- 日本企業
- エイチームホールディングス
エイチームホールディングスJP:3662
事業内容
エイチームホールディングスは、グループを通じてウェブサービスとデジタル事業を展開する持株会社で、日常に近い比較サイトや情報メディア、ツールの企画・開発・運営と、法人向けのデジタル集客支援、複数の直販(D2C)サイト運営、さらにゲームやツールアプリの企画・開発・運営を主力としています。幅広いオンラインサービスをグループ各社で運営することで、生活領域とエンタメ領域の両方に関わっています。
同社の主要な顧客は、比較サイトや情報メディア、アプリの利用者である一般消費者と、集客やマーケティング支援を求める法人です。収益はメディアの広告・仲介や比較サイト経由の取引、D2Cによる商品販売、ゲームやアプリの課金・利用料、法人向けのサービス契約といった複数の柱で構成されています。
事業は報告上、大きく「メディア・ソリューション」「D2C」「エンターテインメント」の三つに分かれており、メディア・ソリューションでは比較サイトやエンジニア向けコミュニティの運営、CMSやマーケティング支援、保険代理店などを手がけています。D2Cでは化粧品やヘアケアブランド、ペットフードの直販サイトを運営し、エンターテインメントではスマートフォン向けゲームや実用的なツールアプリの企画・運営を行っています。
経営方針
同社は「Creativity × Techで、世の中をもっと便利に、もっと楽しくすること」を掲げ、中長期的に持続的な成長と企業価値の向上を目指しています。具体的には事業ポートフォリオの強化を戦略の軸とし、「売上向上支援カンパニー」への転換を目標に掲げています。このため新規事業の創出や他社との協業、M&Aなどを通じた先行投資を行い、11項目の重点課題に迅速に対処しながら成長を図っていく方針です。グループは国内連結子会社11社、海外連結子会社1社の体制を有しており、これを使った横断展開を進めています。
重点投資分野はデジタルマーケティング事業とエンターテインメント事業です。デジタルマーケティングでは「メディア・ソリューション」と「D2C」の両輪で、比較サイトや情報メディア、広告運用・コンテンツ運用・メディア運用を自社で統合することで他社と差別化しています。ユーザーデータを蓄積して分析・活用し、集客や売上向上につながるコンサルティングや業務支援ツールを法人向けに提供すること、そしてM&Aで不足するソリューションを取り込むことを具体施策としています。D2Cでは化粧品やドッグフードなど直販サイト運営を行い、商品企画から販売までを一貫して強化しています。
新市場開拓では、エンターテインメント事業をグローバルに拡大する計画を示しています。モバイルゲームを含むグローバルのデジタル配信市場は年々拡大しており、同社は「ファミ通モバイルゲーム白書2025」が示すように市場規模12兆円超の成長機会を捉え、モバイルに限らずPCや家庭用のデジタル配信まで対象を広げ、人気IPとの連携や他社との協業で展開していきます。また、法人向けサービスでは集客支援や業務効率化ツールをグループのメディア資産と組み合わせてクロスセールスし、M&Aや提携で顧客基盤を拡大する方針です。
技術革新への取り組みとしては、AIやブロックチェーンなど新技術への適応を明確に打ち出しています。グループ横断の技術研究プロジェクトで新技術の検証と実装を進め、人材育成を併せて行うことで実運用につなげる計画です。情報セキュリティは経営上の最重要課題に位置づけられ、ゼロトラストを念頭に置いた多層的な防御や最新の脅威情報の把握を継続的に強化します。加えて、人材確保・育成やガバナンス強化、サステナビリティ対応も並行して進めることで、技術と組織の両面から成長基盤を固めようとしています。