ラクサス・テクノロジーズJP:288A

時価総額
¥33.9億
PER
8.3倍
ブランドバッグのサブスクリプション型シェアリングサービスの有力企業。定額制シングルプラン(税別月額9,800円)とダブルプラン(13,600円)を展開。2015年2月開始、2023年12月に料金改定、2025年3月時点で契約数19,457名の実績。日本国内中心で展開。

事業内容

ラクサス・テクノロジーズは、日本の一般消費者向けにブランドバッグのサブスクリプション型貸出サービス「ラクサス」を運営しています。同社はリユース市場で調達した良質なブランドバッグを自社でメンテナンスして長く良好な状態で貸し出すことで、定額で気軽にブランドを楽しめる機会と資源の循環を目指しています。

主要な顧客は20代から50代で、特に30代・40代の働く女性が中心となっています。同社の収益は会員からの月額会費が主で、シングルプランは月額9,800円(税別)、ダブルプランは月額13,600円(税別)で、契約数は約19,457名、月平均顧客単価は8,859円(2025年3月時点)です。会員は長期利用が多く、12か月超の継続が約62%で、顧客獲得コストは約2.5か月で回収しています。

同社は事業セグメントをラクサス事業の単一に絞り、貸出のほかレンタル中のバッグを購入できる「買えちゃうラクサス」や、市場価値に応じた国内外のリユース販売などBtoB/Cの販売も組み合わせています。独自の仕入れデータと目利きによる調達、内製のメンテナンスや在庫管理、入会・不正対策によってバッグの価値を維持・最大化する運営を行っています。

経営方針

同社は、ブランドバッグの定額制貸出サービスを起点に「モノの価値が循環し、その生涯価値が最大化される世界」の実現を目指しています。具体的には月額制の会費収入を軸に、シングルプラン月額9,800円(税別)・ダブルプラン月額13,600円(税別)で提供し、契約数は約19,547件、月平均顧客単価は8,859円(2025年3月時点)という基盤を持っています。顧客の継続率は高く12か月超の利用が約62%で、LTV/CACは安定して4.0以上、顧客獲得コストは約2.5か月で回収できるなど収益性も確認されており、現行モデルや保有資産をレバレッジして成長させる戦略を取っています。

重点投資分野は、優良な商品仕入れと自社での品質維持、そして顧客基盤の拡大です。同社は国内最大規模のブランドバッグ資産を保有し、リユース市場で調達した良質品を自社でメンテナンス・保管して長期的価値を保つことで差別化を図っています。また、前払い型の「ラクサスキャッシュ」を導入して会員継続を高める施策や、入会審査や不正検知の仕組みを内製で強化することで、サービス品質と安全性を確保しています。

新市場開拓や事業拡大では、レンタルに加え販売や他社向け提供を進めています。レンタル中の商品を購入できる「買えちゃうラクサス」やBtoB/Cの販売を強化し、2025年3月期の販売額は前年同期比で約2.7倍と大きく伸長しました。販売チャネルはユーズドセレクトショップへの委託販売や東京拠点での店舗機能、消費者からの買取を検討するなど拡大を図りつつ、ShaaS(シェアリング機能を他社にOEM提供)で提携先を増やし、ブランドバッグ領域を超えたマーケットプレイス構築も視野に入れています。背景にはラグジュアリー市場やシェアリング市場の成長期待(例:国内ラグジュアリーバッグ市場のCAGR約4.6%等)があります。

技術革新については、アプリやオペレーションを内製化している強みを活かし、在庫連携システムの導入や機械学習を使った在庫・販売最適化に投資しています。これにより資産の最適な組み替えや販売タイミングの精度向上を図り、フルフィルメント機能の内製化を活かして外部からのリペア受託や保管スペース貸出といった新たな収益源も創出しようとしています。同社は必要な人材採用や継続的なシステム開発を通じて、事業拡大と技術基盤の両面で持続的成長を目指しています。