大英産業JP:2974

時価総額
PER
新築マンション・新築一戸建ての有力企業。分譲マンション「サンパーク」「サンレリウス」や分譲住宅5シリーズ、管理・リフォーム等のサービスを展開。1986年事業開始でマンション供給戸数は10,800戸超、分譲住宅供給は創業以来5,200戸超。九州(沖縄除く)と山口県を中心に展開。

事業内容

大英産業は、九州・山口を中心に新築マンションと新築一戸建ての分譲を中核に、販売から管理・建築・アフターサービスまで一貫して手がける不動産事業を展開しています。 同社はマンションで「サンパーク」「サンレリウス」などのブランドを、戸建てでは複数のシリーズを持ち、地域に根ざした住まいを供給しています。 またマンション管理やリフォーム、土地売買、賃貸・水道供給といったストック型の事業も並行して行っています。

同社の顧客はマイホームを求める個人や投資家、自治体や事業者まで幅広く、地域密着の営業で集客しています。 収益は主に分譲マンション・分譲住宅の販売によるものですが、土地分譲や中古の買取再販、管理委託料や賃貸収入といった継続的な手数料収入も重要な柱になっています。

事業は大きく「マンション事業」「住宅事業」「その他」に分かれており、マンション事業内は分譲、管理、販売の三本柱で運営しています。 住宅事業は分譲住宅、土地分譲、不動産流通、街づくり、リフォーム、住宅販売、建築の七分野を持ち、販売拠点やアフターサービスを通じて顧客のニーズに応える商品設計と長期的な関係構築を図っています。

経営方針

同社は第55期からの3ヶ年(2023年9月期〜2025年9月期)を成長の集中期間と位置づけ、「地域愛着経営」を基軸に事業を拡大しています。重点戦略として、エリア別組織への移行で住まいと関連サービスをワンストップで提供する体制構築、既存顧客との関係深化による事業領域の拡大、そして組織風土や人材育成の強化を掲げており、主要な経営指標は売上高経常利益率と総資産利益率(ROA)を重視しています。建築資材や人件費の上昇で利益率が圧迫されているため、同社は事業回転日数の短縮や商品の付加価値向上を通じて採算改善を図ることを目指しています。

投資の重点分野は「ワンストップ化」と「商品力強化」です。具体的には、従来の事業別組織から重点エリアごとのワンストップ体制へ移行して、土地仕入れから販売・管理・アフターサービスまで一貫提供できる仕組みを整備します。また、建築原価高騰に対応するため付加価値の高い住宅商品の開発や販売手法の見直しを進め、地域産木材の活用や建築端材の再利用など環境配慮型商品の導入で差別化を図っています。組織面では評価制度や人材育成を改め、現場の業務改善とチャレンジを促す風土づくりを進めています。

新市場開拓と事業拡大では、九州・山口を軸としたエリア戦略を堅持しつつ、分譲事業以外のストック型事業や新規事業の育成に注力しています。既に不動産の強みを活かした宿泊事業を開始しており、分譲住宅や中古物件の買取再販といった事業回転の早い分野で売上の平準化を図る計画です。土地仕入れは件数を追うのではなくニーズの高い立地に絞る方針で、次期(2025年9月期)についてはマンション竣工予定が第1四半期0棟、第2四半期2棟、第3四半期3棟、第4四半期3棟の計8棟となっており、引渡し偏重の是正と収益安定化を進めています。

技術革新についてはデジタル化(DX)を共通戦略の一つに掲げ、土地情報や顧客情報の一元管理、オンラインでの顧客接点強化、メタバースを含む新しい体験提供の拡大など具体施策を推進しています。これにより事業回転の短縮や集客の効率化、商品設計の迅速化を図り、売上高経常利益率とROAの改善につなげる計画です。環境配慮型商品の開発や地域資源の活用と合わせ、デジタルと現場を連携させることで地域に根ざした競争力を高めることを目指しています。