- 日本企業
- テクニスコ
テクニスコJP:2962
沿革
1970-02 | 東京都港区芝に、株式会社第一製砥所(現株式会社ディスコ)の研削切断加工技術を研究開発する目的で、株式会社精密切断研究所を個人出資により設立 |
1971-09 | 東京都品川区南品川に切断加工工場である品川工場を新設し株式会社テクニスコに商号変更 |
1972-09 | 株式会社ディスコ66.7%出資によりディスコグループに参加 |
1987-08 | 広島県呉市広多賀谷に広島工場を新設 |
1989-04 | 株式譲渡により株式会社ディスコ100%出資の子会社となる |
1993-08 | 品川工場を広島工場に移転し加工部門を増強 |
1999-10 | 品質マネジメントシステムISO9002を取得 |
2001-12 | 東京都品川区南品川に新社屋を竣工 |
2002-01 | 東京都品川区南品川の新社屋に本店を移転 |
2002-07 | 広島工場にて環境マネジメントシステムISO14001を取得 |
2005-09 | 中華人民共和国にTECNISCO (SuZhou) CO.,Ltd.を100%子会社として設立 |
2005-11 | 品質マネジメントシステムISO9001を取得 |
2008-01 | TECNISCO (SuZhou) CO.,Ltd.にて、品質マネジメントシステムISO9001を取得 |
2009-02 | TECNISCO (SuZhou) CO.,Ltd.にて、環境マネジメントシステムISO14001を取得 |
2014-10 | MBO(マネジメント・バイアウト)の実施により株式会社ディスコより独立 |
2015-03 | TECNISCO (SuZhou) CO.,Ltd.にて、自動車産業特化品質マネジメントシステムISO/TS16949を取得 |
2016-12 | 海外企業より、シルバーダイヤ(高い熱伝導を持つ銀とダイヤモンドの複合材料)製造に関する特許の使用許諾契約を締結 |
2017-08 | シンガポールにTECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.を100%子会社として設立 |
2018-04 | TECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.にて、シルバーダイヤの製造を開始 |
2018-08 | シルバーダイヤ製品のサンプル提供を開始 |
2019-05 | ドイツにTECNISCO EUROPE GmbHを100%子会社として設立 |
2022-04 | TECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.にて、品質マネジメントシステムISO9001を取得 |
2023-07 | TECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.にて、環境マネジメントシステムISO14001を取得 |
事業内容
テクニスコは、精密加工部品事業を単一の事業セグメントとして展開しています。同社グループは、テクニスコ及びその連結子会社2社、非連結子会社1社から構成され、ヒートシンク製品、ガラス製品、その他の精密加工部品の製造販売を行っています。
ヒートシンク製品においては、電子部品の熱を吸収し放熱することで性能低下や故障を防ぐ高機能ヒートシンクを提供しており、半導体レーザー、パワー半導体、MPU向けなどの製品があります。ガラス製品では、光透過性や電気的絶縁性などの特性を持つ電子部品用ガラスに微細な形状加工や金属回路形成加工を施し、各種センサーやモバイル機器、バイオ・医療向けの精密ガラス製品を提供しています。その他のセグメントでは、金属材料やシリコン、セラミック材料の加工製品や、ガラスやセラミック加工用のダイヤモンドツールの提供も行っています。
同社グループは、産業機器、自動車、光・無線通信、ライフサイエンス、航空宇宙、環境エネルギー市場向けの製品を製造販売しており、広島工場を中心に、中国とシンガポールの子会社工場を含むグループ製造体制を構築しています。製品は基本的に顧客の要求仕様に基づく受注生産で、試作から量産までを手掛けています。
テクニスコの強みは、「クロスエッジ®Technology」と呼ばれる独自の加工技術にあります。これは、「切る」「削る」「磨く」「メタライズ」「接合」といった複数の加工技術を組み合わせることで、顧客のニーズに応える製品化を実現する技術力です。同社は、これらの技術を活用し、高機能ヒートシンクの開発に注力するとともに、高出力レーザー用途や次世代の通信デバイス用ヒートシンクなど、新たな事業展開の柱として自社開発製品の提供を進めています。
経営方針
テクニスコは、その企業理念「The TECNISCO WAY」に基づき、社会的使命として「高度なクロスエッジ®Technologyへの継続的なチャレンジによって人々の喜びの実現の一助となる」ことを掲げています。同社は、複数の先端加工技術を融合させた「クロスエッジ®Technology」を用いて、真の顧客ニーズと市場ニーズを捉えたモノづくりに取り組んでおり、特に高機能ヒートシンク及びガラスの領域での技術開発を進めています。
中期経営計画「VISION 2023」を策定し、企業としての基礎体力強化と安定的な収益構造の実現を目指しています。この計画では、売上高や利益などの定量的な要素だけでなく、定性的な要素も含めた目標を設定しており、事業や技術、会社文化など様々な要素の姿とステークホルダーとの関係性を重視しています。
経営戦略として、テクニスコは、自社素材及び自社製品の開発に注力し、受託加工を主体としたビジネスモデルから、何を作るか(WHAT)を主眼にしたビジネスモデルへの転換を進めています。これにより、産業機器市場、自動車市場、光・無線通信市場、ライフサイエンス市場、航空宇宙市場、環境エネルギー市場の6つの市場で製品の浸透を図っています。
技術開発面では、高性能ヒートシンク材料の開発、複合加工技術の開発、高信頼性ガラス製品の開発などに取り組んでおり、これらの技術開発を通じて、新たな市場への展開を目指しています。また、企業体質の強化として、リスクマネジメントシステムの推進、働き方改革、健康経営の推進、人材の育成開発などにも注力しています。
テクニスコは、これらの成長戦略を推進することで、顧客から「次も」期待される存在となることを目指し、持続可能な成長を目指しています。