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フラーJP:387A
事業内容
フラーは、スマートフォンアプリの企画・設計・開発と、アプリ利用データの集計・分析を軸に、企業のデジタル化を支援する「デジタルパートナー」事業を展開しています。同社は顧客と伴走して新しい価値を共創することを目指し、企画から運用・改善まで一気通貫でサービスを提供しています。
主要顧客は国内の大手企業が中心で、長期的な取引が多く売上の約88%を占めています。収益は受託によるクライアントワークと、自社のアプリ分析サービス「App Ape」によるサブスクリプションやカスタム分析で構成され、直接取引が約96.6%を占めています。
事業は大きく「クライアントワーク」と「アプリ分析サービス」に分かれ、クライアントワークでは事業開発コンサルティング、システム開発、UI/UXデザインなどをワンチームで提供しています。アプリ分析サービスは「App Apeダッシュボード」と顧客要望に応じたオーダーメイド分析が中心で、エンジニア・デザイナー・データサイエンティストなどのクリエイティブ人材を核に差別化を図っています。
経営方針
同社は「デジタルパートナー事業」の成長を通じて持続的な売上拡大と収益性向上を目指しています。現在、売上の約88%が大手企業との長期取引に由来し、業務受託が売上の9割超を占めるため、プロジェクト単位の採算確保と積み上げによる営業利益の最大化を重視しています。評価指標として売上高・営業利益・売上高営業利益率を重視し、人材確保やコスト管理、必要投資のバランスを取りながら成長を図る方針です。
重点投資分野は、デザイナー・エンジニア・ディレクター・データサイエンティストといったクリエイティブ人材の採用・育成と、プロダクト開発・ソリューションの強化です。同社は内製を軸に、事業開発コンサルティング、システム開発、UI/UX設計の各分野での提供力を高めるために人員増強、開発パートナーの活用、外部サービスの積極導入、技術研修の実施などを実行しています。また、自社のアプリ分析サービス「App Ape」をサブスクリプションや受託分析で展開することで、競合と差別化しています。
新市場開拓や事業拡大については、販売ルートの拡大と他社との協業を具体策に掲げています。同社はヤプリや電通グループとの営業連携を進め、ソリューションの定型化や既存プロダクトの取り扱い拡充によって受注機会を増やす計画です。拠点戦略では千葉(柏の葉)と新潟の二本社体制を活用し、(2025年6月30日現在で柏の葉本社に約142名、新潟に37名、その他11名が在籍)リモートワークを組み合わせて首都圏以外の人材確保や地域拠点の活用を進めています。
技術革新には継続的な投資と社内体制整備で対応しています。具体的には自社サービスの高度化やデータ分析力の強化に加え、情報セキュリティ面での対策として2022年5月にISMS認証(ISO27001)を取得し、執行役員CISOを中心にセキュリティツール導入や拠点対策、社員教育を実施しています。加えてAIやデータ活用などのトレンド領域へのキャッチアップを目的とした研修や研究開発を推進し、顧客のDXを技術面で支える力の強化を目指しています。