ケイ・ウノJP:259A

時価総額
PER
ジュエリー・時計の製造販売の有力企業。オーダーメイドやキャラクタージュエリー、年間約4万種のデザイン生産を展開。1981年創業、2016年にダイヤモンドカットで特許取得、2022年1月にタイ工場開設。日本全国で展開。

事業内容

ケイ・ウノはジュエリーと時計の製造・販売を主力とする企業で、特にオーダーメイドを軸にした商品提案を行っています。デザイナーが目の前で一から描くフルオーダーから、既成デザインへの石留めや彫金といった部分的なカスタム、すぐに使える既製品まで幅広く提供しています。

同社の主要な顧客は、婚約指輪・結婚指輪を求めるブライダル層やキャラクター商品を好むファン層、さらに自社の製造力を活かして製品委託する法人です。事業は「製造小売事業」の単一セグメントで売上を立て、オーダーメイドを入口に顧客との関係を深めてライフタイムバリューの向上を図っています。

事業の中身は、オーダーメイドジュエリーやオーダーメイド時計のほか、キャラクタージュエリーを展開するU-TREASUREや、ディズニーと連携した「Disney Treasure created by K.UNO」などのブランドラインを含みます。自社でデザインから製造・販売まで一貫体制を敷き(約60名のデザイナーと150名の職人を擁し)、ダイヤモンドのカット技術で特許を取得するなど技術力を強みに、リフォームやアフターサービスまで含めた付加価値提供で差別化を図っています。

経営方針

同社は「オーダーメイドプラットフォームの進化」を成長の軸に据え、国内ブライダル事業の強化、リピート施策によるファン拡大、そしてグローバル販売の拡大という三本柱を掛け合わせて中長期成長を目指しています。国内外の市場環境は回復基調にあり、宝飾品市場は2022年に約1兆227億円、ブライダルジュエリーは同年で約1,793億円と回復しているため、同社は売上高、営業利益、営業利益率に加え来店組数や成約率の改善を主要な経営指標として重視しています。

重点投資分野は人材とブランド、商品開発に集中しており、同社はアドバイザー(販売員)・デザイナー・職人の三位一体の強みを磨くことで差別化を図っています。具体的には約60名のデザイナーと約150名の職人を擁し、ダイヤモンドのカット技術で特許を有する技術力や、U-TREASUREやディズニー連携などのライセンス商品を強化することで、フルオーダーから部分的なアレンジオーダー、既製品まで幅広い顧客ニーズに応えています。永久無料のアフターメンテナンスや顧客参加型の商品開発といった施策も、顧客の囲い込みと付加価値提供の具体策です。

新市場の開拓では、既に2019年に台湾で合弁会社を設立し、中国本土・香港・台湾・シンガポールを中心に展開している実績を基に、さらに販売国を拡大する計画を進めています。生産面では2022年1月にタイに自社工場を開設してキャラクター製品の量産体制を整え、国内の「メイドインジャパン」と海外生産拠点の両輪で品質と生産能力を高めることで、海外チャネルを新たな収益源に育てることを目指しています。また国内では「オーダーメイドは難しい・時間がかかる」と考える層に向けたアレンジオーダーでシェアを取りに行く戦略です。

技術革新については、同社はシステム連携と人工知能の活用によって「コストがかかる」「時間がかかる」「煩雑である」というオーダーメイドのハードルを低減することを掲げています。価格の透明化、納期の確実化、品質保証をシステム面で支え、店頭ではデザイナー常駐や工房併設でアフターサービスを充実させる二重の体制を構築しています。これらによりオーダーメイドをより身近にし、リピート率や顧客生涯価値の向上を図ることを同社は目指しています。