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SchooJP:264A
事業内容
Schooは「世の中から卒業をなくす」を掲げ、大人向けの学びを中心に事業を展開しています。同社は法人向けオンライン研修サービス「Schoo for Business」を主力とし、個人向けの学習サービス「Schoo for Personal」や高等教育機関向けの学習管理プラットフォーム「Schoo Swing」も運営しています。主力の法人向けサービスが全社売上高の90%超を占めています。
主要な顧客は企業の人事・研修担当で、法人向けの契約型収益が収入の中心です。利用はID単位の月額課金が基本で、導入時の初期費用やボリュームディスカウントを設定し、累計導入企業は約4,000社になります。個人向けは無料会員と月額制の有料会員があり、サービス全体の有効会員は約120万人に達しています。
同社は事業を「大人の学び」の単一セグメントで運営しており、コンテンツ制作と配信体制が競争力の源泉です。8,500本超の動画資産と毎日約60分の生放送、月50本以上の新規制作で学習コンテンツを供給し、ビジネス基礎力やデジタルリテラシー、デザイン力、AI時代の人間力、リベラルアーツの5領域で講座を揃えています。法人向けは研修テンプレートや受講履歴の可視化で育成を支援し、高等教育向けプラットフォームは大学などへの導入を進めています。
経営方針
同社は「世の中から卒業をなくす」というミッションの下、法人向けオンライン研修「Schoo for Business」を中核に、サブスクリプション型の継続収益を積み上げることを成長戦略の軸としています。現在、同社の売上高の90%超が法人向けサービスに依存しており、MRR(毎月の定期収益)、契約社数、1社当たり売上(ARPA)および解約を考慮した純収益率を重要指標に設定して増収・安定化を図っています。直近では創業来初の黒字化を達成しましたが、さらなる市場獲得のために広告投資や人材採用を継続しており、同社は社会人教育市場で「第一想起」を獲得しリーディングカンパニーの地位確立を目指しています。
同社の差別化は圧倒的なコンテンツ供給力と「オンライン×みんなで」を軸にした学習体験にあります。約8,500本の蓄積コンテンツに加え、毎日約60分の生放送を行い、月50本以上の新規制作でコンテンツを供給している点が強みです。大企業・中堅企業向けには、クラウド型サービスを提供するだけでなく、導入時の初期支援や運用サポートなどのオプションサービスを組み合わせることで顧客課題に寄り添い、他社との差別化を図っています。また、導入後の利用継続と追加導入を促すカスタマーサクセスを強化し、初回は一部導入から始めて全社展開へのアップセルでARPA向上を狙う具体策を取っています。
新市場や事業拡大に関しては、既存のオンライン学習サービスと関連する新サービスの製品化に注力し、大学向け学習管理プラットフォーム「Schoo Swing」など高等教育分野への展開も進めています。累計導入企業は約4,000社、有効会員は約120万人といった既存顧客基盤を活かし、企業の人事・研修ニーズや社会人のリスキリング需要が高まるなかで法人顧客の獲得を加速させる方針です。大企業を従業員2,000名以上、中堅企業を600名以上2,000名未満と定義してターゲットを明確化し、Web広告や組織的な営業力強化で新規契約を拡大していきます。
技術面ではSaaS型のプラットフォーム運営を基盤に、情報管理とセキュリティの強化を優先課題としています。学習データを活用した利用状況の可視化やパーソナライズ、学習効果測定の仕組みを整備することで顧客の定着率を高め、AIや自動化を活用してコンテンツ制作の効率化や個別推薦の精度向上を図る取り組みを進めています。これらの技術投資により、解約率の低下とARPAの向上を実現し、持続的な収益成長と財務健全性の確保を目指しています。