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山王JP:3441
沿革
1958年8月 |
神奈川県川崎市中原区に弱電機部品の銀めっき加工及び販売を目的として、有限会社山王鍍金工業所を設立。 |
1959年3月 |
工場増築、電気部品の金めっきを開始、多層めっき、部分厚付けめっき等の研究を完成し、本格的に量産操業を開始する。 |
1967年1月 |
横浜市港北区に本社を移転し、表面処理加工工場である横浜工場を建設完成。 |
1969年4月 |
山王鍍金株式会社に組織変更。(資本金10,000千円) |
1978年5月 |
本社・横浜工場に研究棟を新築、排水のリサイクリング設備完成。 |
1979年4月 |
特殊フープめっき装置開発完成。 |
1982年9月 |
福島県郡山市郡山中央工業団地に、表面処理加工工場である郡山工場を建設完成。 |
1985年9月 |
神奈川県伊勢原市伊勢原工業団地に、表面処理加工工場である鈴川工場を建設完成。 |
1987年11月 |
パラジウムフープめっきを開発、鈴川工場にて量産操業開始する。 |
1988年3月 |
神奈川県秦野市曽屋工業団地に、精密プレス加工工場である秦野工場を建設完成。 |
1988年4月 |
商号を株式会社山王に変更。 |
1995年7月 |
フィリピン共和国に土地保有を目的としてSanno Land Corporationを設立。 |
1995年10月 |
フィリピン共和国に表面処理加工会社であるSannno Philippines Manufacturing Corporation(現・連結子会社)を設立。 |
1997年11月 |
表面処理用機械製作加工及び修理を目的として広和工業有限会社を設立。 |
2001年8月 |
福島県郡山市西部第二工業団地に表面処理加工工場である東北工場完成。同月火災のため焼失。 |
2002年10月 |
広和工業有限会社を吸収合併。 |
2003年5月 |
中華人民共和国に表面処理加工会社である山王電子(無錫)有限公司を設立。 |
2005年4月 |
福島県郡山市西部第二工業団地に東北工場を再建。 |
2007年3月 |
国内生産効率向上を目的として、郡山工場を東北工場に統合。 |
2007年4月 |
福島県郡山市西部第二工業団地に、精密プレス加工工場である東北第二工場を建設完成。 |
2007年10月 |
ジャスダック証券取引所に株式を上場。 |
2013年4月 |
山王電子(無錫)有限公司において精密プレス加工の装置設置完成。 |
2017年1月 |
金属複合水素透過膜特許取得。 |
2017年8月 |
導電性微粒子及び導電性微粒子の製造方法特許取得。 |
2017年12月 |
経済産業省より地域未来牽引企業に選定される。 |
2020年7月 |
山王電子(無錫)有限公司の持分を無錫特恒科技有限公司に譲渡契約締結。 |
2020年8月 |
東北工場を東北事業部に、秦野工場を秦野プレス技術センターに名称を変更。 |
2020年12月 |
山王電子(無錫)有限公司の持分を無錫特恒科技有限公司に譲渡完了。 |
2021年1月 |
株式会社りそな銀行をアレンジャーとするシンジケートローン契約締結。 |
2021年8月 |
かながわ治療と仕事の両立推進企業に認定される。 |
2022年4月 |
東京証券取引所の市場再編に伴い、ジャスダック市場から東証スタンダード市場に移行する。 |
2023年1月 |
鈴川工場を鈴川技術センターに名称を変更。 |
事業内容
山王株式会社とその子会社2社、Sanno Philippines Manufacturing Corporation(SPMC)およびSanno Land Corporation(SLC)は、電子部品の精密プレス加工と金型製作、貴金属表面処理加工を主な事業としています。同社グループは、これらの工程を一貫して行うことで、顧客の要求する品質、価格、納期に対応しています。
精密プレス加工では、主にコネクタメーカーからの依頼に基づき、コネクタ用のプレス金型の設計・製作を行い、その金型を使用して銅合金などの材料をプレス加工しています。特に、携帯機器などの小型化に対応するため、極めて細かい寸法管理を行っており、製品の厚さやピッチ(ピン間隔)に至るまで高い精度での加工を実現しています。
表面処理加工では、コネクタやスイッチ、ICソケットなどの接点部品に対して、高速金めっき加工やパラジウムニッケル合金めっき加工、錫めっき加工などを行っています。特に、精密部分金めっき加工や環境に配慮した鉛を含まない半田めっき加工をリールtoリール方式で提供しています。
同社グループが手がける電子部品は、パソコン関係、携帯電話、車載機器、デジタル家電、産業用機器、ゲーム機器、カード用機器、その他多岐にわたる用途に使用されています。これらの事業を通じて、山王株式会社グループは、電子部品の精密加工と表面処理の分野で幅広いニーズに応えています。
経営方針
山王株式会社は、電子部品の精密プレス加工と金型製作、貴金属表面処理加工を主な事業としており、その子会社2社と共に、顧客の要求する品質、価格、納期に対応する一貫した工程を提供しています。同社は、創業から受け継がれる社会貢献の精神を基に、社会のインフラを支えることを目的としており、そのための中期経営計画を策定しています。
具体的には、受注拡大と生産体制の増強・収益力の強化を主要戦略として掲げ、2022年から2023年にかけてこれらの戦略を推進し、成果を挙げています。2024年に向けても、これらの戦略の推進に加え、環境変化に応じた体制整備を進めることで、全てのステークホルダーの期待に応えることを目指しています。
重点課題としては、受注拡大、生産体制の増強とシステム化の推進、人材育成、環境への取り組みなどを挙げており、市場の変化に対応するために東北事業部への新ライン建設等の設備増強を実行しています。また、売上高9,600百万円、営業利益220百万円、経常利益270百万円を目指しています。
さらに、新規事業推進として、2050年カーボンニュートラル達成に向けた水素エネルギー開発に注力しています。特に、水素透過膜の開発においては、同社の貴金属めっき技術を応用し、低コストかつ水素の透過量を増大させる技術を開発しており、これが水素精製装置の小型化要求に応えることを目指しています。
山王株式会社は、技術的差別化と環境への取り組みを通じて、持続可能な成長を目指しています。