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テックファームホールディングスJP:3625
事業内容
テックファームホールディングスは、親会社と6の連結子会社で構成される持株会社で、先端技術を活用した事業を展開しています。同社は業務システムや基幹システムの受託開発とその運用・保守を主力とし、加えて食品や美容品の海外輸出を手がける流通プラットフォーム事業も運営しています。
同社の収益は、ICT分野では企業からの受託開発と長期の運用・保守契約が中心で、これが安定した収入源になっています。流通プラットフォームは生産者や卸売業者、海外の買い手向けの輸出販売や輸出に関するコンサルティングで売上を得ています。
事業は大きくICTソリューションとクロスボーダー流通プラットフォームの二本柱に分かれます。ICT側は設計から開発、運用まで一貫して請け負い、海外拠点を通じた対応も行っており、流通側は輸出代行や卸売、輸出支援サービスを中心に展開しています。
経営方針
同社はグループ売上高100億円の達成を中長期目標に掲げ、まずは2026年6月期に売上高72億円、営業利益6億円、経常利益5.8億円、親会社株主に帰属する当期純利益3.3億円を目指しています。短期的には複数の大型受託開発案件の安定稼働による売上成長を重視しつつ、中長期では利益率改善と企業価値向上に資する戦略投資を実行するため、売上高成長率や売上高営業利益率、ならびにM&Aを想定したEBITDAを経営指標に据えています。これらの数値目標は投資を先行させることで当面の利益構造に影響を与える一方で、将来的な収益基盤の強化を図ることを意図しています。
重点投資領域は人材と技術の両面にあります。高い技術力を持つエンジニアの採用を強化し、給与水準や報酬制度の見直し、体系的な教育研修プログラムやメンタルケアを含む職場環境の整備に投資しています。また、生成型のAIをコード生成や要件定義支援に活用して社内の業務プロセスを自動化すると共に、ドローン等の先端技術研究にリソースを重点配分することで、他社に先駆けたサービスを創出する差別化を図っています。さらに展示会や業界イベントでの情報発信を強め、XRやAI分野での開発実績を積み上げてプレゼンスを高めていきます。
事業拡大の具体策としては、クロスボーダー流通プラットフォームの認知度向上と販路強化に注力しています。シンガポールの直営店舗と自社のECサイトを起点に広告投資を増やし、販売データやSNS、メディアを活用したデジタル販促を強化することで主力商品の成長を支援します。同社は単なる輸出代行にとどまらず、顧客企業の価値を異文化に翻訳する「ストーリーメーカー」として国内での営業を積極化し、地方自治体や地域商社への提案を通じた商品発掘も進めています。加えて、自社サービス提供型ビジネスの拡大を見据え、M&Aや資本業務提携を検討して事業規模と収益構造の転換を図る方針です。
技術革新への取り組みは全社横断で推進されています。生成AIを全社で活用する体制を整え、社内システムの高度化や業務の自動化を進めることで生産性向上を狙っています。並行してパートナー企業とのアライアンスや実証実験を通じ、新技術の習得と社会実装を加速し、基幹システム刷新需要や新規事業創出の機会に対応できる技術基盤を構築しています。こうした投資は人件費や採用コストの上昇という外部環境の課題を吸収するための付加価値創出に直結する施策となっています。