トラストホールディングスJP:3286

時価総額
¥47億
PER
17.3倍
駐車場運営を主軸とする不動産サービスの有力企業。遊休地活用の駐車場運営や駐車場小口化商品「トラストパートナーズ」、医療機関向け不動産賃貸やRV車の製造販売を展開。連結子会社10社体制で国内展開、福岡県那珂川市と山口県下関市で温浴施設を運営。

事業内容

トラストホールディングスは、駐車場の運営・管理を中核に、不動産開発や駐車場の小口化商品、医療向け不動産賃貸・コンサルティング、キャンピングカーの製造・販売など多角的に事業を展開する持株会社です。同社は遊休地を駐車場として有効活用したり、既存駐車場の運営改善を行うことで収益化を図っています。

主要な顧客は土地所有者や駐車場利用者に加え、駐車場小口化商品の購入者である個人投資家、医療機関、キャンピングカーの購入者など多様です。収益は駐車料金や管理収入、不動産の売買・賃貸収入、小口化商品の販売、RVの販売など複数の柱で構成されており、利用料・賃料の安定収入と商品販売の収入を組み合わせて収益を確保しています。

事業セグメントは駐車場事業、不動産事業、駐車場等小口化事業、メディカルサービス事業、RV事業のほか、温浴施設の運営や警備業務、高濃度水素水の製造・販売などのその他事業に分かれています。各セグメントでは、駐車場事業での土地活用と収益改善、不動産事業でのファミリーマンションの企画・分譲、小口化事業での「トラストパートナーズ」販売、メディカルでの賃貸・コンサル、RVでの製造・カスタマイズ・販売をそれぞれ推進しています。

経営方針

同社は中長期的に収益力の向上と持続的成長を目指しており、売上高経常利益率10%の達成を明確な数値目標に設定しています。成長の中心は主力の駐車場事業、不動産事業、駐車場等小口化事業で、売上高を計る指標として「駐車場車室数」「預かり資産」「新築マンション引渡戸数」を重視し、これらの指標の達成に向けて進捗管理を行っています。優良物件の確保や不動産特定共同事業の活用により、解約リスクを抑えつつ安定収益を確保する運営を目指しています。

重点投資分野では、まず駐車場の開発・運営強化に資源を集中し、地代高騰下でも利便性向上や料金最適化で各駐車場の潜在力を引き出す施策を進めています。不動産ではエリア需給を踏まえたマンション開発と販売代理会社との連携による早期完売を目指し、小口化事業「トラストパートナーズ」は収益力の高い用地仕入れと商品組成件数の拡大で差別化を図っています。RV事業は製造から販売・カスタマイズまでをワンストップで提供する点が強みで、これを活かして収益改善を進めています。

新市場開拓や事業拡大については、慢性的な駐車場不足の解消を社会的使命と捉え新規駐車場開発を最重要課題と位置づけています。駐車場用地の仕入れを継続しつつ小口化対象不動産の幅を広げることで個人投資家向けの資産商品を増やし、メディカルサービス事業では外部パートナーと連携して医療機関の事業運営最適化を支援するサービスを拡充していきます。さらに温浴施設や警備などのその他事業とのシナジーを高めることでグループ全体の安定収益化を図っています。

技術革新には、収益率改善と顧客利便性向上を目的に積極的に取り組んでいます。駐車場では自動精算機や予約・決済アプリ、車室センサーとデータ分析による稼働率向上や価格最適化を進め、機器仕入れの合理化でコスト削減を図っています。RV事業では設計や製造工程のデジタル化による生産性向上を進め、メディカル領域では業務支援ツールやデータに基づくコンサルティングで付加価値を高める方針です。同社はこれらの技術導入と並行して人材育成とコンプライアンス強化にも注力し、事業拡大を支える体制整備を進めています。