- 日本企業
- 第一稀元素化学工業
第一稀元素化学工業JP:4082
沿革
1956年5月 |
大阪市東区高麗橋を本社として第一稀元素化学工業株式会社を設立 |
大阪市西淀川区御幣島に工場を開設し、ジルコニウム防水材の販売を開始 |
|
1958年12月 |
大阪市東淀川区三津屋北通に三津屋工場を開設し、生産部門をすべて移設 |
1959年4月 |
大阪市東淀川区三津屋北通に本店を移転(旧本社は大阪営業所に変更) |
1960年4月 |
大阪市東淀川区小松南通に淀川第一工場開設 |
1960年9月 |
大阪市東淀川区小松南通に本店を移転し、生産部門をすべて移設 |
1961年2月 |
光学用ジルコニアの販売を開始 |
1966年6月 |
焼成専門工場として、淀川第一工場隣接地に淀川第二工場を開設 |
1967年6月 |
中間物専門工場として、兵庫県伊丹市森本に伊丹工場を開設 |
1968年3月 |
電子材料用ジルコニア及び樹脂用難燃剤の販売を開始 |
1969年4月 |
東京都北区田端に東京出張所を開設 |
1969年11月 |
耐火物用ジルコニアの本格販売を開始 |
1972年6月 |
ブレーキ用ジルコニアの販売を開始 |
1976年5月 |
光学レンズ用硝酸セシウムの販売を開始 |
1976年8月 |
酸素センサー用ジルコニアの販売を開始 |
1979年5月 |
大阪市住之江区平林南に本店を移転、大阪工場を開設し、既存の三工場を統合 |
1980年7月 |
鉄鋼連続鋳造用電融ジルコニアの本格販売を開始 |
1981年5月 |
ファインセラミックス用ジルコニアの販売を開始 |
1983年2月 |
東京営業所を東京都港区虎ノ門に移転 |
1983年2月 |
宝飾用キュービックジルコニアの販売を開始 |
1984年4月 |
ニューテックス株式会社(役員及び従業員による共同出資)を設立し、ジルコニウム化合物(液物)及びレア・アース化合物の製造を移管 |
1990年8月 |
自動車排ガス浄化触媒用セリア・ジルコニア複合酸化物の販売を開始 |
1992年7月 |
日本曹達株式会社からカラージルコニアの特許譲受、販売権を取得 |
1993年3月 |
高知市に株式会社アイ・ディ・ユー(現・持分法非適用関連会社)を設立し、電融ジルコニアの製造を移管 |
1996年1月 |
国際規格「ISO-9001」(JQA-1144)の認証を取得 |
1996年7月 |
島根県江津市松川町に江津工場を新設し、自動車排ガス浄化触媒用セリア・ジルコニア複合酸化物の本格生産を開始 |
1998年2月 |
大阪、江津工場を含めた「ISO-9001」の拡大認証を取得 |
2001年2月 |
「ISO-14001」(JQA-EM1307)の認証を取得 |
2002年6月 |
ニューテックス株式会社の株式100%を取得し、子会社化 |
2002年8月 |
大阪営業所を大阪市中央区今橋に移転 |
2002年9月 |
ニューテックス株式会社を吸収合併 |
2004年12月 |
東京証券取引所市場第二部に株式を上場 |
2006年10月 |
福井市に福井工場を新設し、ファインセラミックス用ジルコニアの生産を開始 |
2007年11月 |
福井工場を含めた「ISO-9001」、「ISO-14001」の拡大認証を取得 |
2012年3月 |
ベトナム社会主義共和国にVIETNAM RARE ELEMENTS CHEMICAL JOINT STOCK COMPANY(現・連結子会社)を設立 |
2013年4月 |
中期経営計画「DK-One Project」スタート |
2013年8月 |
中華人民共和国上海市に穂華(上海)貿易有限公司(現 迪凱凱(上海)材料貿易有限公司(現・連結子会社)を設立 |
2014年7月 |
山東広垠廸凱凱新材料有限公司、山東広垠廸凱凱環保科技有限公司(現・持分法適用関連会社)を設立 |
2017年9月 |
