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ビースタイルホールディングスJP:302A
事業内容
ビースタイルホールディングスは、主に主婦層やフレキシブルワーカーを対象にした人材関連サービスを中核に事業を展開する純粋持株会社です。同社は人材派遣・紹介、求人メディアの運営、IT分野のDX支援などをグループ会社を通じて提供しています。
顧客は採用を行う大手から中小企業まで幅広く、求職者側は時短や在宅を希望する女性やハイスキル人材が中心です。収益構造は派遣・紹介が主力で約61.9%、求人メディアが約31.2%、DX事業が約6.9%(2025年3月期)となっており、メディアは採用決定時・掲載時・応募時の三つの課金モデルを採用しています。
事業は大きく四つのセグメントに分かれています。派遣・紹介事業では「スマートキャリア」「しゅふJOBスタッフィング」で求人の時短化やリモート化などを進め採用力を高めています。メディア事業は求人サイト「しゅふJOB」で地域・業界に特化した集客を行い、DX事業は業務自動化(BPA/RPA)やITエンジニアの派遣・業務委託を手掛け、その他は障がい者雇用の特例子会社がグループ業務を担っています。
経営方針
同社は売上と利益の拡大を成長戦略の最優先課題と位置づけており、売上総利益を2023年3月期の3,604,237千円から2025年3月期に4,910,888千円へ引き上げることを目標としています。営業利益率についても段階的に改善を図り、2023年3月期の2.0%から2025年3月期に2.9%を想定しています。成長の核は主婦層に強みを持つ求人メディア「しゅふJOB」と派遣・紹介事業で、2025年3月期の収益構成は派遣・紹介が約61.9%、求人メディアが約31.2%、DX事業が約6.9%と、既存事業の拡大で収益基盤を強化する方針です。
同社は差別化のために人員・ブランド・機能投資を重点化しています。派遣・紹介事業では営業やコーディネーターの増員と稼働決定力の向上を目的としたシステム刷新を進め、メディア事業では「しゅふJOB」の地域拡大やアプリ機能強化、テレビCMなどの認知投資で掲載社数や応募数を増やす施策を講じています。DX・ソリューション面ではエンジニアと提案力を強化し、1社あたりの取引金額を高めることで収益性を引き上げる計画であり、事業ごとの収益性の差(例えばDXは1社あたり取引金額が高い)を活かしたクロスセルにより競争優位を図っています。
同社は新市場開拓と事業拡大にも積極的です。地域展開では一都三県以外、特に関西をはじめとする地方市場への進出を強化し、業界では医療・福祉、卸売・小売、飲食・宿泊など女性の就業機会が多く、労働需要が逼迫している分野を重点ターゲットとしています。人材サービスの幅を広げるため「スマートキャリア」のリブランディングや男性も意識したプロモーションを行い、30~40代の労働参加率向上を狙うなど、派遣就業者数や取引社数の回復・拡大を目指す具体策を打ち出しています。
同社は技術革新を成長の重要なドライバーと捉えており、2025年4月からのシステム刷新やグループ共通基盤の整備で開発・保守コストを削減し、事業間でのデータ連携による営業効率化とクロスセルを促進します。応募数の増加を支えるアプリ開発や業務のデジタル化による工数削減、自動化ツールの導入でクライアントの労働需要そのものを低減する取り組みを行い、ROIを重視した広告投資やエンジニア育成で長期的な収益性向上を目指しています。指標管理として売上・売上総利益に加え、派遣就業者数、取引社数、掲載社数、1社あたり取引金額などを重視して進捗を評価する方針です。