地域新聞社JP:2164

時価総額
¥20.3億
PER
フリーペーパー発行・折込チラシ配布など広告関連事業の大手。週刊地域情報紙『ちいき新聞』を約174万部(2025年8月31日現在)発行する戸別配布体制を展開。生成AIを活用した心理状態デジタルツイン技術の特許出願と実証実験開始。千葉県北西部・茨城県南西部中心で展開。

事業内容

地域新聞社は、千葉県・茨城県を中心に無料の地域情報紙「ちいき新聞」を週刊で発行するとともに、求人情報紙「Happiness」の発行や折込チラシ配布、広告制作・配布を含む販売促進支援を主力サービスとしています。同社は紙面広告の枠を販売し、広告制作から配布まで一貫したサービスを広告主に提供しています。

主要な顧客は地域の小売店、飲食店、サービス業、自治体や広告代理店で、広告掲載料やチラシ配布料、制作費が収益の柱です。同社は営業担当者による直接販売と代理店経由の両方で広告を販売し、印刷は外部の印刷会社が担当、配布は自社の戸別配布組織で行うほか、不動産賃貸収入やウェブ運営、講座運営などで補完的な収入を確保しています。

事業は「広告関連事業」「不動産事業」「その他の事業」の三本柱で構成されています。同社の広告関連は新聞発行、500〜1,000世帯単位で細分化したチラシ配布、展示会やポスター制作などの販促支援を含み、40版で約174万部を配布して地域をきめ細かくカバーする点が強みで、また市川市の賃貸マンション・土地の賃貸事業や、ウェブサイト運営、教室運営、マッチングや通信販売、学生向け就活冊子や生成AIを活用した広告効果技術の実証など多様な製品・サービスを展開しています。

経営方針

同社は時価総額の増大と安定的な収益基盤の両立を成長目標とし、ROIC(投下資本利益率)がWACC(資本コスト)を上回る状態をつくることでEVA(経済的付加価値)を高めることを重視しています。現状は盤石な経営基盤を構築するフェーズにあり、売上高の伸長と売上総利益率、EBITDAの拡大を短中期の重点指標としています。上場維持基準の観点では時価総額が約26億円と課題があり、非連続的な成長と情報資産の価値向上で企業価値を高め、基準充足を目指しています。

重点投資は広告関連のコア事業と営業力強化に置かれています。同社は週刊フリーペーパー「ちいき新聞」を40版で約174万部配布し、500〜1,000世帯単位の細分化された配布網を持つことを差別化要素としています。営業の分業化で顧客単価と効率を高めると同時に、印刷は外部委託、配布は自社体制で高到達率を維持し、広告制作から配布まで一貫で提供するワンストップ力を強める施策を進めています。中広のVC加盟による全国1,300万世帯のネットワーク活用や、ツナググループとの人材領域提携で、地域密着と広域顧客の双方を狙う差別化を図っています。

同社はアセットを活用した他社連携による新市場開拓を掲げ、既存の配布エリア外との接続で非連続的な拡大を目指しています。具体的にはナショナルクライアントの開拓や配布エリア外店舗への総合販促提案、求人媒体との連携による年間6,000社規模の募集情報の取り扱い拡大、保険会社やその他提携先との受注拡大を通じて売上のホッケースティック型成長を図ります。加えて不動産賃貸やウェブ運営、教室運営などの補完事業を組み合わせ、財務面では資本増強や金融機関からの調達で成長資金を確保しつつ、安定した財務基盤の構築を進めています。

同社は生成AIなど最新技術の実装に積極的で、広告効果を高める「心理状態デジタルツイン」に関する特許出願を完了しており、これを広告以外のダイレクトセールスやマーケティングにも応用する計画です。技術面では生成AIを活用して制作の効率化や情報資産の価値化を進め、アドバイザリーボードを設置して実現化を加速させています。これらにより既存のビジネスモデルを変革し、他社が参入しにくい新たな市場(ブルーオーシャン)の創出を目指しています。