シリコンスタジオJP:3907

時価総額
¥31.2億
PER
15.6倍
デジタルエンターテインメント業界向けに、ミドルウェア開発・販売、受託開発、オンラインソリューション、人材派遣・紹介を提供。

沿革

年 月

概   要

1999年11月

東京都渋谷区恵比寿西において、リアルタイムグラフィックス(注1)に関する事業を幅広く展開することを目的に当社を設立(資本金10百万円)

1999年12月

日本SGI株式会社、株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント、株式会社エヌ・ケー・エクサ(現 株式会社エクサ)等を割当先とする第三者割当増資により、資本金を210百万円に増資

2000年1月

日本SGI株式会社より受け入れた移籍社員約30名の陣容で営業を開始、リアルタイムグラフィックスに関する事業を幅広く展開

2000年10月

Intrinsic Graphics Inc.社(現 Vicarious Visions社)とゲームソフトウエア開発用ミドルウェアに関する業務提携契約を締結。PlayStation2向けにAlchemyの開発を開始(開発推進・支援事業を開始)

2001年12月

ゲームソフトウエア開発用ミドルウェアAlchemyのライセンスをIntrinsic Graphics Inc.社から受け、国内各社向けに提供開始

2003年12月

コンテンツ・クリエイターの人材派遣サービスを開始(人材事業を開始)

2004年7月

コンテンツ・クリエイターの人材紹介サービスを開始

2007年2月

自社開発ミドルウェアであり画面のクオリティを飛躍的に向上させるポストエフェクトライブラリ(注2)機能を有するYEBISをリリース

2007年8月

欠損填補のため、資本金を100百万円に減資

2008年1月

ゲーム開発本部を発足し自社企画ゲームコンテンツ制作を開始(コンテンツ事業を開始)

2009年2月

3DCGコンテンツの開発を目的として、イグニス・イメージワークス株式会社を設立(出資比率100.0%、資本金15百万円、現 連結子会社)

2010年1月

オンラインエンターテインメントのサーバーに関するコンサルテーションを開始し、開発推進・支援事業におけるソリューション事業の開始

2010年11月

「三国志カードバトル」を株式会社ディー・エヌ・エーが運営する「Mobage」プラットフォームにおいて提供開始

2011年2月

オールインワンゲームエンジン(注3)「OROCHI(オロチ)」発売開始

2012年2月

「逆襲のファンタジカ」をスマートフォン向けネイティブアプリとして、株式会社ディー・エヌ・エーが運営する「Mobage」プラットフォームにおいて提供開始

2012年8月

ソーシャルゲーム(注4)「逆襲のファンタジカ」のグローバル版「FANTASICA」の提供を ngmoco,LLC.が運営する「ngmoco」プラットフォームにおいて開始

2013年6月

カード型ソーシャルゲーム「スマサカ」をGMOインターネット株式会社との協業にて、Google Inc.が運営するGoogle Playにおいて提供開始

2013年7月

スマートフォンネイティブアプリ(注5)「モンスタータクト」をGoogle Inc.が運営するGoogle Playにおいて提供開始

2015年2月

東京証券取引所マザーズに上場

2015年8月

リアルタイムレンダリングエンジン「Mizuchi」販売開始

2017年5月

グローバルイルミネーションミドルウェア(注6)「Enlighten」のライセンス取得及び全世界においての開発、販売、サポート権利の取得

2018年7月

コンテンツ事業を会社分割(新設会社分割)により新設会社に承継させ、新設会社の株式を譲渡(コンテンツ事業から撤退)

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所のマザーズ市場からグロース市場へ移行

事業内容

シリコンスタジオは、ゲーム業界やメディア業界を中心に、デジタルコンテンツの開発や関連サービスを提供する企業です。同社グループは、シリコンスタジオ自体と連結子会社のイグニス・イメージワークス株式会社、関連会社の株式会社イリンクスで構成されています。事業は大きく分けて、開発推進・支援事業と人材事業の2つのセグメントに分かれています。

開発推進・支援事業では、3DCG技術やレンダリング技術を駆使したミドルウェアの開発・販売、受託開発、オンラインゲームのサーバーネットワーク構築・運用・監視などを手掛けています。具体的な製品には、リアルタイムグローバルイルミネーションを可能にする「Enlighten」、現実のカメラ撮影効果を再現するポストエフェクトミドルウェア「YEBIS 3」、フォトリアルな映像生成を実現するリアルタイムレンダリングエンジン「Mizuchi」などがあります。

人材事業では、CG、ゲーム制作、映像制作、WEB制作などの分野で活躍するデザイナーやクリエイター、エンジニアなどの専門スキルを持った人材をクライアント企業に紹介する人材紹介サービスや、登録派遣社員を派遣する人材派遣サービスを提供しています。このセグメントでは、「シリコンスタジオエージェント」という登録サイトを運営し、約15,000名の登録者を抱えています。

シリコンスタジオは、これらの事業を通じて、エンターテインメント業界だけでなく、自動車、建築、製造業など多岐にわたる分野でのデジタルコンテンツ開発の効率化や品質向上に貢献しています。

経営方針

シリコンスタジオは、デジタルエンターテインメント業界における技術革新と社会貢献を目指す企業です。同社は「EnterNext」というコンセプトのもと、エンターテインメントの新たな可能性を追求し、顧客の課題解決に貢献しています。経営戦略として、迅速な意思決定と業務執行、コスト管理を徹底し、利益率の改善に努めています。

開発推進・支援事業では、3DCG技術やゲームエンジンのノウハウを活用し、自動車や土木建築などの非エンターテインメント領域への事業拡大を図っています。特に、機械学習向けソリューション「BENZaiTEN」や点群データ活用支援サービスの提供を通じて、製品・ソリューションの拡充に注力しています。

人材事業では、エンターテインメント業界向けに特化した人材紹介と派遣サービスを展開しています。同社は、業界特有の専門知識やノウハウを活かし、求人と求職者のマッチング精度を高めることで、事業規模の拡大を目指しています。また、ミドル・ハイクラス人材向けサービスの拡大や新規顧客開拓、既存顧客の深耕にも力を入れています。

経営上の目標として、売上高営業利益率を重要な指標に設定し、収益性を重視した効率経営を目指しています。2024年11月期の連結業績予想では、売上高4,599百万円、営業利益254百万円、売上高営業利益率5.5%を計画しており、継続的な企業成長を実現する方針です。

シリコンスタジオは、技術革新やトレンドの変化に対応し、多様化するクライアント企業のニーズに応えることを重視しています。また、エンターテインメント業界だけでなく、自動車業界や不動産業界、セキュリティ業界など他業界への技術提供も視野に入れています。これらの戦略を通じて、シリコンスタジオは持続可能な成長を目指しています。