タイランド)Co.,Ltd.はフェライト磁性コンパウンドの製造・販売を、浙江東磁戸田磁業有限公司はボンドフェライト材料の製造・販売を行っています。さらに、戸田イスCORPORATIONや戸田麦格昆磁磁性材料(天津)有限公司、江門協立磁業高科技有限公司はそれぞれ磁性材料や希土類磁性コンパウンド、射出成型磁石の製造・販売を手掛けています。リチウムイオン電池用正極材料の前駆体や正極材料自体の製造・販売は、戸田アドバンストマテリアルズInc.、㈱セントラル・バッテリー・マテリアルズ、BASF戸田バッテリーマテリアルズ合同会社、美戸先進材料股份有限公司が担当しています。

これらの事業を通じて、戸田工業グループは幅広い産業分野に対して高品質な製品を提供し、グローバルな事業展開を進めています。

経営方針

戸田工業グループは、創業200周年及び会社設立90周年を迎えるにあたり、「微粒子の可能性を、世界の可能性に変えていく。」というパーパスを掲げ、社会的な課題解決を支援することを使命としています。同社は、酸化鉄の様々な機能を活用し、社会に貢献してきた歴史を持ち、今後も新素材やソリューションの提供を通じて、多様に進化する社会を支える存在であり続けることを目指しています。

中期事業計画「Vision2023」では、2021年8月4日から2024年3月期までの3年間を実行期間とし、「電子素材」セグメントを成長事業、「機能性顔料」セグメントを安定した収益基盤事業と位置付けています。同社は、事業の成長に向けた生産能力強化や既存設備・インフラの維持更新、次世代電子素材材料や環境関連材料等新規事業への投資、ESG取り組みの推進に積極的に投資し、事業拡大と企業価値向上を目指しています。

電子素材セグメントでは、自動車や通信・家電市場を主な事業フィールドとし、磁石材料、誘電体材料、リチウムイオン電池用材料、軟磁性材料などの開発・製造に取り組んでいます。特に自動車の電動化に伴う需要増加に対応し、磁性粉と樹脂を複合化したボンド磁石用の材料の事業成長を目指しています。

機能性顔料セグメントでは、塗料、複写機・プリンター、環境関連市場を事業フィールドとしており、顔料を中核として成長を続けています。また、酸化鉄顔料事業のグローバル展開を進め、事業拡大を図っています。

さらに、持続可能な開発目標(SDGs)への取り組みとして、環境ビジョン2033を策定し、CO2排出量削減や自家消費型太陽光発電設備の導入など、環境保全活動にも力を入れています。戸田工業グループは、これらの戦略を通じて、社会的責任を果たし、持続可能な社会実現への貢献と事業成長を目指しています。