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シマダヤJP:250A
事業内容
シマダヤは、麺類の製造・販売を主力とする食品会社です。同社は家庭向けのチルド麺や冷凍麺、外食・中食向けの業務用冷凍麺など、麺を中核とした製品を企画・製造・販売しています。
得意先は食品スーパーなどの量販店が中心で、業務用では卸売業者や大手外食チェーンが主要顧客です。販売は家庭用と業務用で明確に分かれ、同社が原材料の購買窓口を担い、連結子会社が各地の工場で生産し、一部はOEM仕入れも活用して収益を上げています。
事業は家庭用事業と業務用事業に大別され、家庭用は「流水麺」「健美麺」などのチルド麺やロングライフ麺、冷凍麺を取り揃え、業務用は多様なメニューに対応する冷凍麺を中心に展開しています。品質面では食品安全の国際規格(FSSC22000)を取得した工場で生産し、広告や訪問営業で販路を強化しており、家庭用チルド麺と業務用冷凍麺の市場で上位の販売シェアを確保しています。
経営方針
同社は2025年3月期からの新たな3ヵ年中期経営計画で「コア事業の『深化』と『利益成長』に挑戦し、収益構造を変革する」ことを基本方針に掲げ、2031年の創業100周年に向けて持続的成長を目指しています。経営の達成状況は売上高、営業利益、経常利益の増加で評価する方針で、麺市場の外形も踏まえ家庭用チルド市場は2024年に約2,335億円、家庭用冷凍は約2,002億円、業務用冷凍は約872億円と規模が大きく、特に冷凍市場の拡大を成長機会と位置づけています。
重点投資分野は家庭用の収益改善と冷凍麺の拡販で、同社はブランドと品質を軸に差別化を図っています。具体的には「流水麺」「健美麺」「ロングライフ(LL)麺」といった既存の強み商品を基幹ブランドとして仕様見直しや原価低減を進めるほか、気候変動を踏まえた涼味商品の販路拡大や販売期間の延長、販売余地の大きい西日本地域へ経営資源を投入することでチルド部門の稼働率向上と収益改善を図っています。また、不採算商品の戦略的撤退も選択肢とし、商品ポートフォリオの収益性を高める施策を講じています。
新市場開拓では冷凍麺の需要増を受けて販売チャネルとターゲット国の開拓を進め、業務用では外食チェーンや卸先への提案型営業を一層強化して販路を広げます。これに伴い生産・物流面ではキャパシティの逼迫が課題であるため、生産体制の再構築や工場の業務改善、輸出拡大を見据えた生産能力の確保を急ぎます。省人化や設備投資による生産性向上、収益性の低い工場の改善など具体的な投資で安定供給体制を整備する計画です。
技術革新への取り組みとしては、全社のアイデアを結集して開発スピードを上げることを明確に打ち出しています。新規技術でのヒット商品創出や健康寿命延伸を狙った機能性商品の開発、プラスチック使用量削減や国産原料の使用拡大といった環境・社会配慮の技術導入を進めます。さらにDX推進に必要な人材育成や賃金制度・研修の整備を通じてデジタル化と省力化を進め、品質管理はFSSC22000取得の基準に基づく体制強化で支える方針です。