DKKロジスティクス株式会社(現・連結子会社)を設立 |
2018年3月 |
タイに子会社DKK Thai Materials Trading Co., Ltd.(現・連結子会社)を設立 |
2018年6月 |
東京証券取引所市場第一部に指定 |
2019年4月 |
大阪市中央区北浜に本社を移転 |
2019年6月 |
米国にDKK America Materials,Inc.(現・連結子会社)を設立 |
2021年2月 |
東京営業所を東京都千代田区霞が関へ移転 |
2022年4月 |
東京証券取引所プライム市場へ移行 |
2022年5月 |
中期経営計画「DK-One Next」スタート |
事業内容
第一稀元素化学工業は、自社および子会社5社、関連会社3社で構成される企業グループです。同社は、酸化ジルコニウムを中心としたジルコニウム化合物の製造・販売を主軸に事業を展開しています。製造方法には、乾式製法(電融法など)と湿式製法の2種類があり、同社はこれらの設備を有し、目的に応じた製造方法の選択が可能です。特に、湿式製法による鉱石から最終製品までの一貫生産システムを持つメーカーとしての強みを持っています。
同社グループは、高純度酸化ジルコニウム及びジルコニウム化合物を湿式製法で製造し、乾式製法による酸化ジルコニウムを関連会社から購入することで、顧客の多様な要望に応える販売体制を整えています。また、生産技術や複合化技術を活かし、希土類化合物やセシウム化合物などのその他元素化合物の製造・販売も手掛けています。
ジルコニウム化合物は、その優れた物理化学特性から、撥水性(防水剤)、高屈折率(光学材料)、高耐熱性(耐火物)、圧電性(着火素子・ブザー・アクチュエーター)、イオン伝導性(酸素センサー)、誘電性(セラミックコンデンサ・電波フィルター)、高強度・高靭性(ファインセラミックス)、強酸性・耐薬品性(工業用触媒)など、多岐にわたる製品の原料として広く利用されています。
事業セグメントは化学工業製品の製造販売事業の単一セグメントであり、用途別には「触媒」「電子材料・酸素センサー」「ファインセラミックス」「耐火物・ブレーキ材」「その他」の5区分で紹介されています。これらの製品は、自動車排ガス浄化触媒、電子材料、酸素センサー、ファインセラミックス、耐火物、ブレーキ材など、幅広い分野での応用が可能です。
経営方針
第一稀元素化学工業は、独自の経営理念とビジョンのもと、持続可能な成長を目指しています。同社は、「世に価値あるものを供給し続ける」ことを軸に、社会課題の解決に貢献する製品の開発・供給に注力しています。特に、ジルコニウム化合物の開発・供給を通じて、環境変化に適応し、体質の強化を図ることを戦略の中心に置いています。
同社は、2023年3月期から2032年3月期を対象とする中期経営計画「DK-One Next」をスタートしました。この計画では、半導体・エレクトロニクス、エネルギー、ヘルスケアを戦略分野と位置付け、これらの分野への製品展開を加速しています。また、新規事業の創出、収益構造の改革、革新的なものづくりの実現、組織づくりの実践、企業文化の醸成、サステナビリティへの取り組みという6つの柱を通じて、大きな環境変化に対応し、100年企業の基盤を確立することを目指しています。
さらに、同社は新規事業の創出や戦略分野の開発活動を強化し、カーボンニュートラルに貢献するエネルギー分野などにリソースを集中投入しています。また、キャッシュ創出力の強化や収益性の改善、ジルコニウム化合物のサプライチェーン強化、温室効果ガスの排出削減、多様な人材の活躍基盤づくり、組織力強化と人材育成にも積極的に取り組んでいます。
これらの戦略を通じて、第一稀元素化学工業は、事業領域と収益の拡大を目指し、持続可能な成長を追求しています。同社の取り組みは、社会課題の解決に貢献するとともに、企業価値の向上にも繋がるでしょう。