TENTIALJP:325A

時価総額
¥307.3億
PER
14.9倍
コンディショニングブランド事業の有力企業。ナイトウェア「BAKUNE RECOVERY WEAR」シリーズを展開。2024年8月に第二種医療機器製造販売業許可を取得。自社EC中心で2019年創業、直営店17店舗(2025年8月末)で展開。

事業内容

TENTIALは日常のコンディショニングを実装することを目指すブランドで、着用時の睡眠の質向上を狙ったナイトウェア「BAKUNE」シリーズを主力に、普段の生活で取り入れやすい健康関連商品を企画・販売しています。同社は特殊繊維を用いたリカバリーウェアを中心に、心身のコンディションを整えて日々のパフォーマンスを高めることを目指しています。

主要顧客は健康志向の一般消費者と競技者を含むアスリートで、トップ選手への製品提供や睡眠に関するサポートも行っています。同社は自社ECサイトや大手ECモール、直営店、卸売を組み合わせて販売しており、2025年8月期は自社チャネル経由の売上が約90%を占めるなど高い自社比率が高収益を支えています。

同社の事業はコンディショニングブランド事業の単一セグメントに集約され、主な製品ラインはBAKUNEリカバリーウェア、日常着のMIGARU、インソール、リカバリーサンダル、機能性掛け布団などです。同社は大学や医療機関と連携して効果検証を進め、医療機器としての届出や製造販売体制を整えつつ、企画・開発・マーケティング・顧客対応を内製化して得たデータを商品改良や販売戦略に生かしています。

経営方針

同社は成長戦略として、拡大するリカバリー市場でのシェア獲得を目指しています。国内のリカバリー市場は2023年に約9,000億円と推定され、同社の属する衣服カテゴリは2019年の867億円から2023年に約1,438億円へと1.66倍に成長しており、こうした追い風を背景に売上高・営業利益・売上高営業利益率の向上を主要指標に据えています。累計顧客数は約63万人(2025年8月時点)に達しており、既存顧客由来の売上が自社EC売上の30%超を占めるなど、顧客基盤の拡大とリピート率向上を通じて持続的な成長を実現しようとしています。

同社は重点投資分野として商品開発体制の強化と商品ラインナップの拡充を掲げています。特殊繊維を用いたリカバリーウェアや睡眠改善を狙うナイトウェア「BAKUNE」など、効果の裏付けを重視した製品群で差別化を図っており、大学や医療機関との共同研究で得たエビデンスを商品改良や訴求に活用しています。顧客ロイヤリティ向上のためにポイントプログラム「TENTIAL Club」を運用し、企画・開発・マーケティング・顧客対応を内製化して蓄積したデータを商品改良や販売施策に結びつけることで、他社との差別化を進めています。

同社は新市場開拓と事業拡大を積極的に進めています。ナイトウェアや寝具、サンダルなど既存市場に「コンディショニング効果」を掛け合わせることで新たな需要を創出するとともに、直営店の出店や家電量販店などの小売チャネル拡大によりオフラインでの顧客接点を増やしていきます。また国内で培ったマーケティングや商品開発、データ分析のノウハウを基盤に海外展開も開始し、業務提携や投資による新規事業の取り込みを通じて事業領域を広げる計画です。ブランド認知向上のためテレビなどのマスプロモーションも強化しています。

同社は技術革新に対して、研究開発とデータ活用を両輪で進めることを重視しています。大学や医療機関との共同研究で睡眠や回復効果の検証を進め、将来的には医療機器の届出や製造販売体制の整備も視野に入れています。社内では商品開発の型化と高度化、開発人材の採用・育成を進めるとともに、顧客データの管理・活用を安全に行うために2022年6月に国際規格の情報セキュリティ認証(ISO27001)を取得するなど基盤整備にも取り組んでいます。こうした取り組みによって、技術的裏付けのある製品を継続的に市場投入する体制を構築しようとしています。