令和アカウンティング・ホールディングスJP:296A

時価総額
¥279.3億
PER
25.1倍
経理コンサルティング・教育・人材派遣・会計システム開発の有力企業。上場企業向けの継続的コンサル(売上比率83.2%)や企業内研修40講座以上を展開。2025年4月にシステム開発子会社を設立。日本国内で展開。

事業内容

令和アカウンティング・ホールディングスは、経理業務に関する継続的なコンサルティングを中核に事業を展開する企業です。会計実務の代行にとどまらず、会計方針の策定から決算支援、経理業務の標準化・効率化まで一貫して支援するサービスを提供しています。

同社の主要顧客は上場企業や大手企業、REIT・SPC、医療機関など組織的対応や高い専門性が求められる法人です。売上は継続的なコンサルティング(Long)が約83%、単発の専門案件(Short)が約16%を占め、継続契約が収益の安定化に寄与しています。

同社の事業は大きく、継続的なコンサルティング(会計方針策定、仕訳・決算支援など)と単発の専門案件(デューデリジェンス、IPO支援、M&A支援等)、経理向けの教育・人材派遣紹介、そして会計ソフトの開発・販売に分かれています。教育事業では実務寄りのスクールや企業研修を運営し、育成した人材を派遣・紹介で企業に供給する流れを作っています。最近は2025年に設立した子会社で既存ツールのソフト化を進め、システム製品の展開にも注力しています。

経営方針

同社は継続的なコンサルティング収入を成長の中核に据え、安定的かつ持続的な売上拡大を目指しています。現状は継続契約(Long)が売上の約83%、単発の専門案件(Short)が約16%を占めており、2025年3月時点でのクライアントグループ数は173です。中長期的な目標指標として売上高の年率成長率と営業利益率を設定し、契約継続率や従業員数を月次でモニタリングしているほか、既存契約の定期的な見直しと値上げ交渉により収益性の向上を図っています。

同社は重点的に人的資源と高付加価値サービスへ投資しています。上場企業やREIT、医療機関など組織対応力と専門知識が必要な顧客に特化することで競合参入の難しさを活かし、クライアントごとに専任窓口を置く組織運営で差別化を図っています。平均年間報酬はクライアントグループで約25,800千円、上位100社では約43,100千円、上位10社では約214,200千円となっており、既存顧客でのサービス範囲拡大や上位顧客獲得で単価上昇を見込んでいます。人材面では新卒採用の拡大、リファラル・アルムナイ採用の強化、社内育成によるプロフェッショナル養成を進めています。

新市場開拓と事業拡大では、既存の強みを生かして国内外で顧客基盤を広げる計画です。国内では上場企業3,964社やグループ企業23,159社といった潜在顧客へのサービス展開余地を重視し、クライアント群の増加と平均報酬の引き上げで売上拡大を狙っています。海外では子会社HSK VIETNAM AUDIT(従業員約70名、うち会計士資格保有者が約2割)を通じて現地進出日系企業向けのサービスを提供し、国内案件との連携で商機を創出しています。教育事業で育成した人材を自社採用や派遣・紹介に回す循環を築くことで、人材不足という構造的課題を事業拡大の機会に変えようとしています。

技術革新では、ツールと人材の両面から生産性向上を図っています。2025年4月に設立した株式会社ミラクル経理で既存の実務ツールをソフトウェア化し、まず自社での活用により業務効率を高めたうえでクライアント向けに販売する方針です。開発投資に伴う減価償却は発生しますが、業務効率化で回収する計画であり、同時にAIや各種ソフトウェアを使いこなせる人材育成にも注力して、ツール進化と人材力強化の好循環を作る取り組みを進めています。