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第一稀元素化学工業JP:4082
事業内容
第一稀元素化学工業は、ジルコニウム化合物を中心に製造・販売を行う企業です。ジルコニウム化合物の製造には、乾式製法(電融法など)と湿式製法の2種類があり、同社は両方の設備を持ち、目的に応じて製造方法を選択できます。また、湿式製法により鉱石から最終製品までの一貫生産システムを有しています。
同社は高純度酸化ジルコニウムやジルコニウム化合物を湿式製法で製造し、関連会社から乾式製法で精製した酸化ジルコニウムを購入することで、多様な顧客ニーズに対応しています。また、希土類化合物やセシウム化合物など、他の元素の化合物も製造・販売しています。
ジルコニウム化合物は、撥水性や高屈折率、高耐熱性、圧電性、イオン伝導性、誘電性、高強度・高靭性、強酸性・耐薬品性など、多くの特性を持ち、日常的に使用される製品の原料として広く利用されています。
第一稀元素化学工業の事業セグメントは化学工業製品の製造販売事業の単一セグメントです。用途セグメントとして、「戦略分野-半導体・エレクトロニクス」「戦略分野-エネルギー」「戦略分野-ヘルスケア」「自動車排ガス浄化触媒分野」「基盤分野」の5区分に分かれています。
具体的な用途としては、半導体やエレクトロニクス分野では積層セラミックコンデンサやスマートフォンの筐体、エネルギー分野では水素生成触媒やリチウムイオン電池の正極材の添加剤、ヘルスケア分野では歯科材料や抗菌剤などがあります。
経営方針
第一稀元素化学工業は、ジルコニウム化合物を中心に製造・販売を行う企業であり、持続的な成長を目指しています。同社は「稀な元素とともに、『100年企業』へ」というビジョンを掲げ、社会課題の解決に貢献する独創的で付加価値の高い製品の提供を目指しています。
同社の中期経営計画「DK-One Next」は、2032年までの10年間を対象とし、新たな事業の創出と環境変化への対応を重視しています。特に、半導体・エレクトロニクス、エネルギー、ヘルスケアを戦略分野として位置付け、これらの分野での売上構成比を2032年までに50%以上にすることを目指しています。
成長戦略の一環として、同社はベトナムに新工場を設立し、ジルコニウム化合物の供給拠点を多様化しています。これにより、コスト競争力の強化と供給安定性の向上を図り、持続的な成長を支える基盤を構築しています。
また、同社は温室効果ガスの排出削減を重要な経営課題と位置付け、省エネルギー活動や再生可能エネルギーの導入を進めています。これにより、持続可能な社会の実現に貢献し、環境対応を成長の機会と捉えています。
さらに、同社は多様な人材が活躍できる基盤づくりを推進し、組織力の強化と人材育成に注力しています。これにより、社員一人ひとりが成長を実感できる環境を整備し、企業としての持続的競争力の向上を図っています。