アスクルJP:2678

時価総額
¥2009.8億
PER
21.2倍
eコマース事業を中心に、オフィス用品、食料品、医薬品等の販売、物流サービス、水の製造販売を展開。

沿革

1963-11事務用品、事務用器具の製造を目的としてプラス株式会社の100%出資によりプラス工業株式会社を設立。本社は東京都千代田区に設置。併せて、埼玉県北葛飾郡に岩野木工場を設置。
1986-10埼玉県入間市の埼玉シルバー精工株式会社をプラス工業株式会社に商号変更後、同社に営業譲渡し休眠会社となる。
1993-03アスクル事業開始(プラス株式会社アスクル事業部において事業開始)。リンクス株式会社に商号変更。併せて、営業目的を不動産の売買、賃貸借および管理に変更する。
1997-02オフィス関連用品の翌日配送サービスを目的として商号をアスクル株式会社に変更。
1997-03インターネットによる受注を開始。
1997-05プラス株式会社よりアスクル事業の営業を譲受け、東京都文京区に本社を設置し営業を開始。埼玉県入間郡に所沢物流センターを開設。
1998-03インターネットによる受注分のみ当日配送(東京23区内限定)を開始。
1999-07東日本(除く北海道)における配送サービス体制強化のため、東京都江東区に東京センターを設置し、所沢物流センターを移転。
2000-09九州における配送サービス体制強化のため、福岡県糟屋郡に福岡センターを開設。
2000-11JASDAQ市場に上場。
2001-01「e-tailing center」を東京センター内に開設。本社事務所を東京都文京区から東京都江東区「e-tailing center」へ移転。
2001-04関東地区の物流の強化を行うため、神奈川県川崎市に横浜センターを開設。
2002-04輸入品業務や庫内業務の合理化を目指すアスクルDCMセンター(東京都江東区)を開設。
2002-11ASKUL e-Pro Service株式会社を設立。(現 連結子会社 2009年1月にソロエル株式会社に商号変更)
2003-09法人向けインターネット一括購買システム 新「アスクルアリーナ(現 ソロエルアリーナ)」サービス開始。
2003-12仕入先企業との間でリアルタイムにマーケティング情報を共有する「SYNCHROMART(シンクロマート)」システムに「需給調整業務支援システム」機能を追加。
2004-01医療・介護施設向け用品カタログ「アスクル メディカル&ケア カタログ」を発刊。
2004-03本社(e-tailing center)ならびに全国5ヶ所の物流センターを含めた主要事業所において環境ISO 14001の認証を取得。
2004-04東京証券取引所市場第一部へ上場。
2004-09東海・北陸地域の物流拠点となる名古屋センターを愛知県東海市に開設。
2005-04主要事業所を対象に、情報セキュリティマネジメントシステムの国際的規格である「BS7799-2:2002」および国内規格である「ISMS認証基準(Ver.2.0)」の認証を取得。
2005-05当社エージェント(販売店)であるビジネスマート株式会社の発行済全株式を取得。(現 連結子会社)
2005-11医療施設向けの医療材料専門カタログ「ASKUL for Medical Professionals」を発刊。
2006-09物流センター「大阪DMC」を大阪府大阪市に開設し、旧大阪センターから移転。
2006-12中国上海市に現地法人愛速客楽(上海)貿易有限公司を設立。(2014年1月に清算手続きが完了し、消滅)
2007-08物流センター「仙台DMC」を宮城県仙台市に開設し、旧仙台センターから移転。
2009-03プラス株式会社が、当社の自己株式公開買付において、保有株式の一部を売却した結果、親会社からその他の関係会社に異動。
2009-04当社の配送および物流業務の一部を担うBizex株式会社の発行済全株式を取得。(現 連結子会社 2016年5月にASKUL LOGIST株式会社に商号変更)
2009-11個人向けネット通販事業の強化を目的に、アスマル株式会社を設立。(2013年2月21日付で当社を存続会社とする吸収合併により、消滅)
2010-02個人向けネット通販事業「ぽちっとアスクル」を、簡易吸収分割により、アスマル株式会社に承継。
2010-11取扱商材拡大を目的として、株式会社アルファパーチェスの株式を取得。(現 連結子会社)
2011-03東日本大震災により本社事務所「e-tailing center」、物流センター「仙台DMC」が被災。
2011-09本社事務所を東京都江東区「live market center」へ移転。
2012-05BtoCオンライン通信販売事業の垂直立ち上げを目的に、ヤフー株式会社(現 LINEヤフー株式会社)と業務資本提携契約を締結し、ヤフー株式会社に対する第三者割当増資を実施。(現 その他の関係会社)
2012-11一般消費者向け通信販売サイト「LOHACO(ロハコ)」サービス開始。
2013-07物流センター「ASKUL Logi PARK 首都圏」を埼玉県入間郡に開設。(2017年2月16日に発生した火災事故を受けて「持たざる経営」への回帰を決め、2017年11月20日に売却し、2020年2月より「ASKUL 三芳センター」として賃借開始)
2014-07プラス株式会社が、保有する当社株式の一部を売却した結果、その他の関係会社から異動。
2014-08酒類の通販事業を営む昌利株式会社の発行済全株式を取得し、同月中に当社を存続会社とする吸収合併を実施。
2015-08水の製造販売事業を営む嬬恋銘水株式会社の発行済全株式を取得。(現 連結子会社)
2015-09配送サービスの差別化等を目的として、株式会社エコ配の株式を取得。(2020年7月に株式を一部譲渡し、連結の範囲から除外)
2015-10製造工場・建設現場向け間接資材カタログ「現場のアスクル」を発刊。
2015-12物流センター「ASKUL Logi PARK 福岡」を福岡県福岡市に開設し、旧福岡センターから移転。
2016-05物流センター「ASKUL Logi PARK 横浜」を神奈川県横浜市に開設し、旧横浜センターから移転。
2017-04物流センター「ASKUL Value Center 日高」を埼玉県日高市に開設。
2017-07ペット用品eコマース大手の株式会社チャームの発行済全株式を取得。(現 連結子会社)
2017-09物流センター「ASKUL Value Center 関西」を大阪府吹田市に開設。
2020-02物流センター「ASKUL 三芳センター」を埼玉県入間郡に開設。
2021-09物流センター「ASKUL東京DC」を東京都江戸川区に開設。
2022-04東京証券取引所の市場区分見直しにより、東京証券取引所の市場第一部からプライム市場へ移行。
2022-12連結子会社である株式会社アルファパーチェスが、東京証券取引所スタンダード市場へ上場。
2023-02歯科業界向け通販サービス「FEED デンタル」を運営するフィード株式会社および他子会社を傘下におさめる、株式会社AP67の85%の株式を取得。(現 連結子会社)
2024-06物流センター「ASKUL関東DC」を埼玉県上尾市に開設。

