黒田グループJP:287A

時価総額
¥394.1億
PER
9.4倍
製造・商社事業を手掛け、製造事業会社14社・商社事業会社15社を含む連結子会社30社を擁する有力企業。車載向け樹脂成形品、アルミダイカスト、液晶用配向膜印刷版、電子部品の供給体制を展開。2025年2月に中国現地法人を設立。日本、タイ、中国、ベトナムを中心にアジア、北米、欧州でも展開。

事業内容

黒田グループ株式会社は、製造と商社機能を中核に据えた持株型の事業グループで、グループ経営の企画・支援・管理を行っています。同社は、液晶用配向膜印刷版や自動化装置、ハードディスク向け部品、車載用樹脂成形品やアルミダイカスト品など、専門性の高いニッチ製品の開発・生産を手掛けています。

主要顧客は車載関連メーカー、ハードディスクや家電向けの部品メーカー、電力会社や電材業者などで、受託生産と部品販売が収益の中心です。同社は製造セグメントの製品販売と商社セグメントの調達・販売の両面で売上を上げ、アジアを軸に北米や欧州など海外拠点を通じて収益基盤を広げています。

事業は大きく製造、商社、管理の三つのセグメントに分かれています。製造では各子会社が絞り込まれた分野で組立・加工や専用装置の製造を行い、商社では電気材料・電子部品・半導体・機器類をグループネットワークで国内外の顧客へ供給し、管理部門はグループ全体の統括・コンサルティングを担っています。

経営方針

黒田グループは、2026年3月期~2028年3月期の3ヵ年経営計画のもとで「製造1:商社2」の売上構成を基本方針に据え、常に10年先の事業継続を見据えた成長を目指しています。営業利益と営業利益率を主要な業績指標と位置づけるとともに、自己資本比率や自己資本利益率(ROE)、投下資本利益率(ROIC)といった財務指標で資本効率と健全性を維持することを目標にしています。安定した財務基盤を確保しつつ、取引先とともに持続的に企業価値を高めることを重視しています。

重点投資分野としては、ニッチ分野に強みを持つ製造事業の強化と、商社機能による顧客基盤の活用が挙げられます。同社は液晶用配向膜印刷版や自動化装置、ハードディスク向け部品、車載用樹脂成形品やアルミダイカスト品などの専門製品に対して、グループ共通の生産システムや品質管理体制を導入し、生産力と品質の底上げを図ることで競合との差別化を図っています。また、ポートフォリオマネジメントにより収益性・成長性・資本効率を勘案して経営資源を配分することで、より高い付加価値を提供することを目指しています。

新市場開拓や事業拡大では、既存の取引先基盤を活かし製造事業の新規組み入れを次の成長柱と位置づけています。同社はアジアを軸に北米・欧州にも拠点を広げ、特に車載関連の主要顧客へグローバルで均質なサービスを提供しつつ、各国・地域での現地化を徹底して迅速な判断・対応を行うことで市場の細分化ニーズに応え、運転資本の効率化と安定収益の確保を目指しています。現地権限を強化して機動的に資源配分する仕組みを整備することも具体的施策です。

技術革新への取り組みは、デジタル化と情報セキュリティの強化を両輪で進めています。同社は自動車工業会のセキュリティガイドライン(レベル3)に準拠した体制構築やISO27001の取得部門拡大を進め、安心を基盤に業務の自動化やデータの可視化で業務効率化を図ります。加えて、商社部門では開発技術部門を設置して顧客開発を支援し、製造部門では統一生産システムと技術獲得により持続可能な競争力を高めることで、新商品開発や付加価値創出につなげることを目指しています。