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マルタイJP:2919
事業内容
マルタイは即席の棒ラーメン、皿うどん、カップめんなどの即席麺を中心に製造・販売しています。棒ラーメンや皿うどんは福岡、佐賀、北波多の3工場で自社生産し、カップめんや袋めんは外部の製造委託先と連携して生産しています。
同社の販売は福岡、広島、大阪、名古屋、東京の5営業所と国内・海外の事業部が特約店(一次問屋)を通じて量販店やコンビニに供給する流れが中心です。売上構成はカップめんが約34%、棒ラーメンが約35%、皿うどんが約26%と上位3品目で約95%を占めています。
事業は製品別に棒ラーメン、皿うどん、カップめん、袋めん、その他に分かれており、主力ブランドにマルタイラーメン、屋台九州味、長崎皿うどん、長崎ちゃんぽんなどがあります。地域のご当地シリーズを展開しているため、味の差別化や地域密着型の販売で収益を支えています。
経営方針
同社は中長期的に「収益改善」を最優先課題と位置づけ、佐賀工場(2022年3月竣工)の減価償却費に対応するため営業利益および売上高営業利益率をKPIとする経営管理を強化しています。棒ラーメン、皿うどん、カップめんが売上の約95%を占め(棒ラーメン約35%、カップめん約34%、皿うどん約26%)、これら主力品のブランド価値拡大を通じて安定した財務基盤の確立を目指しています。具体的な数値目標は開示されていませんが、収益性改善を明確な最優先事項として掲げ、利益率の改善を段階的に達成する計画です。
同社は生産・品質面への重点投資を通じた差別化を進めています。品質管理と安全性確保のため、福岡工場・佐賀工場で国際的な食品安全認証(FSSC22000)を適切に運用し、製品の厳格な品質管理を行っています。また生産効率化とコスト削減のため、棒ラーメンの製造を現在の2工場体制から佐賀工場へ一本化する工事を進め、運搬費や諸経費の圧縮を図ることで価格競争力と利幅の確保を目指しています。主力品は自社生産を維持しつつ、カップめんや袋めんは外部委託で柔軟に対応する体制を取っています。
同社は販売面では新製品開発と販路拡大を軸に新市場を開拓しています。研究開発により新たな需要を掘り起こすとともに、海外向け販売や業務用(飲食店・給食等)の拡大に注力しています。国内では販売シェアが低い関東地区での認知度向上を狙い、五つの営業所と特約店ネットワークを活用して量販店やコンビニ向けの供給を強化する計画です。地域ごとの味の差別化に基づく「ご当地シリーズ」を武器に、地域密着の販売で市場シェアを広げようとしています。
同社は技術革新を通じて生産性向上と持続可能性の両立を図っています。省エネや環境配慮型の包装材導入、賞味期限延長や原材料ロス削減によるフードロス低減といった取り組みを推進しており、工場運用の効率化や設備更新で生産ラインの自動化・省力化を進めることも想定しています。これらにより品質・安全性を担保しつつコストを下げ、安定した供給と収益性の改善を同時に実現することを目指しています。