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ウォンテッドリーJP:3991
事業内容
ウォンテッドリー株式会社は、ビジョンや価値観を軸にしたビジネスSNS「Wantedly」を運営し、働く人と企業の新しい出会いやつながりを作っています。従来の給与や条件に偏らないマッチングを重視して、仕事に熱中する人を増やすことを目指しています。
同社の主要顧客は企業ユーザ(約4.3万社)と個人ユーザ(国内約432万人)で、収益は主に企業向けのサブスクリプション型サービスから発生しています。料金は低単価で多くの顧客から継続的に得る構造になっており、上位顧客への依存度は低く、オプション機能や広告なども収益源になっています。
事業は「ビジネスSNS事業」の単一セグメントに集約され、プロダクトは大きく三つに分かれます。Wantedly Visitは会社訪問アプリで募集掲載や記事投稿、スカウト機能などの採用支援を行い、Wantedly Hireは応募から内定までの採用管理を一元化するシステム、Engagement Suiteは社内報のStory、チーム管理のPulse、福利厚生のPerkなどで従業員の定着・活躍を支援しています。
経営方針
同社は持続的な成長と企業価値の向上を目指しており、営業収益および営業利益を主要な経営指標と位置づけています。直近では国内の企業ユーザ数が約4.3万社、個人ユーザは約432万人と堅調に拡大しており、まずは「Wantedly Visit」による定額課金型の収益基盤を強化することで短中期の安定収益を確保する方針です。具体的には、有料企業数の増加、解約率の低下、顧客あたりの利用単価(利用単価)の向上を通じて営業収益の拡大を図っています。
同社は競争優位の確立に向けて、既存プロダクトの提供価値の強化と新規領域への選択と集中を行っています。採用支援の「Visit」については推薦アルゴリズムや機能改善を進めて利用効率を上げ、利用単価を引き上げる施策を実行しています。一方で、従業員の定着・活躍支援を狙う「Engagement Suite」と、応募から内定までを一元管理する「Wantedly Hire」へは資金と開発力を集中投下し、単一の採用ツールに依存しないサービス群として差別化を図っています。
新市場開拓と事業拡大は、既存の「Visit」で得た収益を成長の種に変えることが中核です。同社は「Wantedly Hire」やEngagement Suiteを中長期の成長エンジンに育てるため、サービス別に効果的なマーケティングチャネルを見極めつつ、流入拡大や広告・プロモーションを強化します。また、提供価値の拡大により新たな収益機会を創出することを重視しており、オプション機能や広告メニューの拡充、企業向けの付加価値サービスの開発を通じて売上の多角化を進めています。
同社は技術革新にも積極的に取り組んでいます。人工知能(AI)を活用して推薦精度やマッチングの質を高めるとともに、システムの安定運用に向けてサーバー強化や負荷分散の導入、品質保証要員の確保といったインフラ投資を進めています。情報管理では社内規程の運用強化や定期教育、外部による脆弱性診断の実施など具体的な安全対策を講じることで、サービス信頼性と競争力の両立を図っています。