事業内容

アスクルは、自社および連結子会社13社で構成されるグループ企業であり、eコマース事業を中心に展開しています。同社の事業は大きく分けて、eコマース事業、ロジスティクス事業、その他の事業に区分されます。

eコマース事業では、オフィス用品や生活用品、食料品、酒類、医薬品、化粧品、MRO商材(工場や建設現場で使用される消耗品や補修用品などの間接材)、ペット用品などの販売を行っています。この事業は、BtoBとBtoCに分かれており、BtoBではインターネットやFAXを通じたオフィス現場用品の翌日配送サービスを提供しています。このサービスは、アスクルシステムと呼ばれる販売システムにより支えられており、エージェントを通じた独自のビジネスモデルを採用しています。BtoC事業では、一般消費者向けに「LOHACO」という通信販売サイトを運営し、幅広い商品を提供しています。

ロジスティクス事業では、ASKUL LOGIST株式会社を通じて、eコマース事業で培った物流ノウハウを活かし、メーカー等の通販商品の保管や物流、配送サービスを提供しています。

その他の事業としては、嬬恋銘水株式会社による水の製造販売などがあります。

アスクルグループは、これらの事業を通じて、機能主義と社会最適を実現するバリューチェーンの構築を目指しています。また、商品のサプライヤーや運送会社、情報システムの開発・運用会社など多くの協力会社との間で役割を分担・補完し合い、戦略的なコラボレーションを進めています。これにより、時間やコストの無駄を排除し、顧客満足度の向上を図っています。

経営方針

アスクルは、中期経営計画において「サステナブル経営」、「お客様価値最大化」、「高収益モデルへの転換」の三つの基本方針を掲げています。同社は、環境保全や社会課題の解決を目指した「エシカルeコマース」の実践を通じて、事業と環境課題の解決を一体化することを目指しています。また、多様な顧客基盤やビッグデータ、全国にわたる高度に自動化された物流基盤、長年にわたるオリジナル商品開発力を活かし、オフィス通販からすべての仕事場と生活を支えるインフラ企業へのトランスフォーメーションを図っています。

中期経営計画の最終年度である2025年5月期には、連結売上高5,500億円、連結営業利益率5%、連結株主資本利益率(ROE)20%の実現を目指しています。2023年5月期は、新型コロナウイルス感染症対策商品の特需減少やオフィス用品需要の低下にもかかわらず、生活用品・MRO商材の売上拡大や物流効率化、LOHACOの収益構造改善により増収を達成しました。

次期(2024年5月期)には、BtoB事業の成長エンジンとして新アスクルWEBサイトの効果を活かし、戦略業種向け商品の拡大やロングテール商品の商材拡大、インターネット広告の強化を進めます。BtoC事業では、BtoB事業との融合を進め、収益体質の強化を図ります。これらの施策により、2024年5月期には売上高4,820億円、売上高営業利益率3.4%、ROE15.3%を目指しています。

アスクルは、戦略業種と品揃えの拡大、BtoB最強eコマースサイトの構築、BtoBビジネスの新サービス開発、LOHACOの再成長に向けた施策など、複数の重点領域に注力しています。これらの取り組みを通じて、同社は持続可能な成長と高収益モデルへの転換を目指しています。