カドス・コーポレーションJP:211A

時価総額
¥43.9億
PER
6.5倍
建設・不動産事業の有力企業。土地活用のマッチング「カドスLANシステム」を軸に流通店舗の設計施工と賃貸を展開。2025年7月期の完成工事高5,883百万円、不動産売上1,703百万円、累計新築完工553件、管理オーナー303人の実績。山口県・広島県を中心に展開。

事業内容

カドス・コーポレーションは、地域の街づくりに貢献することを掲げ、建設事業と不動産事業を二本柱に事業を展開しています。同社は主に山口県・広島県を中心に流通店舗の設計・施工を行い、用地の提案から設計、施工、テナントの出店までを一貫してプロデュースしています。

同社の主要顧客は全国チェーンの小売や飲食業者で、出店関連の工事が売上の中心となっています。売上構造は建設受注が主力である一方、土地や建物の賃貸・販売など不動産収入も取り込み、2025年7月期は建設売上5,883百万円、不動産事業売上1,703百万円となっています。

事業の内訳では、建設事業が元請けとして下請けと連携し店舗の新築や改装を手掛ける一方、不動産事業では土地を借りて建物を建ててテナントに貸す「建貸」や土地・建物の購入後の賃貸、駐車場運営や太陽光発電による売電など多様なパターンで収益を確保しています。両事業を組み合わせたマッチング機能により、継続的な工事受注と長期の賃貸収入を狙うビジネスモデルを構築しています。

経営方針

同社は「100年存続企業」を長期ビジョンとして掲げ、早期に売上高100億円と株式時価総額100億円の実現を目指しています。直近の事業構成では建設事業が主力で、2025年7月期は建設売上5,883百万円、不動産事業売上1,703百万円となっており、不動産収入比率をおよそ20%程度に維持することで安定した高利益率を確保しつつ成長を図る方針です。工事原価管理の徹底や一人当たりの生産性向上を進め、自己資本比率40.0%、自己資本当期純利益率10.0%、配当性向30.0%といった財務目標に沿って株主価値の向上を図っています。

重点投資分野では、土地オーナーとテナント企業を結びつける独自のマッチング機能「カドスLANシステム」を差別化の核としています。同社は土地特性に合わせた事業プラン提案から設計・施工・出店までを一貫してプロデュースすることで、単なる工事請負にとどまらない付加価値を提供しています。不動産事業では敷地を借りて建物を建てて貸す「建貸」など複数の収益パターンを持ち、当期は保有賃貸物件が97件、当事業年度に834百万円の投資を実施した点も強みです。郊外型の複合商業施設「カドスタウン」については防府市・宇部市で用地を確保し、複数チェーンの誘致による集客力向上を狙っています。

新市場開拓については、山口・広島を基盤に営業エリアを山陽道(山口・広島・岡山)から北部九州(福岡周辺)へ広げる方針です。同社はとくに広島・福岡の需要を重視し、人口10万人以上の22市のうち進出余地が大きい13市をターゲットとしています。地域展開の加速には地元不動産会社との業務提携を活用しており、当事業年度末時点で8市19社と提携済みで、今後は「1市1社以上」の確保を目標としています。また、建設資材高騰や技術者不足に対応するため受注の平準化や営業・工事部門の連携強化、現場監督の適正配置と人材育成を進め、一人当たり年間完成工事高1.08億円からの増加を目指しています。

技術革新と環境への取り組みでは、生産性向上と従業員の技能向上を両輪で進めています。同社は65歳定年を基本に個別の就労継続制度や資格取得支援を行い人材の定着・育成を図っています。電力面では自社太陽光発電の活用に加え、山口県の水力発電による「やまぐちぶちエコでんき」や非化石証書付きの再生可能エネルギー調達を導入し、事業拡大に伴う電力需要増に備える計画です。加えて、特定金融機関への依存を避ける資金調達や内部留保の確保により財務基盤の強化にも取り組んでいます。