住友精化JP:4008

時価総額
¥715.8億
PER
14.2倍
吸水性樹脂の製造・販売、水溶性ポリマーやエレクトロニクスガスの製造・販売、化学品の製造受託事業を手がける。

沿革

1944年7月

住友化学工業㈱(現 住友化学㈱)と㈱多木製肥所(現 多木化学㈱)の共同出資により住友多木化学工業㈱設立

1946年4月

社名を別府化学工業㈱と変更

1952年7月

大阪・神戸両証券取引所に株式上場

1956年11月

東京証券取引所に株式上場

1960年6月

富士製鐵㈱(現 新日鐵住金㈱)と住友化学工業㈱(現 住友化学㈱)の折半出資により(旧)製鉄化学工業㈱を設立し、姫路工場を建設

1961年10月

(旧)製鉄化学工業㈱を合併し、社名を製鉄化学工業㈱と変更

1962年6月

化工機器の製作、販売、設計業務を開始

1963年10月

プラスチック事業を開始

1963年12月

スペシャルティガス事業を開始

1969年4月

千葉工場を建設

1972年6月

ハリマ興産㈱(現 セイカテクノサービス㈱)を設立

1976年4月

化工機器の製作部門を分離し、セイカエンジニアリング㈱を設立

1980年11月

化学品販売商社フタワ化学品㈱を設立

1983年3月

姫路工場に高吸水性樹脂製造設備新設

1989年10月

社名を住友精化㈱と変更

1997年2月

スミトモ セイカ シンガポール プライベート リミテッド設立

1999年3月

シンガポールで高吸水性樹脂事業を開始

2004年12月

台湾住精科技(股)有限公司設立

2006年4月

台湾でエレクトロニクスガス事業を開始

2007年12月

シンガポール(スミトモ セイカ アジア パシフィック プライベート リミテッド)、アメリカ(スミトモ セイカ アメリカ インコーポレーテッド)、ベルギー(スミトモ セイカ ヨーロッパ S.A./N.V.)に販売会社を設立

2008年4月

フランス、アルケマ社から高吸水性樹脂事業を買収

2008年6月

韓国においてエレクトロニクスガス製造・販売会社住精ケミカル㈱を設立

2008年7月

ハリマ興産㈱がフタワ化学品㈱を吸収合併、セイカテクノサービス㈱に社名変更

2011年3月

中国において販売会社住友精化貿易(上海)有限公司(現 住友精化(中国)投資有限公司)を設立

2011年4月

中国においてエレクトロニクスガス製造会社住精科技(揚州)有限公司を設立

2014年7月

韓国においてスミトモ セイカ ポリマーズ コリア カンパニー リミテッドを設立

2016年8月

韓国で高吸水性樹脂事業を開始

2018年1月

セイカエンジニアリング㈱を吸収合併

2019年4月

中国において住精高分子技術(上海)有限公司を設立

2020年7月

住友精化貿易(上海)有限公司の会社形態を投資性公司に変更し、住友精化(中国)投資有限公司に社名変更

2021年3月

中国において住精国際貿易(上海)有限公司を設立

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所市場第一部からプライム市場に移行

事業内容

住友精化は、多岐にわたる事業セグメントを展開している企業であり、その主要な事業内容には吸水性樹脂、機能マテリアル、化学品の製造受託などが含まれます。吸水性樹脂事業では、紙おむつや生理用品、ペットシート、ケーブル用止水材などの衛生材料や工業用材料の製造・販売を手掛けています。機能マテリアル事業では、水溶性ポリマー、エマルジョン、微粒子ポリマー、医薬製品、エレクトロニクスガス、標準ガス、工業薬品、医療用ガス、ケミカルガスの製造・販売、さらにはガス発生装置の設計・製作・販売を行っています。その他の事業として、化学品の製造受託事業も展開しており、幅広いニーズに応えるサービスを提供しています。

住友精化は、グローバルに展開する子会社を通じて、その事業を支えています。ヨーロッパ、アジア、アメリカなど、世界各地に子会社を持ち、地域に根ざした事業展開を行っています。例えば、スミトモ セイカ ヨーロッパ S.A./N.V.やスミトモ セイカ ポリマーズ コリア カンパニー リミテッド、住精ケミカル㈱などがその一例です。これらの子会社は、住友精化の事業戦略を地域ごとのニーズに合わせて展開し、グループ全体の成長を支えています。

また、2023年4月1日には、スミトモ セイカ シンガポール プライベート リミテッドがスミトモ セイカ アジア パシフィック プライベート リミテッドを吸収合併するなど、効率的な経営体制の構築にも取り組んでいます。これらの動きは、住友精化がさらなる成長を目指し、事業の最適化を進めていることを示しています。

経営方針

住友精化は、2023年度から2025年度までの中期経営計画を通じて、事業構造の強靭化、研究開発の結実、徹底した合理化、サステナビリティへの取り組み深化を推進しています。同社は、吸水性樹脂事業において、アジア市場を中心に需要の増加に対応するため、新しい製造設備の建設や製造プロセスの合理化、高付加価値製品の開発に注力しています。また、機能マテリアル事業では、エレクトロニクスガスの生産能力を増強し、医療・生活関連分野での販売シェア維持や安全安定操業に努めています。

研究開発面では、環境・安全に配慮した新製品の開発や、次世代半導体材料、新規リチウムイオン電池用電解液添加剤の開発を加速しています。合理化に関しては、吸水性樹脂事業と機能マテリアル事業の両方で、製造プロセスの改善や生産性向上の取り組みを進めており、全社横断での業務プロセスの改善やデジタル技術の活用による業務の自動化・高速化を推進しています。

サステナビリティの面では、「衛生・健康・QOL向上へのアクセス」、「エネルギーへのアクセス」、「インフラ改良と技術革新」、「持続可能な消費と生産」、「ジェンダー平等」、「カーボンニュートラル実現」の6項目のマテリアリティを設定し、KPIを定めて具体的な施策を実行しています。特に、カーボンニュートラル実現に向けたGHG削減や低濃度CO2分離回収技術、使用済吸水性樹脂のリサイクル技術の開発に取り組んでいます。

最終年度である2025年度の業績目標は、売上高1,600億円、営業利益120億円、ROE8.5%を掲げており、この計画期間中に研究費90億円、設備投資500億円を予定しています。これらの取り組みを通じて、住友精化は企業価値の持続的な成長を目指し、株主への安定的な利益還元と強固な財務基盤の維持を図っています。