Faber CompanyJP:220A

時価総額
¥30.4億
PER
13.2倍
デジタルマーケティング自動化ツールとコンサル提供の有力企業。『ミエルカSEO』『ミエルカヒートマップ』『ローカルミエルカ』等のSaaSを展開。国立大学との産学共同研究実施、連結子会社1社(ベトナム)保有。日本中心にベトナムにも展開。

事業内容

Faber Companyは、デジタルマーケティングの自動化ツールとそれを使いこなすための人材・教育・コンサルティングを一体で提供し、企業の目標達成や事業成長を支援しています。代表的な製品として、Web流入を最大化する「ミエルカSEO」や、サイト上の行動を可視化する「ミエルカヒートマップ」などの一連のツール群を展開しています。

同社の主要顧客は企業のマーケティング部門や自社サイトで集客を図る事業者、特に多店舗展開する小売・飲食業などで、顧客のニーズに応じてツール利用料やコンサルティング料、業務委託による人材提供で収益を得ています。事業報告は「ミエルカ事業」に一本化しており、ビジネスモデルが異なるサービスも同一の目的でまとめて運営しています。

同社のサービスラインは、検索流入を改善するミエルカSEO、UI/UXとコンバージョン改善を支援するミエルカヒートマップ、店舗情報の一元管理と検索順位向上を狙うローカルミエルカ、即戦力のマーケターを紹介するミエルカコネクト、そしてより高度な課題に対応するソリューションサービスで構成されています。各サービスは自動化機能と専門スタッフによる支援を組み合わせ、顧客の内製化や生産性向上を目指す設計になっています。

経営方針

同社は「辺境の知から“マーケティングゼロ”を実現する」というミッションのもと、デジタルマーケティング市場の成長を取り込みながら持続的な収益拡大を目指しています。市場は2024年に約3,442.5億円、2027年には約5,016億円まで拡大すると見込まれており(矢野経済研究所)、同社はこの追い風を背景に顧客一社あたりの月額粗利益を重要KPIとして管理しています。2024年9月末時点の有料顧客数は1,713社で、うち月額30万円以上の顧客は65社、30万円未満かつ3万円以上が781社、3万円未満が867社と分布しており、同社はこれら既存顧客の単価引き上げを成長の中核としています(同社は顧客の既存契約に追加提案を行うクロスセルで単価向上を図っています)。

同社は投資の重点を自動化ツール群と人材・教育・コンサルティングの一体提供に置き、ここに差別化の源泉を置いています。代表製品の「ミエルカSEO」「ミエルカヒートマップ」「ローカルミエルカ」「ミエルカコネクト」などは、自動化機能と専門スタッフによる支援を組み合わせることで、顧客の内製化と生産性向上を支援しています。加えて、セミナー運営や展示会での大量リード獲得、顧客成功事例の創出(公開事例149件など)を通じた情報発信力と、専門人材(同社内で「職人」と称する人材)のネットワークを活用することで、単なるツール提供者以上の価値を提供している点が競争優位です。

新市場開拓と事業拡大では、消費者が情報を探すプラットフォームの多様化に合わせたサービス拡充を進めています。プラットフォームの定期的な仕様変更に迅速対応する体制整備や、周辺領域への進出を目的とした戦略的な事業提携やM&Aの活用を明示しており、業種を問わない提案力で小売・飲食の多店舗展開企業などを中心に顧客基盤を拡大する計画です。また、IT人材の需給ギャップ(2030年に最大約79万人不足の試算)を踏まえ、人材提供サービスを強化することで人手不足を抱える顧客のニーズも取り込もうとしています。

技術革新には継続的に投資しており、自然言語処理や人工知能技術の研究を外部(筑波大学・吉田光男准教授の研究室との産学連携は2014年8月から継続)と連携して進めています。生成AIを活用した「ミエルカSEO」など実務適用も進める一方で、システムの安定稼働や情報セキュリティ整備にも注力しており、ISO/IEC27001:2022の認証取得を含めた体制強化や中長期の設備投資計画で運用の信頼性を高める方針です。